「ヴァチクソ」ヴァチカンのエクソシスト ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴァチクソ
すげー略し方だなと思いながら、ラッセル・クロウ×エクソシストものというどんな化学反応を起こすんだろうかとワクワクしながら鑑賞。
ラッセル・クロウ萌え映画としては満点!内容も直球のエクソシストもの、悪魔vsエクソシストの構図ひとつで引っ張ってくれて、退屈することなく楽しめました。
実在した神父の著書をベースに物語が展開されますが、現実でもこんな感じに悪魔って存在するんだな〜とタメになりながら作品を観ていました。
悪魔vsエクソシストというシンプルな構図に、過去の過ちを交えて進めていくハイブリッド型エクソシスト映画でした。冒頭サラッと悪魔との対峙をして勝って、教会に呼び出されて説教されそうになったから上手いこと逃げて、そうしたら悪魔に憑依された少年を見てほしいという依頼が来て、そして向かってというのをササっとやってくれるのでとてもテンポが良いです。
悪魔が中々傲慢なやつで、しかも超強いというおまけ付きなので、強いであろうカブリエーレですら苦戦するバトルが濃くて見応えがありました。神父2人で共闘するシーン、ガブリエーレが助けられなかった女性、トマースが過去に犯した娼婦、ある女性にしてしまったそれまでの罪を懺悔して前に進むという胸熱な展開を片手に、絶叫響き渡る悪魔封じが繰り広げられて面白かったです。
ラッセル・クロウがカブに乗って街を駆け抜ける姿、これを見れただけで満足度はとても高いんですが、カブに乗るイカつい神父の頻度が多いので、その度に需要が満たされていきます。他作品ではその表情から滲み出るおぞましさや、暴力的な役が目立っていますが、今作ではとっても優しい表情やお茶目なところを見せつつ、かっこよく決めるシーンは決めてくれるので良かったです。
子役の表情がメイクの力はあれど、凄まじい悪魔憑依顔をしていてゾクゾクしました。マジで取り憑かれたんじゃないのかと思えるくらい鋭い目つきに悪い口元をしていて、この子は将来相当な大物になるなと思いました。お姉ちゃんも美人なのに、四つん這いで走らされたり、お口をあんぐりさせられるなど、中々の無茶をさせられてますが、真正面からその演技をしてくれたことに敬意を表したいです。
ホラーとして今作を観ると物足りないと思いますが、エンタメで観ると脳汁がドバッと出る楽しい作品になっていました。悪魔的流血という訳の分からない映倫からのコメントが何故か納得できる不思議な作品です。
鑑賞日 7/19
鑑賞時間 11:20〜13:15
座席 F-3