劇場公開日 2024年5月17日

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「石原さとみさんの気迫みたいなものは感じました」ミッシング 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0石原さとみさんの気迫みたいなものは感じました

2024年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この監督さんは人が当たり前に持っている悪気の無い悪意というか、どこにでもいそうな、誰かの隣りにごく普通にいる人たちの悪意を描くのが上手だなと思います
石原さとみさんが女優としてもっと高みを目指すために出演を熱望した、というのはリップサービスでは無いと思ったので、劇場で鑑賞してみることにしました
が、なんか本作はどこかで観たな、こんな話、こんな展開、ばっかりでしたね
娘が行方不明になる話もベタだし、それを報道するマスコミの数字至上主義とか本音と建前とか、そういうのみんな擦りすぎてるから私は少なくとも飽きてますし、かといってこの監督ならではの視点とか切り口はどこにも無かったですね
みんなと同じような題材で、みんなと同じような展開を映画にしただけ、そんな映画でした
そして、話には特にオチもありません
オチを付けられないから、なんか1回擦った小ネタをラストにもう一回擦ることで伏線回収した感で終わらせよう、って感じのしょうもない終わり方でした
どんでん返しオチを付けろというわけではありませんが、
なにか、この監督ならでは視点、それを示唆する形で終わってほしかったですね
普通に考えれば娘は見つからないし、かといってどこかで遺体で見つかる、という展開もあまりに残酷だから、これにオチをつけるのは厳しいのは分かるんですけどね
しかし、これだと石原さとみさんのために母親が主人公の脚本を書かなきゃいけなくなって、でも新しい題材を見つけられないから在り来たりの題材で置きに行ったんだと感じてしまいますね私は
あと、石原さとみさんの演技は凄まじい箇所がありましたけど、基本的にこの母親のキャラクターに小物感あるんですよね
この監督さんの持つ悪意で主人公をただの被害者にしたくなかったんだと思いますが、そのせいで私はこれまた随分な小物を演じてるな石原さとみさんは…
どうしたの?大丈夫?と思いながら鑑賞していました
主人公もこういうキャラクターだとこっちは感情移入出来ないんですよね
それに描こうとするキャラクターも多すぎて、石原さとみさんの出番自体そんなに多くなくて…
皆さん、本作を絶賛されている方が多いですけど、そりゃ子供が行方不明になった話は可哀想だからみんな泣くんですよね
作家性あるみたいな感じで売ってる監督さんなのに、誰でも泣きそうな題材に安易に置きに行った映画を作ることはだいぶ問題あるなと思いました私は

東鳩