「まさかのカメラマン」ミッシング nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
まさかのカメラマン
やはり出演者の演技が素晴らしいです。
必死にもがく母親役の石原さとみ、冷静さの裏に苦悩を押し込める父親役の青木崇高、報道の在り方に揺らぐテレビ記者役の中村倫也。
感情を抑え気味な父親や記者がこらえきれず感情を表に出す場面もなんとも言えませんが、序盤から感情的な母親にこれ以上があるのかと思っていたところ、更に打ちのめされる悲痛な場面は圧巻です。
個人が根拠なく無責任な意見を書き込むSNSに対して、責任をもって取材しつつも視聴率のために恣意的な報道をするテレビへの視点も印象的です。
悪意や無理解がはびこる理不尽な世の中を突き付けながらも、ささやかな善意の存在も示す、それでもやり切れなさもあり、複雑な気持ちで考えさせられます。
淡々と人々の日常や表情を捉える抑えた語り口や、印象的な光の使い方も良かったです。
吉田監督の作品はシニカルなユーモアのテイストが好きですが、今作はそういったテイストは控えめで、直球な感じがしました。
とは言え、まさかあの場面であんな風にカメラマンがぶっこんでくるとは。
自分も連想してしまっていたので、なんて脚本だと……
コメントいただきありがとうございます。
確かに、世代によってはピンと来ない流れかと思います。
感動的にさせ過ぎないようなユーモアの入れ方は、やはり独特で面白いですね。
こんにちは。
本当にあそこでアレをぶっ込んでくるとは!!吉田作品のお約束。緊張感が続く中での突然のシニカルなユーモアを差し込んでくる、その絶妙なタイミングに今回もヤられましたね!
え?!?!砂田同様の感情を味わえた事。「アレ」を知っている世代で良かったと思いましたよ。
それにしてもさとみの長台詞とあの芝居を、あの一言で終了させるんですもんね。カメラマン不破を演じた細川さんの緊張感もハンパなかったでしょうね。