劇場公開日 2024年5月17日

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「通過点としてのマイルストーン(里程標)A milestone as a waypoint」ミッシング 新米エヴァンゲリストさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5通過点としてのマイルストーン(里程標)A milestone as a waypoint

2024年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

感じ方はそれぞれかもしれないけれど、
ここ最近の価値観の変化は激しい。

この映画は、
数年後に観ると、
「あぁ、こんな時代だったんだ」
と、言われるものになるかもしれない。

主演の石原さとみさんのおかげで、
映画にもかかわらず、
今という時代を生々しく切り取ったものになった。

それは娘を失った夫婦、その身内にとどまらず、
それを取り巻く環境も、
象徴的に描いていると思うからだ。

失踪したことを広く知らしめるためのネットが、
被害者である人に向けての刃になり、
それは別の人間にとっては、出世の道具になる。

人として踏みとどまろうとすれば、
見方を変えれば損をし、
企業では、評価されない。

でも映画を見る僕らは、その踏みとどまる態度が
正しいと理解している。

PCやスマホの前にいる、
何のとりえもない人間が、
それを使うことにより、残酷なことを行える。

フィクションなのに、
僕は殺意を覚えた。

そして、自分たちと同じような
隣にいるような人間が、
優しく弱く、真面目がゆえに、
開き直ることも、弁明することもできず、
語らないゆえに誤解される。

どこかで見た光景にあふれている。
出口のないトンネルのような映画だったが、
森優作さんの演じる主人公の弟が、
次へ進めてくれ、映画館を後にすることができた。

たぶん、まだ世の中は変わっていく。

この映画は【今】を切り取って永久保存した。

Everyone may have different feelings about it, but the recent changes in values have been drastic.

This movie might be something that, when watched a few years from now, people will say, "Ah, this was what the times were like."

Thanks to the lead actress, Satomi Ishihara, despite being a film, it vividly captures the essence of the present era.

It not only portrays the couple who lost their daughter and their relatives but also symbolically depicts the surrounding environment.

The internet, used to widely publicize the disappearance, turns into a weapon against the victim and becomes a tool for others' advancement.

If one tries to remain human, from another perspective, they suffer losses and are not valued in the corporate world.

But we, the viewers, understand that this steadfast attitude is the right one.

People with no particular merit, sitting in front of their PCs or smartphones, can commit cruel acts using them.

Even though it's fiction, I felt a sense of murderous rage.

And people just like us, the ones next to us, who are kind, weak, and earnest, end up being misunderstood because they can't brazen it out or explain themselves.

The movie is filled with scenes we've seen somewhere before.

It was like a tunnel with no exit, but the protagonist's brother, played by Yusaku Mori, helped us move forward and leave the theater.

Probably, the world will keep changing.

This movie has permanently preserved the essence of [now].

新米エヴァンゲリスト
humさんのコメント
2024年6月1日

主人公の弟が…前に進めてくれた。
そうでしたね。
やさしさ、正直さ、目の前の対話にこれからのヒントがあるのかもしれないなと感じます。

hum