「大切な人がいなくなること」ミッシング mikaさんの映画レビュー(感想・評価)
大切な人がいなくなること
愛娘が突然何者かに誘拐され、手がかりが何もない中、僅かな希望に縋って懸命に生きていく母親の話。
最後まで希望はない。
辛く、悲しく、苦しい映画だった。
ただ、この話のように、行方の分からない家族の無事を信じて、ずっと待ち続けている人や、事件や事故等で家族を失った苦しみから、どれだけ経っても脱け出せない人が、この世の中には沢山いるのだろうと気づかされた。
そういう悲しみを抱えた人に出来ることは限られているのかもしれない。
“あなたの悲しみは分かる”そんな言葉にも限界があるのかもしれない。
それでも他人の悲しみに少しでも寄り添える人でありたい、苦しい思いをしている人を攻撃や嘲笑の的にするのではなく、優しく見守れるような社会になるといい、そんなことを強く思った。
後味は決して良くはないが、この映画に出逢えて良かった。
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