「邦題のサブタイトルは不要」テノール! 人生はハーモニー talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
邦題のサブタイトルは不要
テンポよくラップもオペラもよく、チンピラの溜まり場もオペラハウスの館内もバックステージもよかった。MB14が適役で素敵だった。彼がロベルト・アラーニャのアリアを聞いて感動するところでは私も心をガシッと掴まれた。アントワーヌからもらったCDのラップにのってマリー先生が一人ダンスするところは可愛らしくて気持ちが分かって共感した。
自分自身の家族は最低でも、オペラ愛に恵まれ努力を続ける才能とセンスに恵まれたマリー先生。美しいものに囲まれ好きな赤ワインと同じ色のセーターを着て一見刹那的な生き方。でも後進を育て星を見いだす喜びと感動を最後まで持ち続けたマリー先生のような生き方はフィクションであっても憧れる。
弟思いの兄と優しい母親と幼なじみのサミア(逞しく優しく愛らしい)と沢山の友達に恵まれていたアントワーヌ。悩みはただひとつ、自分は何したいんだ?何やってるんだ?ラップもかっこいい。オペラもかっこいい。眠ってはならない、私は勝つんだ!両方できる世界に変えることができたらいい、大谷みたいに。
オペラは劇場で見るより映画で見る方がのめり込める。歌劇場は美しく高揚感もあって非日常を楽しめる。でも1時間もの長い休憩時間はロビーをぐるぐる廻って観客らが互いを観察する時間で、面白いけど要するに見せびらかしごっこ。延々と続くブラボー嵐も好きでないし。ブーイングの方が楽しそう。
オネーギンのポスターが貼ってあって嬉しかった。アントワーヌの歌(オペラの方)は真面目で丁寧で好感がもてた。
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