落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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他人を見る目を一番持っているのは…
「他人のことを先入観で決めつけてはいけない」
とよく言われますが、
登場人物たちが様々なことを証言するたびに、
主人公に対する観る側の感じ方が
最後までぐらぐらと揺さぶられる作品でした。
さすがはアカデミー脚本賞を受賞した
重厚なストーリー展開。
もしかしたら、
他人を見る目を一番持っているのは、
最初と最後のシーンで象徴的な演技をする
犬のスヌープかもしれない、
と思ってしまいました(^^;
サスペンスではなく法廷劇
シュレディンガーの猫を外から楽しむ映画
鑑賞後、語り合いたくなる良作
まさに。
1人で観に行ったけど、誰か私と語り合いませんか〜!と鑑賞者に声をお掛けしたかったです。
即、この映画レビューを読ませていただきました。いろいろな見方があって、興奮するレビュー読み。最初のダニエルの証言で、夫婦の会話が聞こえたのは外だったという証言から、いや中だったかも、と自分の勘違いだったという証言に変えたのは母を守るためについた都合のよいウソだった?
私の考えは妻サンドラがインタビューを邪魔された腹いせに何かで殴り、旦那サミュエルが三階窓から誤って落ちたのか?とか。だから頭の血があそこについていたのか?とか。
ダニエルは母がやったのかも、と考えていたが、離れて頭を整理して一生懸命、母を守る策を考えていたのか?今度は失敗できない、もう信用されていないんだから飼い犬を使い、より説得力のある状況説明をしなければ…と1人で実行にうつしたのか?
ラスト、割と長い尺で取っていた中にサンドラの友人弁護士と2人だけで飲み交わし、見つめ合った時に旧知の弁護士の顔が疑うような冷たい表情だった気がする。サンドラの右手が震えていたし、それを隠そうとしていた。
他にいろいろ言いたい事がたくさんある映画だった。おもしろかったー!
あとはnoteでもっと語ってみたいです。
ヨーロッパのガチ夫婦ケンカは怖すぎる!
ベストセラー作家の主人公と小説家志望の夫との互いの主張の応酬は、聴いててしんどかった。
日本人同士なら、ここまで相手を追い詰めないけどなー。
このシーンを観て、改めて傾聴って大事だと実感した。
しかし、ここまでもめても、浮気してもされても、それがバレても離婚しないという不思議。
この二人が夫婦という形態をとり続けていることが、この映画で一番ミステリー。
法廷シーンでは、少々間延びしたところもあったけれど、物語は総じて面白かった。
主人公がドイツ人で、フランス語が不自由なので英語を使うシーンに、ヨーロッパを感じた。
確かに、ヨーロッパの人って、2、3か国語(母国語と英語、プラス母国語と言語的に近い言語)話せる人が多い。
少なくとも、街中で英語で質問しても、問題なく会話は成立する。
日本では、駅やホテルの観光施設でも、スタッフが突然の英会話にワタワタしちゃうことありますもんね。
ラスト、主人公は裁判で無罪となる。
息子の証言は、裁判官の心証に大きな影響を与えたように感じた。
私も、主人公は、殺人罪で収監されるリスクを冒してまで、夫を殺さないと思う。
経済力もあるし、夫に本当に愛想が尽きたら、面倒でも合法的な離婚手続きを取るタイプ。
母親なら、障害の有無にかかわらず、11歳の息子と離れる可能性がある選択はしない。
夫の死因は、自殺か過失かは不明だけど、転落死だと思う。
主人公には、あと5年くらいは、息子中心でしっかり子育てして欲しい。
と言いつつ、すぐ恋人とかセフレを作りそう。
恋愛よりは、子育ての方が、私は奥が深くて面白いけどなー。
やはりダメでした
観た感触はTARに近い。(いわゆる一般的な性の役割が反転している感...
犬の演技指導が気になる
信じたいものが真実になるという豊かさと恐ろしさを感じる一本。
倦怠カップル・倦怠夫婦のひりひりする会話や喧嘩が大好きな僕としては、中盤の夫婦同士の言い合いが素晴らしかった。とはいえ、あれも音声としての証拠なだけであって、視覚的にはイメージするしかない。明らかに殴った音はするけど、誰が誰をかは断定できない。裁判なのに、事実ベースで語られないからこそ、その都度感情移入する相手が変わる。
予告編が若干ミスリードっぽいけど、もうどんでん返しとかミステリーとしてどうかではないんだよっていう着地点。両親の本音を聴いてしまった事故により盲目になってしまった子どもが最後にした証言と、母親を慰める側に回るラストにグッと来た。でも最後に寄り添うのは父親でもなく子どもでもなく犬で、その犬ももしかしたら加害の一端を担っていたのかもしれないと思うと… いい投げ方だと思う。
犬の演技がすごすぎる。
楽しんだとはいえ、上映時間長いな〜とは思った。
ある家庭での不審死、法廷劇。 単純な犯人探しではなく、いろんな当事...
ちょっと長かった🐶
寝不足だったせいもあり、途中、ちょっと居眠りしてしまいました。
死んだお父さんが、それほどいい人に思えないから、犯人、わからなくても、もうええやん、という気になってしまいました。
ダニエル、愛犬にあんな実験するなんてよくわかりません。
お母さんも、勝訴したんならさっさと帰ってダニエルと晩ごはん食べればいいのに、弁護士と食事して、寄りかかったりしてちょっと意味不明。
結局、お母さんが殺してたんでしょうか。
冒頭、やかましい音楽をタイマーで鳴らす設定にして、すでに殺めていたのかな🤔
じゃあ、冒頭で話終わってたか。
ちょっと長かったな😅
犬の演技が光っていました🐶
「待って。私は殺してはいない」「重要なのはそこじゃない」
見終わってモヤモヤしてる。こういう、ヨーロッパ人の理屈の捏ね方が苦手なせいもある。英語、独語、仏語。それを日本語の字幕に直して読む。読解力のなさと言われれば返す言葉もないが、言葉を深読みするせいか、その真意を身の腑に落とす前に話が先にいってしまう。思い入れしすぎるのかな。皆さん、よくついていけると思う。そしておそらく肝心な辺りで何度か落ちたzzz。すると息子の激白シーンだ。彼の主張を聞きながら、なんて聡明な子なのだろう、、とは思えなかった。日が経っているのによくもそこまで鮮明に覚えているものだ、としか思えなかった。これも君の幻想だからスラスラ口からでてくるんだろうと勘ぐるしかなかった。
だから、ラストの結末を見ても、さらにその爽やかな笑顔を見ればなおさら、モヤモヤとした感情しか残らなかった。
極めてデキのよい法廷劇だが
カンヌでパルムドール、オスカーで脚本賞――と高い評価を得た作品。
確かによくできた映画で、演者の熱量も高い。
見て損はないと思う。
しかし、法廷劇というのが、元々好みではない。そして2時間半は長い。
頻尿の僕には辛い――というか一度トイレに立った――。
見てスッキリする作品ではないし、夫婦関係、親子関係について、そして夫は殺されたのかどうか…という謎解きについても、映画は暗示するだけで、「真相」は明かさない。
見ていて、気持ちが晴れることもなく、共感もあまりできなかった。
加えて、ここまでの尺の長さは必要だろうか、と感じた。
本当は☆4つと言いたいが、好きなジャンルでなく、長いという点で☆2.5という評価にしておく。
オスカーを取っており、封切りから1カ月たち上映館も少なくなっていることもあってか、昼間のシャンテは結構の客入り(半分弱)だった。
夫婦とは難しいもの
久々のフランス映画。とはいえ、ドイツ人の主人公がロンドンで知り合ったフランス人男性と結婚し、彼の出身地に戻って暮らすという設定から、主人公がもっぱら話すのは英語。そのため、周りのフランス人たちとのコミュニケーションが難しいというのが、この作品の主題に絡まっていて面白い。
タイトルになっている「落下」は、開巻すぐにあっけなく起こる。そこから捜査に続く裁判の中で、外部からは見えない夫婦の秘密が徐々に明らかにされていくというのが、この作品の見どころ。鍵を握るのは、視覚障害の一人息子ダニエル。このところ年のせいか、子供の健気な姿を観ると、ぐっときてしまう。
作中のセリフにあるが、何が真実なのかということより、何を信じ切れるかが大事ということ。裁判の決め手になるダニエルの証言も、そういうことなのだろう。
主人公役のサンドラ・ヒュラーの演技に、凄みと奥深さがある。ダニエルの繊細さも印象に残る。対して、夫の存在感は薄い。犬のスヌープは演技とは思えない。
夫婦とはいかに難しいものかと実感させる本作の脚本を、映画監督の夫妻が共同で書いたというのも、あらためて考えると凄い。
ただ、ちょっと長かった。邦題も、一ひねりほしかったところ。
棄てるものがあるうちはいい
今どきの夫婦関係にくさびを打ち込むようなストーリー
観ていて決して心地良いものではなかったけれど、当節こんなものよなーという感想
夫婦関係に子供の事故後遺症という不運にみまわれ程度なら、どこにでもあるような話ではあるが、ここで一番問題なのは夫が自己肯定感を苛まれるという設定
ここで日本映画なら妻が夫を優しく励ましてというようなあらすじが想定されるが、MeTooやジェンダー時代のBという設定の彼女は、夫を飛び越えはるか遠くに飛び、作家である自分が大事だからという考えであったものだから、まずうまく生活は成り立つはずもなく。夫をいい意味で棄て去っていく女性
子はかすがいと言うけれど、男女(あるいは女女でも、男男でもいいけれど)自立した一方にもたれてしまう一方はたまったものではないだろう
だからあえて子に第三者性の役目を持たせて...
とんでもない脚本(アカデミー脚本賞)だと思った まぁとりあえず棄てるものがあるうちはいいという結末もお見事
荒川良々みたいな検事
いつもの映画館②で
今月で閉館と 寂しい
この間はここでコットを観て落涙寸前だったんだな
今日は陽気につられて電車で来て昼にビールでも飲るかと
期待に違わぬ濃密で重層的な満足映画だった
テイストは怪物に近い気がするが
羅生門的な手法ではなく単一の視点で物語が進む
しかし観終わった後の気持ちは近い
あぁいろんな人のレビューを読みたい
20年くらい前のオラだったら
ん 結局どっちなのよ 気持ち悪いなぁ
とか もっと単純に意味を解せずハッピーエンドでよかった
なんて思っていたかもしれない
年間100本以上の鑑賞と55年の人生経験によって
こういう作品がいいと思える境地に達したことが嬉しい
あとからいろいろ思い出しそうだ いい映画の共通項
【本筋と関係ない話】
・荒川良々みたいな検事
・元ジャニーズのアイドル顔の弁護士
・フランスでは検事がサンタみたいな服とか
弁護士も奇妙な服を着ているのか 日本は取り入れなくてよかった
裁判員は取り入れたな
・イギリスは議会でカツラみたいのを被るんだっけか
もの凄い言葉の応酬に圧倒
観終わったて数時間。
まだ「落下の解剖学」というタイトルと観てきた話とを
整理している最中。
裁判劇ゆえにもの凄い言葉が出てくる。もの凄い量の言葉!
思考の切り替えとか、物事の見方、見る方向で全く違う
見解になるし、全部納得できそうだけど、全て受け入れられないし、結局は
誰も見てないから本当のことは誰も分からない
に着地するんだけど。本当のことじゃなくて、本当のこと「っぽい」のはどれか?なんだよなー。
昔宮部みゆきさんの「誰か」に書いてあった
“人は本当はどうだったか?よりどう見えたのか?に心を寄せてしまう気まぐれなもの”という言葉を思い出した。
そして今思うのはやはり子供は偉大だな、と。
法廷で明らかにされる同業夫婦の対立と内心
う〜む、これがパルムドールですかぁ、、
その上、アカデミー脚本賞まで、、
ちょっと、レビューサイトの平均スコア含めて、評価高すぎやしませんか?
いや、駄作とか、失敗作とかまでは思わないです。
ですが、いちばんのテーマは、法廷シーンの後半になって、夫婦喧嘩の録音と回想シーンによって明らかにされる、作家同士のカップルの複雑な心理的対立ですよね。
日本で夫婦ともに作家ってぇと、文化庁長官もつとめた三浦朱門(1926-2017)と曽野綾子(1931- )が一番有名ですかねぇ、少なくとも片方が存命の方だと。
学者、研究者だと多いですけどね、夫婦で教授とか。でも、その場合、微妙に専門分野を変えたりして、直接ぶつかり合わないように配慮(?)している場合がほとんどでさぁね。
大変ですよ、日常起居をともにするパートナーが同業、それもクリエイター稼業の場合。
書けたら書けたで、お互い能力ぐるみで比較されるライバルになってしまうのだし、いざ書けなくなったら(それが本作の不幸の原因)本業に関するジェラシーや焦燥感や苛立ちは全部相方に向かってしまうんですからね。
まぁ喧嘩の一部始終を聴いてて、観てて、明らかに妻のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)の言ってることの方がまともで、夫サミュエル(役名もキャストも公式に表示がないってどうよ?)の方は夏休みの自由研究の課題が休み明けになっても決まらない小学生が、必死に駄々をこねてる感じの混乱ぶり。
どう見ても、妻の方に正義がありましたよね。
視覚障がいのある息子ダニエル(ミロ・マジャド・グラネール)が、トラウマで爆発するとか、法廷で思いもよらぬ爆弾発言でもするのかと思いきや、上記の判断に基づく、まぁよく言って最も冷静な一証言者ってだけで、それ以上の役割は果たしていなかったですよね。
法廷で、サンドラが勝訴したあと、なにかドンデン返しがあるのかと、冷や冷やしながら見守りましたが、結局何事もなく母子が抱き合って、車でどっかお出かけして終わりなんで拍子抜け。
法廷も、年長の女性裁判長はちょっと怖くて威厳があったけど、それにサンドラ側の弁護士ヴィンセント(スワン・アルロー)の被告女性への接近ぶりもどうかとは思うけど、アントワーヌ・レナルツ演ずる検察官、相手側の証言を主観だと糾弾するくせに、自分こそ主観による決めつけ丸出しで実証能力あかん感じでレベル低かったですしね。
これだけ双方の言い分聴いて、勝ち負け明々白々なんだから、これを羅生門スタイルとか言うのは、モノのたとえとして間違ってますしね。
要は、ダニエルくんの知性に、あなた負けちゃってますよ、ってジュスティーヌ・トリエ監督に言われちゃってるよ、っていう‥‥
*裁判で親の嫌なところを聴かされたダニエルくんの今後を心配するレビューがやたら多くて、あれれ、と首を捻りました。あれだけ冷静な証言ができた彼です。むしろこの裁判を経験することで成長した。そして父親よりも男性として尊敬できる大人になるに違いない、というのが監督の伝えたかったメッセージだったはずなので。
何だか、クライムミステリーなのか、わくわく法廷劇なのか(まぁ比重的にはこっちですが)、視角障がい者の少年がキーなのか、何やら不気味なワンちゃんスヌープ(メッシ)が鍵を握っているのか、etc.‥いささか焦点を絞りきれず、とっ散らかってしまっている印象を受けました。
それら引っくるめて、「作品世界の作り込みでして」ってんなら、是枝さんの『怪物』の方がよっぽど作り込んでるし、スマートだし、ロマンチックだし、エモいですからね。
ところどころ間延びしてたから、40分短くして2時間に納めても同じプロットで、充分できるでしょうに、って感じ。
久々に、無駄に長い映画だなって思いましたもん。
あと、時々カメラ移動とかズームとかが手ブレしたりピンぼけになったりとか、あれ最近流行りの何とかですか?
ウェルメイドを避けるつもりかも知れないけど、今やありきたりの手法で、かえって「またか」と思うだけでした。
まぁ、妻の側が女性と不倫していたとかのところは『TAR』を思わせなくもなかったけれど、ともに自らのキャリアで生きている男女の夫婦の話としてはレナード・バーンスタインと妻のフェリシアの関係を描いた『マエストロ』に案外近いと思いました。
『マエストロ』のレビューは、私パングロスのFilmarks初投稿(2023.12.24)。
再見もして、バイの夫との夫婦関係を詳しく分析もしましたので、ご関心の向きは是非ご覧くださいませ(一部省略版を映画.comにも2024.2.11投稿)。
おっと、自己宣伝で終わるのも何ですんで、もいっかい『TAR』との比較だけ片付けときましょうか。
『TAR』の場合、クラシック界に取材して、本当は、バイだけど家族愛も強くてオシドリ夫婦をまっとうした、アメリカ出身にして世界の指揮界のトップに初めて躍り出たレナード・バーンスタイン(LB)だとか、全米クラシック界の頂点たるメトロポリタン歌劇場音楽監督の座で長期政権を維持しながら任期満了直前に昔の少年加害(ジャニー喜多川と同じ。ちなみにLBにはそうした噂は聞かないので味噌とクソを一緒にしないように)を訴えられて業界から追放されたジェームズ・レヴァインとかをモデルに作劇しようと、はじめ考えたらしいんですね。
ところが、それだと、そもそもクラシック界に少ない女性を排除する結果になって女性蔑視の批判を浴びるだろうから、指揮者をレズビアンの女性に替えて、ケイト・ブランシェットに演じさせたところ、キャンセル・カルチャーを見事に風刺した上に、ある種のフェミニズム批判にもなっているとか、大方の好評を博したわけですね。
要は、トッド・フィールド監督は、頭いいってか、まぁズルいやっちゃ、なんですが。
それに対して、本作のジュスティーヌ・トリエ監督、自身が女性じゃないですか。
だから、夫婦のうち、女性作家の方が仕事ができて、夫婦喧嘩しても言うことがいちいち正しくて、おまけに裁判でも勝ってしまうって、どうよ、男性蔑視なんちゃうのん、って批判は当然あり得ると思いますね。
だって、夫の方は、仕事が手につかなくて、うつ病になって医者にはかかるわ、夫婦喧嘩すれば正論でやり込められるわ、自殺して死んだら死んだで、法廷で恥ずかしい録音流されて、裁判でも女房には勝ち誇られるわ、‥これじゃ文字通り、踏んだり蹴ったりですよね。
なんか、「弱者男性は死んで良し」みたいな感じで。
まぁ、これは、小ずるいフィールド監督に対して、トリエ監督が、
「頑張ろうとする女に対して、男ってやつは、これだけ無理解で理不尽なんですぅ。
みんなぁ、わかってぇ!」
って、悪気なく、純粋に思っているだけなんだと思いますけれど。
だけど、自殺しても、妻からは一向に謝ってもらえない、ってのも、死んでも死に切れない、ってやつかも知れませんな。
本作、ありていに言えば、女性側の言い分が認められれば良し、弱者男性のことは(死んだって)知ったこっちゃない、ってゆう、割と原始的なフェミニズムに立脚した作品だと思いますね。
ちょっと乱暴に要約すると、自殺した死人(それも夫)に鞭打ってみましたって話だし、ね。
そうゆうとこ含めて、よくカンヌが賞を与えたな、という感想に戻ります。
《参考》
【前編】宇多丸『落下の解剖学』を語る!【映画評書き起こし 2024.3.7放送】
アフター6ジャンクション2 2024.3.6
※後編へのリンク、文中にあり
町山智浩の映画特電『落下の解剖学』を解剖する。ミステリと言うなかれ。
2024.3.2 ※YouTubeで検索してください
※以上、Filmarks 投稿を一部修正して投稿
観客それぞれが勝手なストーリーをあてがえる変幻自在の法廷ミステリーすなわち『クレイマー、クレイマー』ミーツ『シャイニング』
フランスの山間にある山荘に暮らす夫婦と一人息子と犬一匹。ある日犬と散歩していた息子が帰宅するとそこには父親の死体が。事故死か自殺かはたまた他殺か・・・からの法廷ミステリー。
結論、超オモロイ!152分と結構長尺ですがそれを感じさせない濃厚なドラマが凄い。しかし起伏に富んだストーリー展開というわけではなくて意味深なカットやセリフ、どうとでも解釈出来る発言や表情が次から次に観客に投げつけられる中で観客が真実は一体どこにあるんだとおのずと考えさせられるようになっているし、しかもその答えが実はどこにも用意されていないのに各人が深く納得してしまう。こんな話、そりゃあオスカーの脚本賞獲るわ。
もう主演のザンドラ・ヒューラー他芸達者な人しか出て来ないんですが、その中で一番の演技派が犬のスヌープ。壮絶な演技力に皆さんビックリすると思います。何気にこの名前が物語の核です。
と書いたところでピンとこないでしょうから言い換えるとこんな映画。
『クレイマー、クレイマー』ミーツ『シャイニング』
ということでちなみに私は事故死派です。
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