劇場公開日 2024年5月24日

「全く新しい視点で描くホロコースト」関心領域 アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5全く新しい視点で描くホロコースト

2024年7月10日
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鑑賞方法:映画館

人民を大量虐殺して自国を欲しいままにしていた為政者はスターリンやポル・ポト等もいたが、ユダヤ人という人種・民族をターゲットに集団的殺害(ホロコースト)を行い、さらに障がい者や同性愛者までも排除したヒトラーは鬼畜の度合いが比類なく高いと言える。
そして、そのヒトラーを熱狂的に支持し崇拝し、その思想に洗脳されていた当時のほとんどのドイツ人はヒトラーが示した考えなのだから(自分はユダヤ人でなくドイツ人なのだし)、ユダヤ人がどうなろうと知ったことはない(何処かに連れ去られ強制労働又は虐殺されようと)。のだったと思う。
だとしても、アウシュビッツ内の施設で虐殺するユダヤ人をいかに効率的に焼却するかを業者や部下と話し合う司令官のヘスも、壁の向こうが施設であろうとも自らが作りあげた理想の家に執着しヘスを単身赴任させるヘスの妻(ザンドラ・ヒュラー、落下の解剖学に続きさすがの演技)も、無邪気に遊ぶ子供たち(全く何も知らない訳ないだろうに)も、やっぱり皆んな、ダメだよー神経がおかしくなっているよ!突然家から立ち去った母親のみがまともな神経なんだよ〜

戦後、日本と同じ敗戦国ながら、ベルリンの壁崩壊を経て急速に復興しGDPも3位になったドイツ。ナチスがヒトラーがどれだけの間違いを犯したのかを発信し続けるなか、このような視点で新たな映像を提供してくれた。
明らかに日本より反省度合いは高いし、映像文化の水準も高い。見習うべきである、。

アベちゃん