バカ塗りの娘のレビュー・感想・評価
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伝統の継承と新しい考え
兄のユウにバカだバカだと言われている美也子。
津軽塗りという一工程一工程丁寧に丁寧に、
バカ丁寧に塗って仕上げていく器、作品。
美也子もその意味のバカ丁寧にする娘。
漆塗り、人によってはかぶれる人もおり継ぎたくても継げない人もいるのではと思う。
普通日本人なら使う使わないは別にして、伝統工芸を守ってくれる人を応援したい。
しかし、ずっと座ってひたすら塗る作業、
地味地味地味ひたすら地味。
やはり誰にでもできる仕事では無さそうだ。
堀田真由ちゃん、初めから終わりまでダッさーい服ばかり。オランダに行くのもあの服装。
青森のおとなしくて今まで自己主張しない女の子を演じてくれました。いい子だね。好感持てる。スーパーでの欠伸はちょっと❓だけど。
どの辺りで、漆やろうと思ったんだろう❓
ただ、やっぱりネ、
本当の職人さんには申し訳ないから書くけど、漆塗りの職人になろうとすれば十年以上かかるだろうと素人ながらわかるので、美也子があんな素敵なピアノ🎹出来っこないと思う。
お話だからだけど、ストーリー、ちょっとムリムリ。廃校で女の子一人で徹夜っていくら青森でもダメでしょ。
娘美也子が頑張っているのを応援する父。
ユウ兄ちゃんとパートナーの尚人。
最近の作品よく取り上げていて気づいた。
現状生きにくい日本だから無理もないとは思うけど、本作では父、妹、母、すんなり許して波風たたない。国もこうであればいいのに、簡単な話じゃないかと。
古き良き物や技を大切に伝承しつつ対照的に新しい考えを取り入れていく大切さを味わえる作品。
それでいいのか?って思ってしまったな。
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真由は両親が離婚し、漆塗りの父と住んで、少し手伝ってた。
本当は漆塗りを継ぎたいが、スーパーで働いてた。
やりたい仕事ではなかったからか、ヘマばかり。
ある日、兄が恋人とロンドンに行って同性婚すると言い出す。
よって漆塗りは継がないと、喧嘩同然で出て行った。
そんな折に真由は廃校になった母校に忍び込み、ピアノを発見。
それに漆で装飾することを思いつき、役場で許可を得て実施。
するとそれが好評になり、ヨーロッパに招かれることに。
ということで空港で父との別れのシーンでジ・エンド。
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バカ塗りというのは、バカ丁寧に何十回も塗り直す津軽塗りのこと。
うーん・・・評価がいいので見てみたが、今イチに感じたなあ。
真由がそもそも引っ込み思案で口下手で、あまり自分の意志がない。
その人が急にピアノを装飾しようと思った経緯が、よく分からず。
わざわざ役場まで行って、許可を求めるなんて相当な意志やで?
ましてや、不法侵入を咎められる可能性だってあるのに。
その作品を作るに当たって、過労で倒れるシーンは確かにあった。
でも大変さが伝わるのはそこくらいで、意欲も苦労も今一つ分からん。
でその最初の作品がいきなり世界に認められました~・・・って!
大ベテランの父でさえ漆だけで食ってくのが難しいから、
家計を支えるためにパートで働いてた真由が簡単に成功・・・・。
うーん、それでいいのか?って思ってしまったな。
バカ丁寧に塗って削ってを繰り返すのが津軽塗り。そこに暮らす人びとの実直さが培ってきた伝統工芸の行く末が気になります。
タイトルを見ても内容が「?」だったのですが
作品紹介を読んでみたら「津軽塗り」職人の話との事。
地域発作品だし観てみましょう、という訳で鑑賞です。
舞台は青森県弘前市。
津軽塗り職人の父(小林薫)とその娘(堀田真由)。
その家族を中心に、
・津軽塗りってどういう物なのか
・津軽塗の現状はこんな感じ
・津軽塗の未来への不安と希望
といった事を、津軽塗に関わってきた家族を中心に描いた
地域発ヒューマンドラマです。・_・
◇
ヒロインは青木美也子(堀田真由)。
津軽塗職人の家に生まれる。
祖父は、手がけた作品が賞を取るほどの名人。
父(小林薫)もその後を継いだ。
だが、仕事の量は年々減る一方。 …う~ん
時代の流れ。仕方無い。頑張ろう との思いがある。
もうこの仕事に先は無いのでは… との思いもある。
父がこなす仕事だけでは、生活していけない…。
そのため美也子は高校を卒業後
地元のスーパーで働いてきた。レジ担当。
” 家計を助けるため ” そう割り切れば良いのだが
自分なりのこだわりがあるようで、対人関係に
機転の利く性格でも無いようだ。 …う~ん
客とこじれる事もあり、息の詰まる日々が続く。
そんな美也子も、仕事の後に父の仕事を手伝う事も。
津軽塗の仕事は、ひとつの工程が繰り返し行われる。
そんな時間が美也子は気に入っている。
実は美也子には3つ違いの兄がいる。
父は、兄が家を継ぐことを期待した。
兄は、家を継がずに美容師になった。
たまに家に顔を出すが、独立して生計を立てている。
と、作品の前半は、
このように比較的緩いペースで話が進むのですが…
美也子が仕事先のスーパーに通う途中の花屋さん。
そこの男性の店員さんにほのかな恋心が…
そんな話の辺りから、話が一気に流れ始めます。
( 予想外の展開でした・_・; )
ある日、家に兄がやってきます。男性と二人連れ。
” (あ…) ” と美也子。
そこに居たのは、花屋で見かける「彼」。
兄が、父と美也子に花屋の彼を紹介する。
「彼と結婚しようと思っている」
「… (父)」
「… (美也子)」
美也子のほのかな恋心、あえなく終了…。
とまあ、このような感じに
地域発+伝統工芸 だった話が
地域発+伝統工芸+LGBT になり
地域発+伝統工芸+LGBT+国際化 へと
想定外の方向に話が膨らんだ印象もあるのですが
伝統工芸の世界をテーマに、伝統を守るだけではなく
生き残るための行動や活動を模索していること
それが伝わってくる内容でした。
彼らの努力が実を結べばいいな と思います。・_・
観て良かった。
◇あれこれ
■堀田真由さん
ストレートの黒髪。
どことなく漆器の持つイメージに近いかも、と思いつつ
どこかで見たような気がしたので過去の出演作を確認。
「殺さない彼と死なない彼女」の
「きゃぴ子」でした。
「地味子」とのコンビが良い味を出していました。・_・☆
この作品での「物静か」なイメージとは反対の陽気キャラ。
演技の幅が広い女優さんだなぁと、改めて認識。
■木野花さん
ドラマで、主人公のご近所に住む「おばちゃん」を
演じさせたらピカ一な女優さんです。 ・_・☆
※最近の作品だと「波紋」も少し前で「凪の島」など
津軽弁もネイティブに聞こえるのがすごいです。
■漆器の産地
弘前の津軽塗というのを初めて知った気もするのですが
日本のどこが名産地なんだろう と気になって調べてみました。
よく「日本三大○○」と言われるものがあります。
漆器にも「日本三大漆器」というのがあるようです。へぇ
異論はあるだろうなぁと思いつつ、名前を上げてみると…
・会津塗り
・輪島塗り
・紀州漆器(これだけ紀州塗と呼ばないのは何故?)
この辺りになるのでしょうか。
他にも沢山の産地名が確認できました。
日本の伝統工芸品と言っても良さそうです。・_・
◇最後に
父と娘が主人公の話というので「高野豆腐店」のような
お話かと(勝手に)想像していたのですが
違いました・_・;
豆腐は食べ物ですが、津軽塗りは食べられません
…ってそうでは無くて☆
そうではないけれど、間違いとも言い切れない(どっちだ)
豆腐は食べるものです。日常の食品。
漆器は日用品にもなり、工芸品にもなります。
この作品では、美術工芸品として「未来」への希望を
見い出すような終わり方をしていて、現状からの脱却
という点で、間違っていないとは思うのですが
手の込んだ工芸品は、使われずに飾られてしまうような
ケースが多いのでは とも想像してしまいます。
次第に生活の場から遠ざかっていってしまいそうな予感…。
実用品としての漆器は、剥げたら何度でも塗り直し、繰り返し
何年でも何十年でも使えるという利点があるそうです。
「物を大事に」使う世の中に回帰するならば、漆器への陽の
当たり方も変わってくるのでしょうけれど。う~ん。
いずれにしても「塗り」の技術が廃れてしまわないよう
継承されて行けばいいなと、ただ祈るのみです。
※ 部外者の言い分とは承知の上で描きました。勝手な事を…と
気分を悪くされる方がいらっしゃいませんように。( _”_ )
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
お兄ちゃん
自然な演技がよかったです。
主人公の最後の方の笑顔がもう少し早く見れたら、もう少し感情移入ができたかも。
前半退屈だったことと、肝心の完成したピアノにそこまで感動できなかったので、物足りなく感じました。
主人公の揺れ動く心情を読み取らせる作品
津軽塗り職人を引継ぐお話と思って観に行ったら、心がぐちゃぐちゃにかき混ぜられました。
淡々としたしみじみとしたお話と思っていたら、ちょっと辛いお話で、感情を飲み込まれないように観ました。
詰込み過ぎという感想も読みましたが、確かにいろんな人生のちょっとしたことなんたけど実際にはとても辛い事が次々と起きており主人公美也子、頑張ったなぁ…と思います。
●気になる点
でも、私はもっともっと美也子をいじめて欲しかった、と思います。
卵を落とした所ももっと店長に嫌な顔をされて欲しかったです。
学校の冬の水道水って本当に凍る冷たさで、指が真っ赤になってしもやけができるんです。
ストーブを、使っていても窓の沢山ある学校、ましてや夜は本当に寒いのです。
息が白くなるシーンあって欲しかったです。
なんとなく、全体にあんまり寒くなさそうで、寒くない時期に撮影したんだろうなと思いました。
何故美也子が風邪をひいたのか伝わらない感じでした。
兄が髪を切る所も唐突にカット終了で、多分上映時間2時間以内にする為に切れる所は切っていったのでしょうが、もっと美容にこだわる兄の描写が欲しかったです。なんなら繊細さを描いて欲しかったです。
●良かった点
でも、兄がパートナーを連れてきたときの衝撃は凄く伝わりました。というか、何もネタバレ無しだった知らなかった私はとてもビックリしました。
母の登場も嫌悪感がしっかり伝わりました。
昔の写真を見た時の、その写真の中の家族の偽りのない幸せも感じました。
なんだかんだあったけど大団円、とは思いません。
一個一個身を切り刻まれるようなでも世の中のみんなが耐えているような出来事を耐えて何事もなかったかのように平気な顔をして、前に進んでいる、
そういう風に思います。
●方言
私は昔一度仕事で青森に行った時、支店ではみんな標準語だったのに、飲みに行った先のスナックのママと話す支店の社員さんたちが、何喋っているのかわからないくらいの方言でビックリしました。
もっと方言が聞きたかったです。仕事関係?のおじいさんと施設の介護のおねえさんや王林さんの方言はとても方言らしかったのですが、職人さんはもっともっと方言を話すだろうに…と感じてちょっと違和感がありました。
●LGBT
鈴木さん(宮田俊哉)の描写は、美也子のほのかな思いを寄せる人だけあって、とても丁寧に描かれていました。結婚式場のシーンは、険しい表情に「ん?鈴木さんの元カノが結婚するの?」と勘違いしたのですが、結婚というものの在り方を考えていたのでしょうか。
鈴木さんが兄のパートナーであるLGBTの人とわかると、あ〜確かにLGBTらしさがあって、しかも色っぽく描くのではなく誠実なキャラクターで、後からそう言えば宮田さんは今までもそういう役を演じていた人だったと、腑に落ちました。
鈴木さんが学校に誘った理由があまり伝わらなかったのですが、兄の思い出を聴くシーンがもっとあると好きな人の昔の話も聞きたいし、家族として認めてもらいたいというなにかもっと鈴木と美也子の二人の新しい関係性を見たかったです。ちょっと描き足りないというか、だから、描き切っていないから詰込み過ぎと言われるのかなと思います。
ただただ、鈴木(宮田俊哉)が柵を飛び越えるのがかっこよかったし、美也子が体育館に入るのを手を差し伸べたりするところも、本当に無駄に女性が心を惹かれるようなキャラクターでした。
●全体として
美也子は口数が少なく美也子の周囲の出来事を通して美也子の心情を辿らせて乗り越えていく物語はとても成功したと思います。
あと30分長くして物語の行間をもっと埋めて、方言にこだわり、美也子をもっと苦しめる描写を描けば星5です。予算の限られた中で職人として生きようとする若い女性をしっかり描いてくれている良作だと思います。
津軽弁ネイティブが観た
いい映画なんだと思います。皆さんの評価も高いし。
ただ、僕は映画に集中できませんでした。登場人物の津軽弁が気持ち悪かったからです。(イントネーションというのか、抑揚というのか)津軽弁と標準語の間を行ったり来たりして、落ち着くことができず、イライラさえ感じました。話す内容が多ければ多いほど、行ったり来たりするんですね。
僕が生まれ育ったのは、映画の舞台となった弘前からかなり北。地図で言えば、青森県の左側にある津軽半島の突端の出身です。
『いとみち』でまとめたように、津軽弁と言っても、グラデーションがあるので、弘前だからどうこうとは言えません。弘前は歴史がある街なので、訛りが強いとは言えますけど、比較的大きな街なので、標準語しか話せない人も住んでるはずです。
まぁ、主人公の堀田真由さん、その父親である小林薫さんは撮影中に実際に津軽塗をしているので、その所作に集中しなきゃいけないはずなので、津軽弁という話し言葉は二の次だったのかもしれません。
そう割り引いたとしても、母親役の片岡礼子さんの津軽弁は本当に居心地が悪かった。もう少し何とかならないのか……。
救いは木野花さん。木野さんは青森市出身なので、(全くとは言わないが)津軽弁が上手。津軽弁で驚きを表現する「わいは」が本当に心地よかった。
そう考えると、尾道が舞台の『高野豆腐店の春』の広島弁に違和感があるという人もいるのかしら……。
津軽弁映画の成功作『いとみち』があっただけに、期待してしまった僕が悪いんです。『いとみち』監督の横浜聡子さんがやってくれたら…。『バカ塗りの娘』を観ながら、何度も思ってしまいました。
そうそう、僕の実家はもちろん、親戚の家でも箸と汁椀はほとんどが津軽塗。至極当たり前のことです。
詰め込み過ぎ
経営的な問題、跡を継がない兄、離婚した母、施設にいる祖父、LGBT、やる気の無くなった父親など、問題を詰め込み過ぎていて、どういうオチになるのかと思いきや、祖父の葬式に集まり何故か全員和解して、めでたしめでたしって、いつの間に?何があったの?と思ってしまいました。
漆塗りのシーンはとても丁寧に作り込まれていた割には、各エピソードは浅くて各登場人物の気持ちの移り変わりの過程が伝わってこなかったです。もう少し問題を絞って深く描いてほしかったです。
特に主人公を演じる女優さんはとてもいい表情を見せてくれる方だっただけに、それを生かしきれていないところが残念でした。
それと、どうでもいい事かも知れませんが、主人公とその兄の彼氏が一緒に学校に忍び込むシーンがありましたが、何故そう言う流れになるのか全く意味不明でした。
原作とは違って穏やかな印象
原作である小説を読んでから観たのですが、原作ユウの、ともすればヒロインを食うほどのアクの強さがキャラ変された事で、全体的にゆったりとした作品になったように思えます。
先のレビューの方がLGBTが唐突とおっしゃられていましたが、それは元々原作からあるものです。とはいえそこは原作より遥かにユウのキャラを抑え、尚人のキャラ性に1つの説得力を与えた為もあるかなと思います(何故ユウを選んだのかは、映画の方がバックボーンを感じました)
私の中では原作をよく細かく編纂して綺麗な作品にしたなと思いました。
とはいえ原作も原作の良さがありますからね。
へばは良かった
日本伝統工芸展に何回か訪れ、その高度な技巧と芸術性に魅了されながらも、日々用いる食器類を殆どダイソーで賄っている身としては、日本の素晴らしい伝統工芸を絶やして欲しくないと強く願う一方で、どうすればそれらを守っていけるのか皆目見当もつきません。この映画でも描かれている様に、海外も視野に入れた新たな市場の開拓が王道のアプローチのようにも思えますが、そもそも芸術家がどうやって暮らしているのかもよく分かっていませんし。美大は多いけど大学の伝統工芸学科をあまり聞かない理由も何となく分かります。一人当たりの市場のパイが余計小さくなりそうですもんね。
津軽の美しい風景や津軽塗りの静謐な年代物の工房に穏やかな時間が流れる純文学さながらの作品ではありますが、堀田真由演じる美也子の兄の同性愛は主たるテーマとの親和性が低く、まるで寅さんシリーズに同性愛者が登場するかの様な唐突感があり、何故このモチーフが必要なのかが分からず戸惑いました。原作にそのモチーフがあったのかもしれませんが、もしそうでなければ「取り敢えず同性愛者出しとけば今っぽくなるんじゃね」的な軽々な意図だったのではないか、或いはスポンサーの意向などの何等かのパワーが働いたのではないかと勘繰ってしまいます。同性愛はミニシアター系にありがちなモチーフですが、日常生活で同性愛者に会ったことがない身としては、反対はしていないけれども特に応援もしていないというか、そんなに頻繁に取り上げられてもなというのが正直な感想です。
レーティングは堀田真由の「おっ父」「おっ母」「へば」などの可愛い津軽弁に免じて70点とします。応援している俳優さんなので、また主演作品があれば劇場で観たいと思います。
やり続けること
出演されている宮田俊哉さん目当てで見に行きました。
映画冒頭に流れる漆の鮮やかな朱色、漆を練る音がとても好きです。全体を通して静かに穏やかに時間が流れていくので、余計に津軽塗の音や色が心に残り、見終わったあと、自分が普段いかに喧騒の中で生活しているかを実感します。
津軽塗を通して日本の文化、文化の継承、一人の人間としての生き方の選択、日本におけるLGBTへの理解など描かれている内容は多いのに詰め込まれている感が全くなくお説教的なものがないのも凄いなと思います。
津軽塗のシーンはぜひ映画館の大きなスクリーンで色や音を感じながら見てほしいです。
−−−−−−−−−−−−−−ここからネタバレ−−−−−−−−−−−−−−
文部科学大臣賞を受賞したこともある漆職人の祖父が青木家の価値観の中心となっており「津軽塗」のメタファーにもなっています。
漆を続けている父と主人公は祖父の世話をしていますが、母と兄は気にはなっても会いには行かない。
また父娘が津軽塗と向き合いたくなったとき祖父の作品を出してくるのも印象的です。
その祖父が残す言葉はこの作品の中で一番純粋で一番根源的なところを突いています。
それから、兄ユウの恋人である尚人が挨拶に来るところからストーリーが動き出していきますが、宮田くんがインタビューで尚人のことを「トランスジェンダー」と言っていたので、それを知らずに見たときと知ってから見たときで美也子・ユウ・尚人3人の関係性も違った印象を持ちました。
美也子の気持ちを思うと切なくなるシーンもありますが、尚人の静かな横顔が後からじわじわと切なくなったり、それぞれの幸せを願わずにはいられません。
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