「前評判を聞いていたが」関心領域 フクメンさんの映画レビュー(感想・評価)
前評判を聞いていたが
個人的に何故か過去作含めて、全般的にあまり相性の良くないA24の作品です。
アウシュビッツで起こっていたことというのは世界中の多くの人が知っていることとは思うが、今回の作品のようなのは珍しいかと思います。ナチス・ドイツ側にも様々な個々人のストーリーがあるのは当たり前ですが、なかなかそこにまで思い至りはしないかなと。そんな所長家族の生活に焦点を当てたのが今作かと。
基本的にあからさまなハデなこともグロいことも、スクリーン上で起こるわけではありませんが、何か機械が稼働しているような重低音や、発砲音と思しき破裂音、それに悲鳴や怒声が、あたかも環境音のように遠くで薄く流れ続けているのがジワジワと効いてきます。
この手のテーマの作品なので、正直見る人を選ぶでしょうが、細いところの確認のためにも、もう一度見に行ってみようかなという気持ちにはなりました。寝不足気味で見に行ったせいか、途中あまりに淡々と進行するので、一瞬意識が飛んだりもしてしまいましたが、目を開けた瞬間にスクリーンが一面真っ赤だったのは、一体何があってああなっていたのだろう。
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