「ラッセル・クロウ主演のバディものに間違いなし!」ヴァチカンのエクソシスト yookieさんの映画レビュー(感想・評価)
ラッセル・クロウ主演のバディものに間違いなし!
あのエクソシストのリブートかと思いきや、まさかのバディもの!ベテラン祓魔師と若き神父との師弟ものでもある。この2人が共に悪魔と闘うアクション・ムービーとして楽しめる1時間40分だった。
なんと言っても、ラッセル・クロウが演じるガブリエーレ・アモルトという実在したエクソシストのキャラクターが、風貌から何からすごくいいのだ。
ローマ教皇に仕えるチーフ・エクソシストなんて肩書きからは威厳ある近寄り難い人を想像してしまうが、教会では戯けてカッコウの鳴き真似をして修道女たちから苦笑されている近所のおじさん風だし、サングラスをかけレトロなスクーターに乗り悪魔祓いの現場へと赴く姿はキャッチーだし、かけつけ一杯のウイスキーやエスプレッソが勝負メシなところも笑っちゃう。
冒頭、教会のお偉方に呼び付けられるシーンでの一幕、カフェラテはいかがかね?と勧められたガブリエーレが、「は?朝からカフェラテ?バカ言ってんじゃないよ!エスプレッソのダブルショットに決まってんだよ。砂糖は悪魔の産物だしよぉ。(超意訳)」と返すシーンがめっちゃツボだった笑。
冒頭からそんな感じでガブリエーレのチャーミングな性格を伝えてくれ、そこから悪魔に取り憑かれてしまう少年の家族を描くシーンに切り替わると、ポップな劇伴が流れる。少年がヘッドホンで聴いている曲なのだが、そこでこの作品が真っ当なホラー映画ではないとしっかり表明してくれるので、そこから最後まで続く悪魔退治バトルアクションを安心して楽しむことができた。
最初は頼りなかった片田舎のトーマス神父が、ガブリエーレからエクソシズムを学び、祓魔師へと成長していく姿も頼もしく、最後はガブリエーレの相棒としてローマに赴き、あと199体いるらしい悪魔祓いを決意し、がっちり握手を交わすシーンはたまんなかった。いいぞー!もっとやってくれー!
この作品のラッセル・クロウって「ナイス・ガイズ」で演じた腕っ節の強い示談屋と似てて。ライアン・ゴズリング演じる冴えない私立探偵と組むことになる、それはそれは楽しいバディものだったんだけど、(この監督ナイス・ガイズみてるよね絶対)今作でも若き神父とのバディ感が最高だったので、マジで続編求む!(なんならナイス・ガイズも続編みたいっス)
エンドロールで実際のガブリエーレ・アモルト神父の写真と半生を伝える、実在する人物をもとに描いた作品の定型表現が流れるが、そこでも劇中の台詞を用いたお茶目な紹介文があり、最後の最後までこの作品を面白くしようという制作陣の意図が見えて好感が持てる作品だった!
面白かったです!