「圧倒的な感情の塊を浴びて、こちら側にいることを再認識する」ミッシング えびさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的な感情の塊を浴びて、こちら側にいることを再認識する
試写にて鑑賞。
口が裂けても「気持ちがわかる」なんてことは言えないけれど圧倒的な物量で感情が飛んできて、こちらの心も抉られる。
つらい、かなしい、ムカつく、イラつく、後悔、不快、どうしようもない。あらゆる負の感情にどうしようもなくただただ涙が溢れる。嗚咽すら漏れそうになる。
そんな中であるセリフに引っかかる。ふと冷静になる。そこを見越した次のセリフに愕然となる。どんなに感情を揺さぶられようとも、自分は単なる傍観者で、彼らの感情をただ悪戯にエンタメとしてみている現実を突きつけられる。あくまで私は当事者ではなく、こちら側。事実というものを面白がってみているだけのこの気持ち悪さや憤りを醸成する社会というものの一部だとわからされる。
そんなに突き放されるのに、最後にはやはりもう一度感情が引き込まれてぐちゃぐちゃになる。心を掻きむしりたくなる。
ただただ圧巻。
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