おしょりん : 特集
メガネ男子&女子は全員見るべき、想像以上に偉大な作品
“朝ドラも取り上げていない偉人”の知られざる実話!
ゼロから未来を切り開いた人々の覚悟に胸がアツくなる
「下町ロケット」「陸王」好きに絶対オススメの注目作
メガネ男子&女子は全員見てほしい! いや、見るべきといえる物語「おしょりん」が、11月3日から全国公開されます。同作で描かれるのは、私たちの生活や人生を支える“メガネ”をつくるために情熱を注いだ、“朝ドラも取り上げていない偉人”の知られざる実話。
このゼロから未来を切り開いた人々の物語は、日曜劇場「下町ロケット」「陸王」など、諦めずに困難に立ち向かった人々のアツき開発秘話が好きな人には絶対に“刺さる”!
メガネはただの道具ではなく、自分自身の一部であり生活の支え――この記事では、“目から鱗”の実話の魅力、“目頭がアツくなる”見どころ、日本のモノづくりの精神が息づいた想像以上に偉大な作品を詳しくご紹介。
あなたの見る「せかい」をも変えてくれる力を秘めた「おしょりん」は、きっと大切な1本になるはずです。
【見所】朝ドラ&日曜劇場も取り上げていない偉人が
起こした奇跡…人生を捧げた兄弟と、夢を信じ続けた妻
舞台は、明治時代。いまや日本のメガネの95%を生産する聖地・福井の礎を築いたのは、メガネづくりに人生を捧げた兄弟と、夢を信じ続けた妻。知識も、経験も、設備も何もない……そんなゼロの状態から、全ては始まりました。朝ドラや日曜劇場の題材ともなりそうな偉人が起こした“奇跡”とは? この項目では、物語の見どころを紹介していきます。
●[目頭がアツくなる見所①]物語:ゼロからのメガネづくりで村を救う!
北乃きい&森崎ウィン&小泉孝太郎が、未来を切り開く
明治37年、福井県足羽郡麻生津村。庄屋の長男である増永五左衛門(小泉孝太郎)と、その妻・むめ(北乃きい)。むめは、育児と家事に追われる日々を過ごしていた。
ある日、大阪で働いていた五左衛門の弟・幸八(森崎ウィン)が帰郷し、村をあげてのメガネづくりを提案。冬は収穫がなくなる農家の人々の暮らしを、メガネづくりを成功させることで助けたい――そんな一心で動き始める。当時の福井では、メガネはまだほとんど知られていなかったが、活字文化の普及で、今後は必需品になるというのだ。
やがて五左衛門と幸八は、村の人々を集めて工場を設立。むめは、一見無謀な挑戦に心を砕く兄弟を信じ、支え続ける。彼女に励まされた兄弟と職人たちは、やがて“最後の賭け”に打って出るのだが……。
主演は北乃きい。ひたむきに前を向き、強い心で生き抜くむめを、生き生きと表現しています。
好奇心とポジティブな野心に溢れた弟・幸八をチャーミングに演じたのは、スティーブン・スピルバーグ監督作「レディ・プレイヤー1」などの森崎ウィン。小泉孝太郎が、頑固ながら村人たちにとって頼れる存在の兄・五左衛門を、抜群の存在感で演じています。
夢に向かって助け合う3人ですが、実は“三角関係”に陥っている点も見どころ。ゼロからの挑戦と淡い恋模様に揺れる3人が選ぶ道とは?
●[目頭がアツくなる見所②]テーマ:困難の連続にも、絶対に“折れなかった”人々の生き様
「下町ロケット」「陸王」…池井戸作品好きは必ずハマる! 心動かされる良作が誕生
新たな事業を始めた兄弟の前に、無情にも数々の壁が立ちはだかります。
村人たちが、血のにじむような苦労の末に完成させた品は、「売り物にならない」と卸問屋から突き返される。やっとの思いでものにした技術も、流行や素材の変化で、また一から学び直さなければならない。果てには、資金難で銀行の融資を受けるも、厳しく返済を迫られる――。
本作には、そんな困難の連続にも、絶対に“折れなかった”人々の生き様が、圧倒的な熱量で刻み込まれています。まさに、日曜劇場「下町ロケット」「陸王」などを彷ふつとさせるような、人々がモノづくりに注ぐ情熱と奮闘のドラマ。池井戸潤作品好きが「こういうのが見たかった!」と唸るような、心動かされる良作が誕生しました!
【すさまじい本気度】実は“想像以上に偉大な作品”!
モノづくりへの情熱が結んだ、史上初の取り組みは?
さらに本作は、劇中の人々の思いに匹敵する、すさまじい情熱が宿った“想像以上に偉大な作品”。この項目では、3つの「スゴイ本気度」を見ていきましょう!
●[スゴイ本気度①]メガネの新解釈に“開眼”! 世界に誇る日本のモノづくりに心震える
「メガネ=日用品」――多くの人がそう認識していると思います。しかし、そんな人にこそ本作で、メガネの偉大さを目撃してほしい!
本作では、メガネは日用品の枠を超え、視力の弱い人にとっては“自分自身の一部”であり、自分と世界をつなぐ発明品でもあることが描かれています。機能的な部分だけではなく、装飾やデザインによって、自分の生活を彩るファッションアイテムや芸術品にもなる存在です。劇中には、メガネの新解釈に“開眼”させてくれるいくつもの気付きが、ちりばめられているのです。
そうした描写を通じて浮き彫りになるのは、日本人のモノづくりの崇高な精神。体力の限界に達するなかでも辛抱強く何度も挑戦し、技術面での高いハードルを越え、全てを捧げてでも良いモノを作りたい――職人たちが、使う人のことをどこまでも“本気”で考える、メガネづくりの工程。そんな世界に誇る日本のモノづくりの精神が宿った物語が、見る者の心を震わせ、深く胸を打つのです。
●[スゴイ本気度②]貴重な重要文化財で撮影 当時の人々の思いが息づくロケーションの凄味
見る者をどこまでも物語に没入させるのが、雪と緑と日本海が生み出す美しくも厳かな自然と、貴重な重要文化財の数々。“日本三大松原”として知られる気比の松原の豊かな風景に加え、増永家のシーンは旧谷口家住宅(国指定重要文化財)、むめの実家はおさごえ農家園、メガネ工場は廃校になっていた分校で撮影されました。
かつての空気をたっぷりと吸い込み、現代まで大切に保存されてきた重要文化財には、当時の人々の思いや営みが息づいているかのよう。そんな“本気”のロケーションが、セット撮影では得られない凄味を醸し出しています。
●[スゴイ本気度③]史上初&前代未聞!? 物語に心動かされ…福井県と県内の全市町が全面協力
モノづくりの尊い物語は、ある史上初&前代未聞の取り組みを実現させました。それは、福井県と福井市をはじめとした県内の全17市町、100を超える県内企業の全面協力という、強力過ぎるバックアップ。同じ県内でも仲が悪い自治体があるというのはよく聞く話ですが、そんなしがらみを超え、タッグを組んだ……劇中の職人たちさながら、多くの人々の“本気”が実を結んだ、偉大な作品なのです!
本作を応援する人々は、ロケーションやボランティアなど、さまざまな面で撮影をサポート。同地で生まれ育ち、「えちてつ物語 わたし、故郷に帰ってきました。」を手がけた河合広栄プロデューサーは、「こんなことは二度とできないというくらい、本当にたくさんの方々に協力していただいて、福井の端から端まで撮影に行きました」と、感謝の思いを語っています。
時代を超え、モノづくりへの情熱が生んだ、まさに結晶ともいえるような作品。そんな人々の“思い”を、是非映画館で受け取ってほしいのです。
【レビュー】鑑賞後、思わず愛用メガネを抱きしめた
作る人の“思い”が宿る…日本のモノづくりの尊さ
いまもメガネをかけてこの原稿を書いている編集部員が、本作を早速鑑賞。その結果、日本のモノづくりの尊さにしびれ、思わず愛用メガネを抱きしめるほどの圧倒的な感動に包まれました。この項目では、心動かされたポイントをたっぷりと語らせてください!
●メガネが切り開いた少女の未来 人生に寄り添う“自分の一部”に感謝
皆さんは、初めてメガネをかけたときのことを、覚えていますか? 劇中では、村の宮大工・末吉(駿河太郎)の娘・ツネが、幸八が持ち込んだメガネを初めてかける瞬間が描かれます。「よう見える! きれいなもの、いっぱいあるんやな!」。
難しい字もすらすらと読むほど聡明であるにもかかわらず、なぜか学校の成績が悪かったツネ。その理由は、黒板が見えなかったことにあったのです。「メガネが彼らの『せかい』を変えた」――そのコピーにも表れているように、メガネはツネの見つめる世界を変え、ある明るい未来へと導いていきます。
かつてはツネのように、近眼であることで、さまざまな可能性が閉ざされた人々もいたのでは? そんなことに思いを馳せると、これからの人生に寄り添ってくれる“自分の一部”への感謝の念が、改めてこみ上げてきました。
●職人たちが不屈の精神で試行錯誤 使う人を思う“豊かな仕事”が美しい
厳しい指導者・豊島(津田寛治)の下、職人たちは来る日も来る日もモノづくりに励みますが、完成品の半分しか売れないという苦しい状況が続いていました。そこで豊島は、職人とむめに、自分が作ったメガネをかけさせます。むめはそこで、ある重要な“違い”に気付くことに。
そこで豊島が伝える、「使う人間のことを想像しなければならない」という言葉が、日本のモノづくりの神髄を表しているようで、めちゃくちゃアツいんです! その言葉で雷に打たれた職人たちは、不屈の精神で、試行錯誤を重ねていきます。使う人を思う――そんな美しく豊かな仕事が、日本のモノづくりを支えていることに、心がじんわりとあたたかくなりました。
鑑賞後、メガネで「せかい」が変わった人の“良い表情”の数々が、心に焼きついて離れませんでした。「おしょりん」の尊い物語は、きっとあなたの「せかい」をも変えてくれるはず。是非スクリーンで堪能してください。