「終映日に、観る踏ん切りをつけることができました。」ミッシング のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)
終映日に、観る踏ん切りをつけることができました。
お腹に子どもたちが宿った瞬間から、私のアキレス腱は、ふたりの子どもだ。
彼らが、20歳までつつがなく育ってくれたことは、私の人生の中でも一番の祝福である。
この「ミッシング」は、予告編を観た時から、観るのが怖いと思った。
感情移入しすぎて、映画館で静かに観れるか不安だったから。
けれど、どうしても、スクリーンで観たくて、終映日のレイトショーに出かけた。
普段、レイトショーは人がポツポツなのに、それなりに埋まっていてビックリ。
自分と同類かもと思うと、ちょっとホッとする。
沙織里を演じた主演の石原さとみさんに圧倒された。
20代の彼女は、キラキラでかわいくて、パステルカラーのイメージだった。
「そして、バトンを渡された」で、私は初めて、石原さとみさんを女優として認識した。
今回の「ミッシング」では、彼女の女優として生きていく覚悟を受け取った。
それくらい、胸に迫るあり方だった。
夫役の青木さん、弟役の森さんも、ホントに素晴らしかった。
おさえた演技の中に、抱える苦しみが体現されていて、感情を出しにくい男性特有のしんどさを感じた。
沙織里の携帯に、半年間行方不明の美羽が保護されたというイタ電を掛けた奴には、生まれて初めて、明確に殺意を抱いた。
これ、自分が沙織里の立場で、相手が特定できたら、殺すかもしれない案件だわ。
そのくらい、頭に血が上った。
けれど、こういうことをする人が、現に日本にはいるのかもしれないなと残念な気持ちにもなった。
ラストも、よかった。
改めて、我が子が手をのばせば触れることができる幸せを実感する。
そして、全ての母親が、そうであることを祈った。
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