「重い事件だが、人間が深く、強く、美しく描かれる」ミッシング ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
重い事件だが、人間が深く、強く、美しく描かれる
インパクトある石原さとみのポスターで、半年くらい前から気になっていた一作。
重い話になるだろうなーとは思いつつ、どんな経験になるか期待して鑑賞。
これはまあ、重い重い。
だけど、段々と描きたいのが話ではなく、人間模様であるとわかると、とても興味深い。
演技がオーバー気味だと思われるかもしれないが、身近に追い詰められた人がいた経験があった身からは、かなり共感できるし、夫婦の違いもとてもリアルである。
石原さとみ、青木崇高、中村倫也、森優作、みんな悩み苦しみ、だけど、力強く前に進んでいく先にある小さな希望。人間の良さが描かれていた。
演出も、オーバーラップ、リンクする構造で、すべてのシーンで飽きない。「野球観られなくなった」が、最後につながって来るのがおもしろい。
わかりやすすぎるのが少しマイナス。
重い話ではあるが、節々にぶっこまれるユーモアが緊張をほぐしてくれる。劇場ではとても笑える雰囲気ではないが、これも不思議な体験。
そして、美しさ。
画としても美しいのはもちろんだが、ここは演者の力も大きい。恍惚とした表情はなかなか出せない。
人間のいろんな面がみれ、お腹いっぱいではあるが、観てよかった。
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