枯れ葉のレビュー・感想・評価
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人恋しくなる季節、孤独を抱えた男と女
セリフでなく、カメラに喋らせる展開
まるで、絵画のようなショット。
まずは、対象物にカメラをあてる。
しばしの沈黙。
その後にセリフが続く。
このパターンで、物語はながれてゆく。
まるで、ゆったりとした川の流れのように。
沈黙のショットは、まるで行間の想像力をかきたてるように。
計算された表現だろうか。
この連続が、どくとくの映像美と展開を生む。
フィンランドという、極東の私達には、縁遠い世界を見せてくれる。
下層階級に生きる、中年男女
男は、肉体労働者。
高等教育は、受けていないようで。
肉体労働に。
アルコール中毒。
酒なしでは、生きて行けない、仕事中だろうと。
それが原因で、失業したりもする。
本人は、酒をあおるのは、うつのせいだと。
多分本当なのだろな。
起用でもなく、社会の底辺でうごめきながら、なんとか日々を過ごしている。
そんな感じが、伝わってくる。
女は、非正規労働者。
スーパーを些細なことで解雇になったり。
その後は、肉体労働で、つつましく生きる。
生きる歓び
この映画のテーマだろうか。
大げさな言い方だけど。
物語は、至ってシンプルで。
二人共、人生の野望とか無縁にみえる。
そんなことより日々の生活を送ることで、手一杯。
もう、夢を追いかけるには、二人共歳を取りすぎたのか。
そのあたりは、よくわからない。
ただ、ひたむきに生きる二人の姿は、けなげだ。
そう、人生は生きるだけでも大変。
そんな言葉が聞こえてきそうな作品。
そんな二人の恋は実るのだろうか。
映画館でお確かめください。
年末の忙しさ、新年をどう迎えようか。
そんな時期にピッタリの作品。
期待の新作に平凡さが滲む。
アキのもつ独特のペーシングに支配されながら、出演者の微かな表情、沈鬱な舞台、作品全体に滲む閉塞感などなど、どれも影を薄め、気持ち作品のペースも早く、ウクライナ情勢を伝える露骨なラジオ放送、色を感じるシーンなど、どこか俗っぽく、平べったい印象で残念に感じた。
机に残されたゼリーの画がなんかすごく好き。
リベンジ✨しました
【12.19✩⃛初回観賞】 評価:-
【12.24✩⃛2度目観賞】 評価:3.5
玄関開けたら2分でラジオ📻
今時ラジオ?でもそれがアンサっぽくてなんか良い✨
フィンランドのカラオケは司会のおばちゃん付き🎶なんならもっとノセてくれたらいいのにw
恋する気持ちに浮かれる人と、ラジオから聞こえてくる哀しいニュース。
愛する人が意識不明の病院から帰る電車内の後方座席でイチャつくカップル。
世の中ってそんな陰と陽の絶妙なバランスで成り立ってる🌞
『キートス』ってフィン語の『ありがとう』なんだね💜マウステテュトットの作中歌も可愛い❤ ❤ ❤
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ごめんなさい!
気付けば9割方寝ちゃってました!!
でも決して映画がつまらないから、ということではなく睡眠不足に起因するものです!!!
作品に罪はないのと、レビュアーさん達の評価が高いのでやっぱり気になるのと、観ていた1割でもとにかくワンコが可愛かったので、今回は星無し無評価として近々もう一度リベンジ試みます🙏
タイトルなし(ネタバレ)
フィンランドの首都ヘルシンキ。
大型スーパーマーケットで働くアンサ(アルマ・ポウスティ)。
賞味期限切れの商品を持ち帰ったことが原因で解雇されてしまう。
一方、廃品工場で粉塵にまみれて働くホラッパ(ユッシ・バタネン)は、度重なる遅刻や職場での飲酒が原因で、これまた解雇されてしまう。
ホラッパは工場の年配の同僚(ヤンネ・フーティアイネン)が誘ったカラオケバーで出逢い、名も知らぬままに惹かれ合う。
その後、ふたたび偶然再会し、一度映画を一緒に観たものの、残念なことから連絡が途切れてしまう。
失業が蔓延して、どことなくやるせないモダンタイムスなヘルシンキのラジオから繰り返し流れるはウクライナでの戦闘の様子で、やるせなさは高まっていく・・・
といった内容で、近作では移民問題が前面に出た社会派的な作品が多かったアキ・カウリスマキ監督だが、監督復帰に選んだ題材は『パラダイスの夕暮れ』など初期作品に近い労働者の物語。
ウクライナ情勢を背景にしているので、社会のやるせなさ、厭世的気分は強調されることになるが、それでも最終的には「愛ある未来」に決着する。
全編を、日本の「竹田の子守歌」をはじめとする歌曲が彩っているが、マイナーコードの曲は画面のカラフルさとは対比的。
太陽の日差しの乏しい北欧では、目には鮮やか、耳には寂しさ、というのが王道なのだろう。
「愛ある未来」を示すラストショットは、往年の名画へのオマージュ。
いつものカウリスマキ映画、変わらぬカウリスマキ映画。
社会は変わるが、カウリスマキの映画は変わらない。
変わらない良さというものある。
選曲の妙を楽しむ異色のラブコメディ
本作はフィンランド映画でした。フィンランド映画と言うと、今年3月に観た「コンパートメント NO.6」がありましたが、あちらはフィンランド人がロシアに留学した際のお話であり、舞台がロシアだった上、時代設定もソビエト崩壊直後の1990年代だったのに対して、こちらの舞台は現代のフィンランドでした。そういう意味では、現代のフィンランドを舞台にした映画としては初めて観た作品となりました。ただ画面の感じが現代調ではなく、いかにも1970年代と言った創りになっていた上、登場人物たちの自宅や職場、酒場の様子が前時代的な雰囲気でした。唯一本作が現代を舞台にしていることが認識できたのは、旧式のラジオから流れるニュースで、ロシアのウクライナ侵攻を伝えていたことと、スマートフォンを使っていたことくらいでしょうか。
そんな現代フィンランドを舞台にした作品でしたが、序盤から中盤にかけて、登場人物たちがとにかく無表情で、喋り方も平板な感じであり、とにかく無機質な創りになっていてちょっと驚きました。主人公のアンサは、最低賃金でスーパーマーケットで働いており、もう一人の主人公であるホラッパも金属工場で働いていて、言ってみれば低所得者の2人。しかも交友関係も限られている感じで、非常に暗い雰囲気で滅入ってしまう内容だったのですが、登場人物同士のやり取りや行動が実は結構滑稽で、本作がコメディ要素たっぷりのラブストーリーだったんだと気付いてからは、笑えるようになりました。
また、ラジオだったりカラオケだったりバンドの演奏だったりと、場面場面に挿入される多彩な音楽が、主人公たちの心情を見事に表した曲で、その点も感心させられました。何せ「竹田の子守唄」からチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」まで、洋の東西を問わない選曲は見事。特に本作の主題歌と言っていい「Syntynyt suruun ja puettu pettymyksin(悲しみに生まれ、失望を身にまとう)」は出色の出来。フィンランド語なので今聞いても内容はさっぱりですが(映画ではちゃんと字幕が出てました)、悲しい感じでありながらもアップテンポで未来に希望が繋がる感じの曲で、まさに本作に嵌る唄でした。
最終盤になり、無表情だったアンサの顔にも笑みが見られるようになり、とっても幸せな感じで映画館を後にすることが出来る作品でした。
そんな訳で本作の評価は★4とします。
映画通向?穢れた私には遠かった
堀越好みの逸品。
さっぱりシンプルで多くは語らないラブストーリー
時間が空いていたのでたまたま鑑賞🎥
この監督の作品は初めてだったんだけど
め〜ちゃくちゃ惹き込まれて面白かった!
度々挿入される歌も最高にあってるし、
笑う要素もちょこちょこあってニヤっとしちゃう😂
個人的にはカラオケでテノールで歌ってスっと帰ってくるフオタリとか、病院でバラバラ死体のニュースを読み聞かせするヒロインとか、あと犬が可愛い🫶🏻
主人公の2人の人柄やそれを取り巻く周囲の人のパーソナルも難しくないし、没入はしやすいです!
淡々と進んでいき、大きい音響がなかったのもあり、
横に座っていたおじいちゃんが寝ていました😂
他の作品もアマプラで見れそうなので
見てみようと思います!!!!
愛がなくちゃね
素朴だけど味わい深い
なぜ北欧ってこう無愛想で、冷めていて、テキトーで、面白いことなんて何もないみたいな世界なのか分からないけれど、そんな無機質な世界にも愛は素朴に生まれて、誰かと誰かをなんとなく結んでゆくのだという風景がしっかり描かれたステキな映画。
登場人物が言葉少なで寡黙な分、ヘルシンキの情景が雄弁であり、色彩豊かに人物の心情描写を助けてくれているように見える。
音楽がほぼ全編鳴りっぱなしで、ある種音楽映画の趣きがある。選曲はどれもレトロで、少し感傷的だけど好き。人によっては痛々しい使い方にも見られるだろうけど、演技が抑えてあるのでそんなに気にならない。
電話のメモのところとか、2023年の物語とは思えないくらい焦れったい展開だけれど、一方でウクライナ戦争のニュースは日々流れ続けている。その時代錯誤的な感覚が、日本人からすると新鮮でありつつもゾッとする部分で、フィンランドには住みたくない感が否が応でも増す。
ただ、映画としてはそんなシュールな雰囲気がたまらなく魅力的であり、男女の粗野な関係性も本当に愛おしくなる。誰もが日常に耐えているという、当たり前のバックグラウンドがごく自然に描かれていて、ものすごく好印象。もっとも、アル中がそんな簡単に治るはずがないので、そこは違和感あったけれども…。
なんにせよ美しくて、詩的で、人生を肯定しようと戦う人たちの映画。今日見た中では一番良かった。
ラジオから流れるウクライナ情勢 カウリスマキでも避けて通れないほど...
復活!
アキ・カウリスマキが帰って来た。ささやかな愛であっても、それが最も重要で普遍的な強烈なメッセージを携えて、美しい映像美に更なる磨きを掛けて、人の最後に残る信じる気持ちを希望として、素晴らしい作品を見せてくれた。最早、巨匠として認知される監督だが、彼の目線は絶えず大きくは出れない人たちへと向けられる。小津安二郎をブラッシュアップし、多くはない独特の台詞とユーモアを無表情な役者たちに語らせ、ライティングと小道具と色調のメリハリで現実感のあるファンタジー世界を創り出す妙味は職人技もここに至って極まっている。その上、使われるサントラまでもが雄弁に語り、ストーリーを見せて来れる。アキ・カウリスマキの作品がマイムラグ無しで今鑑賞出来る僥倖に感謝したい。人を選ぶ作品かもしれないが、誰彼問わず鑑賞して欲しい。派手さのカケラもないが、人であるがためのドラマをそこに見出せる稀有な作品である。「絆」といったコマーシャルな不実なものではない。蜘蛛の糸のように切れやすいものを少しづつ、ゆっくりと手繰り寄せるような繋がりが現実であり、真実なのだ。
正直、そんな面白いわけではありません
静かで最小限のことばのやりとり
昔の日本の映画みたいだった。最小限の表情とことばと静かで単調な物言い。色彩のさりげなくうまい使い方に心がしみた。更衣室のロッカーの赤色、アンサは水色のコートだったり赤のセーターやブラウスを着たり。親友と飲むサイダーは一方が赤でもう一方が青。
映画の中の映画も良かった。最初のデートでゾンビ映画見るんだー!とても笑えた。その映画館は昔の映画館ぽくて、外の壁にゴダールの「気狂いピエロ」のポスターが貼ってあって、若いベルモンドの顔が写っていて嬉しかった。どこかの店の壁には若いアラン・ドロンのポスター。犬の名前はチャップリンで映画愛が詰まっていた。
映画館は名画座なのかなあ、町の雰囲気も、服の感じも古くて昔みたい。カラオケの店の女性のメイクも昔っぽい。でもガラケーあるしネットカフェもあって、ラジオから流れてくるのはロシアによるウクライナ侵攻のニュース。ゼレンスキー大統領の名前だって聞こえてくるのだから、時代は今だ。
映画「トーベ」がとても気に入ってその主人公の女優さんが出るから、そして予告編で見たウィンクに心奪われたので見た。音楽の使い方もお洒落でユニーク。アンサが病室で読み上げる雑誌表紙の文言はグロでこれまた笑えた。
カウリスマキの映画を初めて見た。悲しみと寂しさがふんわりあって笑わせてくれる不思議な映画。
おまけ
フィンランドのヘルシンキに住んでいる親子(日本人)に聞いたら、フィンランド人はこの映画のように無表情というか無愛想(怒っている訳ではない)で、表情が乏しいと言われる日本人と似ているんだそうだ。「カウリスマキ」がなかなか覚えられないので意味を聞いた。カウリスはシカ(ノロジカ)とかヤギとかヒツジのことで、マキは丘とか坂道という意味なんだそうだ。カウリ/スマキと発音してた(簀巻き?!)が、カウリス/マキが正しい!これで監督の名前を間違わずに言えるようになるだろう。嬉しい。
文句なし!選曲も作品のキーワード
文句なし!前評判通り素晴らしい作品だった。
セリフも最低限だし、男と女の息遣い、やりとりも素晴らしかった。
特に、この作品で素晴らしかったのは選曲。選曲が作品のキーワードになってくる。また、犬もいいしアクセントになった。
時間も丁度いいし、大変素晴らしい。エンディングはもちろんシャンソンの枯れ葉。
2023年ベスト作品にあげても全く驚かないし納得できる。
引退を撤回してまで言いたいことがあったカウリスマキ。
孤独な女が一人家ですることはラジオを聴くこと。しかしそのラジオから何度も流れてくるウクロシアによるウクライナ侵攻のニュースに、却って気が重くなるのだった。
女は思わぬ解雇によって職を転々とし、男は酒が手放せない。そんな2人のすれ違いを見ていくわけだが、いつものカウリスマキ節が炸裂する。昭和歌謡風のカラオケ。竹田の子守歌、シューベルトありチャイコフスキーあり!
2人が映画を見に行くシーンでは、ジム・ジャームッシュ作品が現れるという大サービスがあるし、映画館の前のポスターも『逢引き』とかしびれます!
そして今作でも犬がいい仕事をしている。
主演のアルマ・ポウスティはカティ・オウティネンを彷彿とさせる、ぶっきらぼうなのに可愛げがあり好演。Netflixで配信中の『一日半』でも、『トーベ』でもその魅力は十分に発揮されていた。
ユーロライブでの先行上映会で、主演のアルマ・ポウスティと、カウリスマキの大ファンだという松重豊が登壇し、トークショーがあった。アルマ・ポウスティはハリウッド女優とは対極的な雰囲気で、終始親しみやすく可愛げのある受け答えをしていて、松重豊によるファンならではの質問も良かった。
松重:カウリスマキは現場でどのような演出をしているのか。
アルマ:台本は良く読んでくるように、ただし、練習はするな。細かく準備をしてから本番に入る。アドリブはなし。小道具の位置等監督自らチェックし、カメラを覗いたらアクション。カット後にモニタを確認することなく、一発勝負の緊張感で進める昔ながらのスタイルでほぼワンテイク。何度もリハーサルをするのではなく本作は撮影から編集まで二か月で完成しすぐにカンヌに出品した。
松重:台本はどのくらいの長さなのか。
アルマ:生涯で一番短い台本(笑)(セリフは最小限だが、詳細に記してあった)。
などなど面白い話も聞けた。
奇しくも当日はフィンランド106回目の独立記念日ということで、ヒューマニズムに溢れたカウリスマキ作品を堪能できた。
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