劇場公開日 2023年9月1日

「フィクションの世界」アステロイド・シティ かばこさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5フィクションの世界

2023年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

寝られる

砂漠の真ん中の、パステルカラーの街。わざと作り物っぽくしたツクリモノの世界。
ドラマ「アステロイド・シティー」製作に関わる人々を描いたので、メインとするこの部分だけカラー。
劇中劇があり、さらに舞台裏を見せ、その全体を解説するラジオのアナウンサー、多重の入れ子構造になっていて、「フィクション」性を全面に出した一大フィクション。宇宙人まで出てきちゃう正統派です。彼(彼女)、空気読む宇宙人だよね。

オンエア中のアステロイド・シティー(カラー)、ストーリーがあるんだかないんだか、これからどうなるか、というところで大人の事情(作者死亡)でいきなり終わる、まさにツクリモノらしいです。そこで、はた、と思うのは、リアル人生も、実はこんなものではないか? ということ。
出てくる人たち、全員自由な人々でなんか可笑しい。
「フレンチ・ディスパッチ」とも共通するのは、「自由な人々」の可笑しみだと思う。
ウエス・アンダーソンの世界は大好き。なんかクセになる。

追記:
アステロイド・シティの人々の背後でキノコ雲が立ち上るのが見えて、風が吹いてきて空気が揺れる、でも住人たちは誰も気に留めない、これが日常の風景になっている感じ。
核実験はアメリカの50~60年代を表すアイコンの一つだろうが、ブラック・ジョークが過ぎて笑えませんでした。

更に追記:
アステロイド・シティが、「オッペンハイマー」に出てきたロスアラモスの施設にそっくり。
わざとですよね

かばこ
トミーさんのコメント
2023年9月8日

宇宙人のカメラ目線、笑えました!

トミー
トミーさんのコメント
2023年9月8日

思いつかないシチュエーションが出てきて驚かされますね。タッパーの遺骨とか、現像写真の見せ方とか、笑えました。

トミー
トミーさんのコメント
2023年9月8日

共感ありがとうございます。
ストーリーは新作ごとに複雑怪奇になっていきますが舞台装置や小物は、ますますキッチュになりますね。今回は自販機とか写真とか、宇宙人のビジュアルも!

トミー