落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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「待って。私は殺してはいない」「重要なのはそこじゃない」
見終わってモヤモヤしてる。こういう、ヨーロッパ人の理屈の捏ね方が苦手なせいもある。英語、独語、仏語。それを日本語の字幕に直して読む。読解力のなさと言われれば返す言葉もないが、言葉を深読みするせいか、その真意を身の腑に落とす前に話が先にいってしまう。思い入れしすぎるのかな。皆さん、よくついていけると思う。そしておそらく肝心な辺りで何度か落ちたzzz。すると息子の激白シーンだ。彼の主張を聞きながら、なんて聡明な子なのだろう、、とは思えなかった。日が経っているのによくもそこまで鮮明に覚えているものだ、としか思えなかった。これも君の幻想だからスラスラ口からでてくるんだろうと勘ぐるしかなかった。
だから、ラストの結末を見ても、さらにその爽やかな笑顔を見ればなおさら、モヤモヤとした感情しか残らなかった。
極めてデキのよい法廷劇だが
カンヌでパルムドール、オスカーで脚本賞――と高い評価を得た作品。
確かによくできた映画で、演者の熱量も高い。
見て損はないと思う。
しかし、法廷劇というのが、元々好みではない。そして2時間半は長い。
頻尿の僕には辛い――というか一度トイレに立った――。
見てスッキリする作品ではないし、夫婦関係、親子関係について、そして夫は殺されたのかどうか…という謎解きについても、映画は暗示するだけで、「真相」は明かさない。
見ていて、気持ちが晴れることもなく、共感もあまりできなかった。
加えて、ここまでの尺の長さは必要だろうか、と感じた。
本当は☆4つと言いたいが、好きなジャンルでなく、長いという点で☆2.5という評価にしておく。
オスカーを取っており、封切りから1カ月たち上映館も少なくなっていることもあってか、昼間のシャンテは結構の客入り(半分弱)だった。
夫婦とは難しいもの
久々のフランス映画。とはいえ、ドイツ人の主人公がロンドンで知り合ったフランス人男性と結婚し、彼の出身地に戻って暮らすという設定から、主人公がもっぱら話すのは英語。そのため、周りのフランス人たちとのコミュニケーションが難しいというのが、この作品の主題に絡まっていて面白い。
タイトルになっている「落下」は、開巻すぐにあっけなく起こる。そこから捜査に続く裁判の中で、外部からは見えない夫婦の秘密が徐々に明らかにされていくというのが、この作品の見どころ。鍵を握るのは、視覚障害の一人息子ダニエル。このところ年のせいか、子供の健気な姿を観ると、ぐっときてしまう。
作中のセリフにあるが、何が真実なのかということより、何を信じ切れるかが大事ということ。裁判の決め手になるダニエルの証言も、そういうことなのだろう。
主人公役のサンドラ・ヒュラーの演技に、凄みと奥深さがある。ダニエルの繊細さも印象に残る。対して、夫の存在感は薄い。犬のスヌープは演技とは思えない。
夫婦とはいかに難しいものかと実感させる本作の脚本を、映画監督の夫妻が共同で書いたというのも、あらためて考えると凄い。
ただ、ちょっと長かった。邦題も、一ひねりほしかったところ。
棄てるものがあるうちはいい
今どきの夫婦関係にくさびを打ち込むようなストーリー
観ていて決して心地良いものではなかったけれど、当節こんなものよなーという感想
夫婦関係に子供の事故後遺症という不運にみまわれ程度なら、どこにでもあるような話ではあるが、ここで一番問題なのは夫が自己肯定感を苛まれるという設定
ここで日本映画なら妻が夫を優しく励ましてというようなあらすじが想定されるが、MeTooやジェンダー時代のBという設定の彼女は、夫を飛び越えはるか遠くに飛び、作家である自分が大事だからという考えであったものだから、まずうまく生活は成り立つはずもなく。夫をいい意味で棄て去っていく女性
子はかすがいと言うけれど、男女(あるいは女女でも、男男でもいいけれど)自立した一方にもたれてしまう一方はたまったものではないだろう
だからあえて子に第三者性の役目を持たせて...
とんでもない脚本(アカデミー脚本賞)だと思った まぁとりあえず棄てるものがあるうちはいいという結末もお見事
荒川良々みたいな検事
いつもの映画館②で
今月で閉館と 寂しい
この間はここでコットを観て落涙寸前だったんだな
今日は陽気につられて電車で来て昼にビールでも飲るかと
期待に違わぬ濃密で重層的な満足映画だった
テイストは怪物に近い気がするが
羅生門的な手法ではなく単一の視点で物語が進む
しかし観終わった後の気持ちは近い
あぁいろんな人のレビューを読みたい
20年くらい前のオラだったら
ん 結局どっちなのよ 気持ち悪いなぁ
とか もっと単純に意味を解せずハッピーエンドでよかった
なんて思っていたかもしれない
年間100本以上の鑑賞と55年の人生経験によって
こういう作品がいいと思える境地に達したことが嬉しい
あとからいろいろ思い出しそうだ いい映画の共通項
【本筋と関係ない話】
・荒川良々みたいな検事
・元ジャニーズのアイドル顔の弁護士
・フランスでは検事がサンタみたいな服とか
弁護士も奇妙な服を着ているのか 日本は取り入れなくてよかった
裁判員は取り入れたな
・イギリスは議会でカツラみたいのを被るんだっけか
もの凄い言葉の応酬に圧倒
観終わったて数時間。
まだ「落下の解剖学」というタイトルと観てきた話とを
整理している最中。
裁判劇ゆえにもの凄い言葉が出てくる。もの凄い量の言葉!
思考の切り替えとか、物事の見方、見る方向で全く違う
見解になるし、全部納得できそうだけど、全て受け入れられないし、結局は
誰も見てないから本当のことは誰も分からない
に着地するんだけど。本当のことじゃなくて、本当のこと「っぽい」のはどれか?なんだよなー。
昔宮部みゆきさんの「誰か」に書いてあった
“人は本当はどうだったか?よりどう見えたのか?に心を寄せてしまう気まぐれなもの”という言葉を思い出した。
そして今思うのはやはり子供は偉大だな、と。
法廷で明らかにされる同業夫婦の対立と内心
う〜む、これがパルムドールですかぁ、、
その上、アカデミー脚本賞まで、、
ちょっと、レビューサイトの平均スコア含めて、評価高すぎやしませんか?
いや、駄作とか、失敗作とかまでは思わないです。
ですが、いちばんのテーマは、法廷シーンの後半になって、夫婦喧嘩の録音と回想シーンによって明らかにされる、作家同士のカップルの複雑な心理的対立ですよね。
日本で夫婦ともに作家ってぇと、文化庁長官もつとめた三浦朱門(1926-2017)と曽野綾子(1931- )が一番有名ですかねぇ、少なくとも片方が存命の方だと。
学者、研究者だと多いですけどね、夫婦で教授とか。でも、その場合、微妙に専門分野を変えたりして、直接ぶつかり合わないように配慮(?)している場合がほとんどでさぁね。
大変ですよ、日常起居をともにするパートナーが同業、それもクリエイター稼業の場合。
書けたら書けたで、お互い能力ぐるみで比較されるライバルになってしまうのだし、いざ書けなくなったら(それが本作の不幸の原因)本業に関するジェラシーや焦燥感や苛立ちは全部相方に向かってしまうんですからね。
まぁ喧嘩の一部始終を聴いてて、観てて、明らかに妻のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)の言ってることの方がまともで、夫サミュエル(役名もキャストも公式に表示がないってどうよ?)の方は夏休みの自由研究の課題が休み明けになっても決まらない小学生が、必死に駄々をこねてる感じの混乱ぶり。
どう見ても、妻の方に正義がありましたよね。
視覚障がいのある息子ダニエル(ミロ・マジャド・グラネール)が、トラウマで爆発するとか、法廷で思いもよらぬ爆弾発言でもするのかと思いきや、上記の判断に基づく、まぁよく言って最も冷静な一証言者ってだけで、それ以上の役割は果たしていなかったですよね。
法廷で、サンドラが勝訴したあと、なにかドンデン返しがあるのかと、冷や冷やしながら見守りましたが、結局何事もなく母子が抱き合って、車でどっかお出かけして終わりなんで拍子抜け。
法廷も、年長の女性裁判長はちょっと怖くて威厳があったけど、それにサンドラ側の弁護士ヴィンセント(スワン・アルロー)の被告女性への接近ぶりもどうかとは思うけど、アントワーヌ・レナルツ演ずる検察官、相手側の証言を主観だと糾弾するくせに、自分こそ主観による決めつけ丸出しで実証能力あかん感じでレベル低かったですしね。
これだけ双方の言い分聴いて、勝ち負け明々白々なんだから、これを羅生門スタイルとか言うのは、モノのたとえとして間違ってますしね。
要は、ダニエルくんの知性に、あなた負けちゃってますよ、ってジュスティーヌ・トリエ監督に言われちゃってるよ、っていう‥‥
*裁判で親の嫌なところを聴かされたダニエルくんの今後を心配するレビューがやたら多くて、あれれ、と首を捻りました。あれだけ冷静な証言ができた彼です。むしろこの裁判を経験することで成長した。そして父親よりも男性として尊敬できる大人になるに違いない、というのが監督の伝えたかったメッセージだったはずなので。
何だか、クライムミステリーなのか、わくわく法廷劇なのか(まぁ比重的にはこっちですが)、視角障がい者の少年がキーなのか、何やら不気味なワンちゃんスヌープ(メッシ)が鍵を握っているのか、etc.‥いささか焦点を絞りきれず、とっ散らかってしまっている印象を受けました。
それら引っくるめて、「作品世界の作り込みでして」ってんなら、是枝さんの『怪物』の方がよっぽど作り込んでるし、スマートだし、ロマンチックだし、エモいですからね。
ところどころ間延びしてたから、40分短くして2時間に納めても同じプロットで、充分できるでしょうに、って感じ。
久々に、無駄に長い映画だなって思いましたもん。
あと、時々カメラ移動とかズームとかが手ブレしたりピンぼけになったりとか、あれ最近流行りの何とかですか?
ウェルメイドを避けるつもりかも知れないけど、今やありきたりの手法で、かえって「またか」と思うだけでした。
まぁ、妻の側が女性と不倫していたとかのところは『TAR』を思わせなくもなかったけれど、ともに自らのキャリアで生きている男女の夫婦の話としてはレナード・バーンスタインと妻のフェリシアの関係を描いた『マエストロ』に案外近いと思いました。
『マエストロ』のレビューは、私パングロスのFilmarks初投稿(2023.12.24)。
再見もして、バイの夫との夫婦関係を詳しく分析もしましたので、ご関心の向きは是非ご覧くださいませ(一部省略版を映画.comにも2024.2.11投稿)。
おっと、自己宣伝で終わるのも何ですんで、もいっかい『TAR』との比較だけ片付けときましょうか。
『TAR』の場合、クラシック界に取材して、本当は、バイだけど家族愛も強くてオシドリ夫婦をまっとうした、アメリカ出身にして世界の指揮界のトップに初めて躍り出たレナード・バーンスタイン(LB)だとか、全米クラシック界の頂点たるメトロポリタン歌劇場音楽監督の座で長期政権を維持しながら任期満了直前に昔の少年加害(ジャニー喜多川と同じ。ちなみにLBにはそうした噂は聞かないので味噌とクソを一緒にしないように)を訴えられて業界から追放されたジェームズ・レヴァインとかをモデルに作劇しようと、はじめ考えたらしいんですね。
ところが、それだと、そもそもクラシック界に少ない女性を排除する結果になって女性蔑視の批判を浴びるだろうから、指揮者をレズビアンの女性に替えて、ケイト・ブランシェットに演じさせたところ、キャンセル・カルチャーを見事に風刺した上に、ある種のフェミニズム批判にもなっているとか、大方の好評を博したわけですね。
要は、トッド・フィールド監督は、頭いいってか、まぁズルいやっちゃ、なんですが。
それに対して、本作のジュスティーヌ・トリエ監督、自身が女性じゃないですか。
だから、夫婦のうち、女性作家の方が仕事ができて、夫婦喧嘩しても言うことがいちいち正しくて、おまけに裁判でも勝ってしまうって、どうよ、男性蔑視なんちゃうのん、って批判は当然あり得ると思いますね。
だって、夫の方は、仕事が手につかなくて、うつ病になって医者にはかかるわ、夫婦喧嘩すれば正論でやり込められるわ、自殺して死んだら死んだで、法廷で恥ずかしい録音流されて、裁判でも女房には勝ち誇られるわ、‥これじゃ文字通り、踏んだり蹴ったりですよね。
なんか、「弱者男性は死んで良し」みたいな感じで。
まぁ、これは、小ずるいフィールド監督に対して、トリエ監督が、
「頑張ろうとする女に対して、男ってやつは、これだけ無理解で理不尽なんですぅ。
みんなぁ、わかってぇ!」
って、悪気なく、純粋に思っているだけなんだと思いますけれど。
だけど、自殺しても、妻からは一向に謝ってもらえない、ってのも、死んでも死に切れない、ってやつかも知れませんな。
本作、ありていに言えば、女性側の言い分が認められれば良し、弱者男性のことは(死んだって)知ったこっちゃない、ってゆう、割と原始的なフェミニズムに立脚した作品だと思いますね。
ちょっと乱暴に要約すると、自殺した死人(それも夫)に鞭打ってみましたって話だし、ね。
そうゆうとこ含めて、よくカンヌが賞を与えたな、という感想に戻ります。
《参考》
【前編】宇多丸『落下の解剖学』を語る!【映画評書き起こし 2024.3.7放送】
アフター6ジャンクション2 2024.3.6
※後編へのリンク、文中にあり
町山智浩の映画特電『落下の解剖学』を解剖する。ミステリと言うなかれ。
2024.3.2 ※YouTubeで検索してください
※以上、Filmarks 投稿を一部修正して投稿
観客それぞれが勝手なストーリーをあてがえる変幻自在の法廷ミステリーすなわち『クレイマー、クレイマー』ミーツ『シャイニング』
フランスの山間にある山荘に暮らす夫婦と一人息子と犬一匹。ある日犬と散歩していた息子が帰宅するとそこには父親の死体が。事故死か自殺かはたまた他殺か・・・からの法廷ミステリー。
結論、超オモロイ!152分と結構長尺ですがそれを感じさせない濃厚なドラマが凄い。しかし起伏に富んだストーリー展開というわけではなくて意味深なカットやセリフ、どうとでも解釈出来る発言や表情が次から次に観客に投げつけられる中で観客が真実は一体どこにあるんだとおのずと考えさせられるようになっているし、しかもその答えが実はどこにも用意されていないのに各人が深く納得してしまう。こんな話、そりゃあオスカーの脚本賞獲るわ。
もう主演のザンドラ・ヒューラー他芸達者な人しか出て来ないんですが、その中で一番の演技派が犬のスヌープ。壮絶な演技力に皆さんビックリすると思います。何気にこの名前が物語の核です。
と書いたところでピンとこないでしょうから言い換えるとこんな映画。
『クレイマー、クレイマー』ミーツ『シャイニング』
ということでちなみに私は事故死派です。
リアルは悲しい
今年は唸らせられる映画多いな、という中、一番考えさせる、そして一番時間を忘れて集中した作品だった。フィクションや妄想入っていた哀れなるものたちやボー、に比べて本当にリアルな家族像だったからか。イライラする展開はあれど、見入ってしまった。
夫婦喧嘩のくだり、私にはただひたすら夫の言ってることがめちゃくちゃで、病んでいる証明にしかならないと思ったんだけど、これは見る立場によってちがうんだろうか。
祖国を捨てさせ自分の故郷の山奥に連れてきた妻に対して、言葉も英語で時間も家事も夜の営みも全部君に合わせている、自分に自由がない、ってなんだそりゃ。酷い言いがかりも甚だしい。まあそれも煽りで小説のネタ?と思えば理解はできるけど。。でもこれが男女逆転してたら、ありがちなただの主婦のヒステリーって言われちゃうやつよね。
見ながら、本当に何かやった可能性もなくはないなと思いつつも、どうしても妻側に肩入れしてしまうのは自分が女だからなのか。検事や夫の主治医のセリフとか、本当に腹立たしいけど、まあ検事は暴くのが仕事だからあんなものか。実際に裁判傍聴しても嫌な気分になるのかな。
息子の覚悟が痛々しくて泣ける。
ダニエルくんが練習してるピアノ曲も、不安と焦りと哀しさを冗長させてとても印象に残った。
アルベニスのスペイン組曲、伝説(Asturias)
ショパンのプレリュード 四番e minor
どちらも昔触りだけ練習したことがある曲だけど、最早悲しい気分でしか聴けない😭
作家夫婦の物語り
作家夫婦に起きた不幸の出来事を、丁寧に描いた映画でした。
自宅3階から男性が転落し死亡する事件が起こり、その妻が犯人と疑われ裁判となる映画で、息子も証人として登場します。
裁判の中で夫婦の関係性が、明らかになります。
妻役のサンドラ・ヒュラーが、夫の人間性を庇い続けている所に物語りの深みを感じました。
息子役のミロ君と飼い犬が微笑ましいです。
弁護士役のスワン・アルローが無駄に男前でした。
後半少しワンシーンの尺が長かったです
父も母も大好きなダニエル
心安らぐ大自然の中での暮らしなのにざわつく。
犬の演技は素晴らしい。ここまでできるのか。
父は自殺なのか、事故なのか、母が殺したのか。
あまりにも辛い選択をしなければなかったダニエル。
母が殺したと思っているからこそあの選択だったのだろう。
これからのダニエルの人生について考えると辛すぎる。
落下→夫婦→家族with犬の解剖学へ
アカデミー賞脚本賞受賞も納得の出来!
実に巧妙に描かれている事件を掘り下げていく(解剖していく)と
夫婦→家族with犬の複雑に絡んだ問題に行きつき
何が事実で真実なのか!?がよくわからなくなるんですね。
どうとでも取れてしまう事件の真相。
パンフレット記載の監督談話によると、
「回想シーンは使わないと決めていた」とのこと。
後半で息子ダニエルが回想しているのは一体何なのか!?
そう、ダニエルの心象風景であり事実とは異なるということなのだと。
鑑賞後に、この事件の真相はあれこれ自分で考えている時間が豊潤に感じられ
これぞ映画の楽しみだと思いました。
それにしても主演のザンドラ・ヒュラーの演技が凄すぎる!
特に旦那との会話シーンは表情含め必見です。
それから、犬の演技もすごいです。もう驚きましたね。
上映時間が2時間半くらいですが、全く長いとは感じませんでした。
最後まで一気に鑑賞できてしまう、やはり脚本が秀逸ということなのだろうと
実感しました。
20世紀は
米国が世界の中心だった
その米国の背後には英国がいた。
その彼らが世界に提唱し普及システムは
ビジネスとコンプライアンスの徹底だったかと思う。
本作はその中でも特に
コンプライアンスが幅を効かせる法廷での裁判を軸に
描かれている。
しかも扱う判例は人の死
そこにはその死を取り巻く様々要素、人心が紛れ込む
一筋縄ではない
絡みに絡みまくった要素
それを不確かで時には創作の可能性もある要素で
断じて行こうとする
そこに真実はあるのか?
その時限りの陪審員やその時代の価値観が
正確に裁くなんてできようがない。
そう言いたげな内容だな。と僕は思った。
が、最後のオチは、これからの時代のシステムの変化を
示唆しているようで面白くもあり恐ろしくもあり◎
pimpな気分だわw
ストーリー 5 演技 7 芸術 5 エンタ 5 総合 5 長い❗️...
ストーリー 5
演技 7
芸術 5
エンタ 5
総合 5
長い❗️2時間も要らない。長尺セリフと子供・犬の演技を評価。個人的にこの嫁はんは、かなり傲慢なヤツに感じた。
家族・夫婦の人間と愛の解剖学
言葉もカルチャーも生き方(自己主張強めな妻と夢はありつつも実現できない夫)も違う2人が結婚して、事故により弱視になった子供がいる夫婦。
自宅で妻が昼寝中に起きた夫の転落死をきっかけに、裁判で第三者に詳らかにされていく夫婦の人間性。
妻のバイセクシャルな性癖や不倫、夫の鬱病や自殺未遂など、子供の教育方針の違いや押し付け合いなど、解剖すればするほど、子供からしたらショッキングな事実が見えてくる。
解剖学って、答えを探す学問じゃなくて事実を明らかにする学問なんだよね。
だから、この作品も答えはないし、あったとしてもそれぞれの答え≠正解がある。
ただ、誰も見ていないものは、なにかの事実を軸として「決定」するしかないのだ。
とんでもなく示唆に富んだ作品だなー。生きる指標はちゃんとしてるかね?と問われる感じ。
夫の窓からの物理的な落下、かと思ったら、妻の小説家として失落なども含んでの落下、なのね。
最後、裁判を1日延期させて子供の報告を受けて、結局妻は無罪になるけど、どう考えてもあの爆音の中昼寝はできないでしょ?!いやいや、妻よ…!って思ったけど、パンフレットにヒントが書いてあった。
エンディングシーンの犬が寄り添ってきたこと、元ネタのタイトルから考察すると、あれ?やっぱりやったんじゃね??と。
第96回アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞...
第96回アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞したとあり、どうしても観たいと思っていましたが、フランス語の作品と聞いて、諦めましたw 今回、一時帰国の機内で日本語字幕で見て正解でした。
星はビミョーでしたし、話が膨らむ割にオチはアッサリしていて、拍子抜けした人も多かったでしょうが、究極の夫婦喧嘩という感じがして、結婚って難しいんだなぁと思いました。
夫婦ってあんなに思ってること全部言ったら終わるよね…とため息つきながらも、ハラハラしながら観てました。
私も今思うことをちゃんと言える英語力がないからこそ、誤解されないように丁寧に伝えようとしてますが、なかなか思ってること全部言えるわけじゃないから、コミュニケーションにストレスを感じる時もありますし、相手にしてもらえなかったことも、何度もあります。
あの奥さん、めちゃくちゃ頭良くてフランス語もドイツ語も話せて羨ましくなりましたが、あんなふうに我慢しながら、妥協しながらコミュニケーション取ってるなら、そりゃストレスも溜まるわなぁ…www
子供の前で言いたいこと言えないから、やっぱり愛の形が歪んでしまう切なさも感じました。
それにしても、あのワンちゃん、焦点合わない演技、薬を吐き出す演技、いかにも苦しそうな演技は素晴らしかったですね。
この映画は推理ドラマではなく、裁判映画である。
パルムドールを受賞したので、鑑賞しました。
芸能人・政治家・ビジネスマン・創作者で成功する為には、女性であっても
「男性的な 考え方(脳) と 生き方 をしないと、成功しない」とつくずく思い知らされました。
最後の少年の記憶は、あくまで記憶であって、物証性は無く、実裁判では参考程度のもでしかなく、証拠能力はない。
しかし その発言が、すべてを解決させる唯一の決定打になった事は明らかである。
僕らが画面で観た光景は、
少年の頭の中ではなく、裁判官が想像した光景なので、
少年が1年間迷った末に"選んだ結末"であり、
裁判官の温情の後ろ盾に成った最大であり、唯一のモノだったと思う。
推理映画なら、大どんでん返し結末 なのだが、裁判映画故、"温情結果"で結んだ。
検事は、裁判の被告である女性作家を遮及しなければならない立場でありながら、
最初から グウタラな自国生まれの男性作家を軽視しているとしかおもえない挙動が多々あり、
自4につながりそうに誘導しがちな言動は。。。裁判映画として、作為的な行動なのか?
1人の脚本家が相対する心情を1つの脚本の中で書き込んだ矛盾から生まれたモノなのか?
脚本家の技量の為なのか?
これが、創作ではなく、事実を元にした映画なら、議事録に書かれている冪 発言は、
事実の言葉を"そのまま"引用したのでしょう。
そこらへんが、フィクション映画故の限界。
僕は裁判結果とは真逆な真相があったと、断定しています。
この映画を観たら。。。何か 似たような映画は思い出せないが、、、
「12人の優しい日本人」が頭に浮かんだ。
地下鉄で泣くより、車で泣く方が良い
こないだ鑑賞してきました🎬
ここ数年で客入りが一番で、8割方埋まってましたね🙂
私は前から2番目しか取れなかったですが😅
雪山の山荘で、そこに住む家族の1人であるサミュエルが謎の転落死を遂げます。
ミロ・マシャド・グラネール演じる視覚障害の息子ダニエルが第1発見者となり、次第に被害者の妻であり作家でもあるサンドラ・ヒュラー演じるサンドラに殺人の疑惑が…。
アカデミー脚本賞を受賞しただけあって、ストーリーはよく練られています。
ダニエルが終盤にお守役のマルジュに感情をあらわにするシーンや、死の前日に交わされたサンドラとサミュエルの激しい口論、そして無罪となったサンドラが帰ってきた時のダニエルとのやり取り…どれも良い演技でした。
犬のスヌープもかなりの好演🐶
結局事故の真相は語られませんが、状況証拠を考えると…。
あえて真実を伏せる、というのも時にはありですね。
色んな考察が生まれるでしょう。
考えさせられる映画でした。
名犬スヌープ
結局、夫の死の理由はわからない。彼は自殺だった、事故だった、殺された、どれでもありえる。サンドラは罪に問われなかったが、夫を追い詰めたのは確かである。でも、彼女も自分を犠牲にして、異国での不便な暮らしに耐えていた。どちらが一方的に悪いわけではない。死ぬことで夫婦関係は終息したが、もし夫が生きていたとしても、この夫婦は近いうちに破綻していたに違いない。
裁判は精神的にも肉体的にもキツい。こどもに知らせたくないこと、他人に隠しておきたいことも、明るみに出されてしまう。息子のダニエルは、初めは証言がグラつくが、やはり母を庇っていたのかな。ということは、父の死の原因を知っていた可能性がある。母と息子の間には、2人にしか通じない何かがあった。そして、ダニエルは裁判を終わらせる重要な証言をする。
自分が裁く立場だったら、どう結論つけるだろうか。サンドラがいくら耳栓したとしても、あの大音量で寝るのも信じがたい。ボリューム下げろって言いに行くと思うし、そこでまたケンカになるかも。つかみ合ってアザができた? サンドラが殴ろうとして、よけた夫がバランス崩して頭を打った? でも、やはり殺したとは思えないかなー。そこまで憎んでいないだろうし、彼を殺してサンドラに利益があるわけではないし、事故が妥当な気がする。
俳優みんな演技が上手かったが、一番は犬だね。スヌープすごい! 前足そろえて伏せした姿、超かわいかった! アカデミー受賞式にも呼ばれてたって。粋な計らいですこと。
追記(2024.3.27)
夫と弁護士の名前を勘違いしてた。
最後まで夫の名前がなかったことに気が付いた。
なんか、かわいそうだな、夫。
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