劇場公開日 2024年2月23日

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「"There is a hook in me."」コヴェナント 約束の救出 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0"There is a hook in me."

2024年2月23日
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彼は命を救ってくれた恩人か?俺に呪いをかけた…。アフガン人現地通訳との絆、誓い、約束。高尚なテーマや胸打つメッセージがなくとも観客を愉しませる面白い映画は作れるけど、本作はそういうタイプの作品じゃない。
そして、語弊を恐れずに言ってしまえば、ガイ・リッチーの今までのフィルモグラフィーはそのようなメッセージ性より痛快爽快なエンタメ性の高いアクション作品たちで彩られていた。…が、しかし、そんな慣れ親しんだ領域から飛び出て、彼にとって初めてとなる軍アクションに挑んだ本作で見せるガイ・リッチーの新境地 ✕ ジェイク・ギレンホール流石の熱演 = 非常に緊迫感のある骨太な戦争(そして人間)ヒューマンドラマで砂埃立つ社会派アクション!
本作は別に"(聖人君子のように非の打ち所なく完璧な)善人であれ"という説教臭い作品というわけでもなく、ただ、その境遇・状況に置かれたときに良心が咎め、自分の中で最善最良の善い行いをしようと努めること。人間の複雑さを認め、だから主人公2人の関係性も別にウェットなものではない(何なら嫌々かも?)。けど、それが正しいと心で分かっているから。"あなたならどうしますか?"と観客に問いかけられているようで胸熱くなったし、考えさせられた。自分だったら良心は咎めないのか?
クリア!4か国語を話せるものの反抗的な態度で別の現場では疎まれていた整備工アーメッド。ただ、彼のお陰で難を逃れることができる主人公ジョン・キーリーの隊。ギレンホールとアーメッド役ダール・サリムが素晴らしい。若かりし頃、サム・メンデス監督『ジャーヘッド』では、派兵されるも特段何が起こるでもなく腐っていたギレンホールが、今回は冒頭から軍曹役で戦闘していた。スリリングで泥臭いアクション。オールクリア。
人としてあるべき姿、良心の呵責そして決断。国が動かないことへの苛立ちを感じながら、最後は主人公の行動力と心意気に賛同してついてきてくれる人たちが出てきてくれて、人間まだまだ捨てたものじゃないなと思えた。現地に取り残されて未だ隠れている通訳者たちをどうするか?最後の文字情報から、エンドロールでの実際のはめ込み写真たちもすごく心動かされて、ガイ・リッチーの本作の製作意義を改めて強く感じた…小手先じゃない愚直なほどまっすぐ真摯な映画作りに突き動かされる表現の責務と可能性。


誓い
約束

P.S. ドラマ『ザ・ボーイズ』ホームランダー役アントニー・スターも全然違う役柄で出ている。

勝手に関連作品『カンダハル』『ローン・サバイバー』

とぽとぽ