「そのプリズムの先に。」ミッシング はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
そのプリズムの先に。
石原さとみはもちろんのこと、青木崇高、森優作が本当に素晴らしい。それぞれが抱える互いへの不信感、そして自分自身に対する後悔を繊細に体現していて、もう途中からずっと涙が止まらなかったです。
ある日突然失踪した6才の娘。毎日ビラを配り、マスコミの取材を受け、心も体も疲弊しながら、最前線に立ち続ける夫婦。壊れてゆく妻をなんとか支える夫。ギリギリの状態が続く中、更に2人をネットの書き込みが容赦なく叩きのめす。
やり場のない怒りと絶望。そして捨て切れない、捨てるわけにはいかない僅かな希望。これからも生きてゆく為に必要なそれぞれの着地点を探しながら、道程は遠いけれど、確実に時間は過ぎてゆく。子供達におばさんと言われ「お姉さんね」と言い返すふとしたやり取りが物語の中でようやく1つ前に進んだような感じがしてとても印象的なシーンだった。
難しいテーマに挑み続ける吉田恵輔監督。これからも期待しています。
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