「原題は「チェス小説」←舌噛みそう」ナチスに仕掛けたチェスゲーム ひろちゃんのカレシさんの映画レビュー(感想・評価)
原題は「チェス小説」←舌噛みそう
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チェス愛好家には全く物足りないだろうが,逆にルール知らない人(含・評者)でも鑑賞に支障はなかった。日本語版リメイクで将棋か囲碁にしてもOKかも(麻雀はむずかしいか)。
第一次世界大戦の敗北は軍事的劣勢ではなく銃後でユダヤ富裕層や左派勢力が裏切ったからだ,とする「背後の一突き」説は,ナチスが元兵士・低所得層を取り込むために利用した陰謀論で,劇中ゲシュタポの手下が(富裕ユダヤ人の)ヨーゼフを水責めしながら「俺達が戦っている時お前らは何をしてた?」と怒鳴るシーンはこれを踏まえている。これと,警告を無視して能天気にパーティに興じる富裕層の危機感の欠如ぶりを併せて,当時の階級の分断(全体主義台頭の土壌)の深刻さが伝わってくる。
…という背景のもと,陰謀論に基づく根も歯もない言いがかりやそれに伴う暴力に屈するのはインテリのプライドが許さず顧客を裏切ることもできず,最後に逃げ込まざるを得なかった狂気の世界が船の中,という解釈でいいのかしら?。
それにしても、何人かが御指摘の通り邦題が酷すぎる。
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