「冷静でいることのむずかしさ…咽び泣き」ミッシング 羊さんの映画レビュー(感想・評価)
冷静でいることのむずかしさ…咽び泣き
*
誰のことを責めても仕方ない
誘拐事件は誰も悪くないのだから
ただただ犯人だけが悪い
そう思うのはおかしいでしょうか
*
いつも気が立っている妻を
冷静に支える夫の姿に愛を感じました
そんな夫の本音がわかる数々のシーンに
泣かずにはいられなかった…咽び泣きです…
沙織里の夫が豊でなかったら
家族というかたちは壊れていたと思います
*
時間が経つにつれ
落ち着きを取り戻し日常へと戻る沙織里
果実の美しさや
自然がつくりだす虹色の光にそっと心が動く
この姿が本来の彼女なのでしょう
バッドエンドだけどバッドとは言い切れない
ハッピーエンドとは決して言えない
だからこそ自然の美しさを美しいと思えるくらい
感性を取り戻した彼女の穏やかさに救われるのです
*
未だかつて観たことがない
石原さとみさんの演技がここにあります
呆気に取られてしまうほどです…
目を真っ赤にしながら煙草を咥える
青木崇高さんの演技に
こうしてレビューを書いている今でも
胸を締め付けられています
このお二方でないと
この作品は成立しないと思うほどでした
共感ありがとうございます。豊はどんな時も冷静さを失わないように踏ん張っていましたね。胸が締め付けられるくらいに、痛いほどに、感じました。感情的に放ってしまった自分の言葉にもハッとして『違うよ今の発言はこういうことだよ』とオブラートで必死に包んで。尊敬できる人物にまた一人に出会えた気持ちです。
本当ですね。自分の気持ちと娘をどうにかして見つけたいという焦りで周りのことが見えなくなってて。心に余裕を持つことって大事なんだなと思いました。あの状況でこれはなかなか難しいことだけど豊は常に「冷静」を保とうと頑張っている姿に胸を打たれましたね…
旦那や弟など、周りの想いに沙織里が気づいてくれてよかったですよね。
もともと八つ当たりにも自覚があり、それ故にまた自分を責めていたのですが。
完全に壊れなかったのは、旦那のお陰だと思います。