「何も起こらないのにずっと緊張を強いられる」関心領域 jfs2019さんの映画レビュー(感想・評価)
何も起こらないのにずっと緊張を強いられる
スクリーンの中では何も起こらないのに、裏では凄惨なことが起こり続けている音がしている。だからずっと緊張を強いられる。隣の家から悲鳴や銃声が聞こえてきたら、その度にビクッとなるのが普通だけど、登場人物たちはそれらが壁の向こうから聞こえてきても平然と生活している。悲鳴や銃声もそれが日常になると、犬の鳴き声や宅配便のエンジン音ぐらいに気にならなくなるんだろうか。耐えられず家を出て行くお母さんがまともな人の感覚だよね、と思いつつ、自分自身は日常の中で聞こえてくる悲鳴や銃声が気にならなくなってはいないだろうか、と再点検したくなる映画。
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