ユニコーン・ウォーズのレビュー・感想・評価
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絶対に「嫌な思い」をさせます!という切実な覚悟
全編、悪意と諧謔に満ちたこのアニメーションが、これだけ丹念に、高いクオリティで作られていることに、作り手の覚悟を感じる。可愛いキャラクターに惹きつけられた人たちに満遍なくクソを投げつけるような、全方位に向けられた地獄絵図。キャラが可愛いデザインであればあるほど、戦争、差別、権力、搾取、僻みや嫉みのグロテスクさが際立ち、最終的にはその刃先が観客へと、いや、全人類に向けられてとてつもなく居心地が悪くなる。一切のエクスキューズや息抜きを与えない「嫌さ」のオンパレードは、きっと単なる露悪趣味ではない。ここまでヒドイ現実を描いてもなお、アニメという絵と動きの魅力を加わっていることで、見やすくアレンジしてくれているのだ。「まだまだ現実のほうがえげついですよみなさん」と退路を断ってくれてありがとう。
気持ちが悪い
若い時はそれなりに強い刺激を好んでいたのだけど、年寄りなのでこういうのきつい。絵も動きもよくできていて、ちょいちょい宮崎アニメを思わせる場面もあって、でも気持ち悪くて酔う。双子の弟が、生きていない方がいい、みたいなタイプで弟いうだけの理由で兄を恨み、母を憎む。挙句に毒殺する。そのくせ思い上がりもはなはだしく、しかし上には上がいて生きててもつらいばっかりではないか。かわいそうだけど、自分本位で心根が悪すぎていいところが一つもなく無理だ。見ていてつらい。
アニメだからPG12でOK
目玉うるうるのテディベア?が血や内臓や脳みそをドバドバ流すというギャップに驚愕するアニメ。話は戦争の悲惨さはもちろんのこと、宗教の狂気や家族・兄弟との愛憎、マチズモなどなどいろんなものがぶち込まれた創世記という感じ。鬼軍曹はフルメタル・ジャケットのハートマン軍曹だし、アスリンがパンダの仮面をかぶるところはスター・ウォーズEP3のダースベイダー誕生っぽい。
軍の上官が語る戦争を継続させる理由はオーウェル「1984年」を想起させ、現実のところでプーチンやネタニヤフの顔が浮かんだりもするが、雑なまとめとしては、ラストシーンで描かれるとおり「人間ヤバい」。
激辛アニメ
憎悪・対立・暴力、その究極としての戦争の根源にあるものについての寓話なのだが、我が意を得たりと「反戦」(←括弧付きね)に直結させるのはいくら何でも捉え方が表面的過ぎるだろう。「せんそーはんたい」とお経を唱えながら歩いたり、軍用車両の通行妨害するよりはずっと反戦的だ。
異物や異端者について理解する能力が無いのに権威を守るために分かったように振る舞う聖職者や為政者と、自分の頭で考える事を放棄して盲従する「人民」がセットになった時、猛火の焼け野原から立ち上がってくるのが…
恐らくカトリック的倫理観が根底にあるのだろうが、何とペシミスティックな世界観だろう。
制作者が仏教徒か回教徒ならどんな作品になっただろうと想像するとちょっと面白い。
PG12の理由が分かった😰
事前情報なしで見たので、タイトルからしてメルヘンチックな作品だと思ったらぜんぜん違ってた💦
まあ、たぶん“もののけ姫”にインスパイアされてるよね。
あのウニュウニュした触手のかたまりは“タタリ神”だし、あの森の中でユニコーンが踏み出すと新しい芽が生えたりするシーンは“シシ神”まんまだし。
最後まで血まみれグロまみれで、なんか凄かった。
人類には破滅しかないと確信する作品
テディベアやユニコーンといった可愛いキャラクターに、人類の負の歴史を背負わせる寓話でした。テディベアは、現在はかつて住んでいた森を追われていましたが、レコンキスタというべきか、シオニズム運動というべきか、今森を支配するユニコーンに戦いを挑み、森を取り返そう侵攻していく。そして凄惨な戦いが繰り広げられるというお話でした。
キーとなるのはテディベアの支配層が宗教を利用して戦意高揚、国威発揚しているところで、この辺は古今東西何度も繰り返され、現在も目の当たりにしている話。そしていつも死ぬのは最前線に送られる若者たちというのもよくある話。でも本作で注目すべきは、顔に大きな傷を負って前線から戻ってきたゴルディを、これまた国威発揚のシンボルに仕立てて利用しようと企んだ支配層が、やがてゴルディのクーデターで殺されてしまうところでした。この辺りはざまあ見ろとカタルシスを感じたものの、狂ったゴルディはレコンキスタを止めるどころか、一気に加速させていくところが監督の容赦ない展開でした。
一方、ゴルディの双子の兄で、性格の優しいアズリンが、宿敵であるはずのユニコーンの子供を助けたシーンを見て、ほっと一息付いたのも束の間、ゴルディ率いるテディベア軍が侵攻してきてみんな殺されてしまう展開は、まあ予想通りとは言え、人類の未来には破滅しかないんだなと確信を得るしかないものでした。
でも一番面白かったのは、憎しみや狂気や嫉妬といった人間の負の部分の象徴であるゴルディと、優しさや寛容といった人間の正の部分の象徴であるアズリン、さらには力強さや勇敢さといったものの象徴であるユニコーンの子供が交じり合って生まれた人型の化け物(?)に付き従ったのが猿の集団だったというのが、なんとも皮肉な終わり方で納得のエンディングでした。
そんな訳で、本作の評価は★3.5とします。
おっきい討伐
愛に飢えた嫉妬狂いの次男ダース・ベイダー ✕ 親の寵愛を受けてきた心優しいポッチャリ甘ちゃん長男アバター(白人酋長モノ) = テディベア兄弟版 ほぼ"ちいかわ"だった(※半分ジョークなので真に受けないでください!)。
グロいだけじゃなく、しっかりと社会情勢を含んだ寓話的なテーマがあって深く、普通に面白かった。そして、海外アニメ安定のトリップ描写?世界中に溢れた人間の"ヘイト"憎悪や邪悪さ、醜い部分が集積することで、あらゆる夢や希望の象徴は潰える、ということを端的に表しているようなラストもGOOD◎。
本作の製作年コピーライトは2022年、日本では上映後に同時上映となっていた『ユニコーン・ブラッド』は2013年…長編映画にすることの大変さを改めて。
熊だからPG12なのか
昨日、「ぼっち・ざ・ろっく」と「推しの子」を続けて観て、アニメっていいなぁと思って内容知らずに観に行った自分が悪かったんですが、見たくないのに「ちんちん見ていいよ」って見せられた気分です。(観に行ったのは自分です)
喰ってるのが熊だから、喰われてるのが熊だから、PG12なのか。人間だったら完全にR15かR18だろうって描写が続きます。
戦争、殺し合い、戦地で失われる人間性(熊か!)、現われる本性ってのが、「フルメタル・ジャケット」や「プラトーン」のように描かれています。
吹き替えでなく、英語でもない、聞き慣れない言葉に字幕だったから、リアル感が減少してまだよかったのかもしれません。
アニメーションも表現のひとつなので、必ずしも子ども向けでないといけない。とは思いませんが、やはり、東映まんがまつりで育ち、子どもたちにはディズニーやジブリのアニメを観せて育ててきた身には、アニメは楽しい媒体であってほしい。アニメーションでしかできない表現というのはもっと夢のある使い方をしてほしい。
評価は遠慮しておきます。ごめんなさい。
善悪、あらゆる分断がそこに詰まっていた
正直、そこまで期待しないで行ったらめっちゃおもろかった。
善悪や人間の性質など色々詰まった濃厚な90分でした。
マスクを被って復活するところは、ダースベイダーみたいで笑った
まさしく人間社会を描いた作品
空想世界での出来事を描いているようで
現在および今までの人間社会や人間自体を
痛烈に風刺した作品です。
アニメーションとしても秀逸な作品ですから
完成度高いですよね。
自分も含まれる人間という生き物を
第三者的立場で見ている気になります。
愚かですよね・・・。
終わりなき宗教戦争
産まれながら刷り込まれる経典
教えのために戦う
闘いが憎しみを生む
薬と環境でくるっていく熊
嫉妬、妬み、コンプレックス・・・・
そしてラストはすべての要素を取り込んで
何になるのか????
これが全てを言い表してます。
かわいい絵柄ですが、気分は落ちます。はい。
反戦アニメだと考えるのが妥当だとは思うけれども
今年212本目(合計1,304本目/今月(2024年6月度)12本目)。
(前の作品 「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」→この作品「ユニコーン・ウォーズ」→次の作品「」)
個人的にはアニメ作品は見ても評価は書かないのですが、外国アニメに関しては、外国人取次を視野に入れる行政書士の資格持ちとしてはよほど低評価ではない限り見ています。…が、他の映画に推されているのか1週目はヘンテコな時間帯に置かれて2週目の18:50がちょうどよかったです。
映画の趣旨としてはある森を巡る2つの考え方の対立という概念があることはわかるし、またそれを通して戦争の無意味さを問うことは直感的にわかると思いますが、スペインといえば(この点後述)スペイン内戦をへた経験があるのも事実で、いわゆる「反戦」といってもヨーロッパの国の中では「ごく最近」内戦が起きた(スペイン内戦)スペインではちょっと違った部分があり、この部分にも触れているのではないかな…といったところです。
良かった点としては、他の方も書かれている通り、スペインの標準的なアニメが描かれている点で、日本ではジブリ作品ほかに通じるタッチがある点かつ、明確に誰かが悪いと描かれているものではない点でしょう。一方でこれまた他の方の紹介とかぶりますが、PG12でよく通ったなという部分があり(飲食物などを持って入ると吐きそう…)、そこが厳しいかなといったところです(予告編からはこの部分がわからない)。
ただ、アニメのタッチほかは予告編からわかるので、見に行くいかないの判断には使えるかなといったところです。
個人的には日本のアニメ以外、それもスペイン映画という「超ではないがニッチな部分」の作品が見られただけで満足です。
採点に関しては以下を考慮しています。
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(減点0.2/PG12でよいか疑問が残る) ※この点は減点幅0.2統一扱い
他の方も書かれていましたが、R18とはいわないにせよ、R15ついてもちょっと文句はいえないかなといったところです。むしろPG12で通った理由が謎です。
(減点0.3/やや映画の宣伝の方法不足/スペイン映画かどうかの判断)
後述しますが、「スペイン映画」といった場合、「スペインで話されているスペイン映画」か、「南米(ブラジル除く)の国のスペイン映画か」は実際に見ないとわかりませんし、この判別は初歩的なスペイン語の知識を要求します。ここは、適法に在住する南米ペルー、アルゼンチンの方等が多く住む愛知・静岡ほかでは混乱を招くので、しっかり書いてほしかったです。
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(減点なし/参考/スペインのスペイン語と南米スペイン語の違い)
NHKのテレビ・ラジオ講座でも交互に放送されるように(2024年春の講座は南米スペイン語講座)、この2つの言語は微妙に違います。
少しでも聞き取りの知識があれば、南米スペイン語では使われない vosotros という語(2人称複数の主語)、およびそれに付随する動詞の活用形が出るので「スペインのスペイン語だ」ということはあたりがつきますが(よって、南米スペイン語では、vosotros を使わないしその対応する活用形を学習しないので、テキストの動詞の表などが異なる)、この点は当事者や外国人取次を実際に行っている、あるいはアンテナを張っている行政書士の資格持ちには常識ですが、一般にはそうではないですし、まして公式サイトから「スペインのスペイン語か、南米のスペイン語か」まで書かれておらず(仮に書かれていたとしても、日本で適法に在住する外国人の方では10年くらい住んでいて日本語能力検定の上位級を持っていないと情報を引っ張れない)、この点はしっかり書いてほしかったです。
※ 同じ点は「ポルトガルのポルトガル語」と「ブラジルのポルトガル語」か(ポルポル語、ブラポル語といったりする)でも生じますが、日本でポルトガル語による映画は2~3年に1本あるかないかなので、それとは規模が違います(なお、1月だったかの「フィスト・オブ・コンドル」は明確に「チリ」と書いてあったので、南米スペイン語)。
戦場描写のリアルさ
怪しい食物たべてハイになっちゃうところとか、変なやつに噛まれて足を切断しなきゃいけなくなっちゃうとか、戦場描写が妙にリアルだね。
理由なく相手を憎んで殺しにいってしまうのが実際の戦争っぽいね。
「兄に母を取られた」っていう弟が、兄にひどいことするよね。
平時だったら、恨みはするけど、そこまでひどいことできないはずなの。
でも戦時はやれてしまう。人間の醜いところを増幅する機能が戦争にはあるのかもね。
Wound
遠目からだとポップなアニメだなと思ってレーティングを見たらPG-12。
程よくスプラッターが盛り込まれてるグロカワアニメかななんて思って見てみたらあら大変。
とんでもない出血量に幻覚に絶望にと盛りだくさんのエグい作品で、せめてR-15にしなさいよと心の中で思いました。
ユニコーンとテディベアの軍隊の戦いがメインの作品で、軍隊での訓練模様から行方不明の部隊の捜索、そこから怒涛の展開という曲がり道はほとんどしないストロングスタイルの作品でした。
そこそこ優秀な弟と太っていて訓練もあんまりな兄、そんな2人と軍隊のメンバーの個性もそこまで出番がなくても分かるのはキャラの描き方が上手いなと思いました。
弟は分かりやすいくらいのワルで、すぐに他人を貶めようとするし、兄のおねしょを速攻で言いふらしたりと性格の悪さが序盤から滲み出ているんですが、後半の展開を見るとまだ可愛げがあったなってなりました。
兄は優しいんだろうなぁとなるんですが、その優しさが軍隊向けじゃないのが災いして他のメンバーにも口悪く言われていてずっと応援していました。
結構殺しの描写に力が入っているのが印象的で、ナイフでぶすりぶすりは当然あるんですが、思いっきり裂いたり切り刻んだり、鈍器でグチャグチャにしたり、逆にやられる時はユニコーンの角で体ごと貫かれたり、踏み潰されて腸が飛び出したり、人体破損されまくったりと盛り込まれまくっていて、グロ耐性のない人は吐き気催すんじゃないかレベルの過激な演出に息巻いていました。
また虹色の芋虫とかいう食べたら絶対ダメだろってやつも空腹のために食べちゃって、案の定幻覚が見えちゃうんですが、この幻覚の様子が生々しくて、見えてはいけないものが見えるのを筆頭に、体がドロッドロに溶けて芋虫に食べられたり、体が変形しまくってたり、シロクマ兄弟のテディベアたちは森へと誘い込まれたかと思いきや、兄が幻覚で見た巨大虫を殺したかと思ったら弟を殺してしまっていて、兄は翌日首吊り状態で見つかるという痛々しい描写はかなりキツかったです。
地味に小便の色が正常な色ではないのは見る側にもダメージを与えているなぁと思いました。
兄と弟のコンプレックス、特に弟と両親との関係性は心にグサッとくるものがありました。
母は兄のことを可愛がっていたし、なんなら不倫関係になってる場面まで見ちゃったもんだから母を恨みたくなる気持ちのはずなのに、母の死には一番に悲しんでいる様子は印象的でした。
ユニコーン撲滅での全面戦争、これまた絵面も話もエゲツないものでした。
顔面に大きな傷を負った弟がユニコーンを緻密な作戦&圧倒的戦力で環境もろとも破壊していく描写は言い方はアレですが圧巻でした。
矢や剣でユニコーンをこれでもかと殺していきますし、ユニコーンたちの反撃で角を体で貫かれたりするテディベアたちを余すことなく見せてくるもんですから、全身ゾワゾワした状態でした。
弟が兄を思いっきり殺しに行ったシーンでハッピーなエンドではないなと察して、ユニコーンも息絶え、弟も死んでしまうというドロドロもドロドロな終わり方で目がギンギンでした。
ラストの色々吸収合体したら人間になって、それに猿たちがついていくという人類のはじまりを想起させる終わり方には鳥肌が立ちまくっていました。
宗教関連の話はよく分からないんですが、それでも壮大な史実に今作を繋げていく心意気にあっぱれでした。
インパクト大、とにかく過激な描写に目を奪われ続けましたが、お話もしっかり面白くて見応え十分でした。上映感が少ないのがネックですが、広まってくれればなぁと思います。
鑑賞日 6/4
鑑賞時間 10:50〜12:30
座席 C-7
傑作!真摯な悪趣味グロ可愛映画!
年ベス級。このために無理をして新潟国際アニメーション映画祭へ観に来たと言っても過言ではなかっただけに、「これでビミョーだったらどうしよう」と心配してましたが、最高。可愛さと暴力の往復ビンタで悪趣味方向にブチ上がる。内容もさることながら、色合いがまた綺麗で作中ずっと“好き”に溢れてる。
「おちんちん見るなよ!」からの「おちんちん見ていいよ」の即堕ちの流れに笑う。それ要らんやろ。あとサービスカットみたいにちょこっとだけおちんちんを画面いっぱいに映すな。特殊な需要も満たしてそう。
人間ってそうなんだ、と。
テディベアとユニコーン。キャラ的にはファンタジーそのままだが内容がエグすぎる。サイコ一直線な弟が元凶だが、戦争の無意味さを確かに納得できる。見れば見るほど争いの理不尽さを痛感できる。なかなか強烈な一本。
因果応報
森に住むユニコーンと、敵対するテディベア軍の話。
失っても痛くないと上官に言わしめるポンコツ新兵部隊が、消息を絶ったフクロウ隊の捜索の任務について巻き起こっていくストーリー。
性格のネジ曲がったヤツばかりのテディベアだけど、パンダもテディベアなんですねw
最後のユニコーンの血を飲むと、美しさと永遠の命をえられると言っているけれど、ユニコーン凄い数いますけど…。
ゴルディを除き胸くそ悪いヤツ等ばかりだし、なかなかのグロ描写だし、そして猿が崇める忌まわしきモノ…なかなかダークで面白かった。
そういえば、綿棒じゃなくて麺棒ね。
もう一回観たくなる後味!
観ました。
一言で言うと、『キモカワこわこわグロぞわぞわ』←なんじゃソレwww
「もののけ姫」✖︎「ペルリンプスと秘密の森」✖︎「アバター」……が正しいのかは再鑑賞して検証予定。
とても一度で消化し切れません。
だからパンフ購入しました(1,000円)
でももう一度観たい。
(1番好きな台詞)
サルは地球にとってよくないものを信仰してる。
とにかくもっと上映館増やして欲しい‼️
全22件中、1~20件目を表示