「構図の清潔さ。ごくありふれた日常生活。」関心領域 PPさんの映画レビュー(感想・評価)
構図の清潔さ。ごくありふれた日常生活。
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全編とても落ち着いた色調で整然と進んでいく。緑と白。描かれているのはある家庭の話。真面目で家族を愛する優しい父親、家庭のことにしか頭がいかない母親。お手伝いさんがいる裕福で円満な生活が淡々と1ショット1ショット調和が取れた規則正しい構図で紡がれていく。ここはアウシュビッツの隣で、父親は収監所の将校。隣の敷地で何十人ものユダヤ人が日々殺されていく。どういう気持ちで観ればいいかとても悩ましいが、言えることは映画の登場人物たちは異常ではなく、私たちと地続きのごく普通の価値観を持つ真っ当な人間だということ。みんな真面目に「ユダヤ人は人間じゃない」と思って真面目な仕事として人を殺してるのだ。
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