バカ塗りの娘のレビュー・感想・評価
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津軽塗りを買いたくなる映画。
津軽塗職人の親子の、春に始まる1年間を描く作品。台詞が少なく、黙々と漆を塗るシーンが多いが、津軽塗の製作プロセスを理解するのに良い構成だと思う。主人公(堀田真由)の兄のパートナー以外はサプライズはなく、ハッピーエンドで良かった。津軽弁が上手く話せているのかは分からないが、堀田真由と小林薫のキャスティングは良かったと思う。堀田真由の祖父役(坂本長利)の演技は鬼気迫るものがあったが公開の翌年亡くなったそうだ。今度青森に行ったら津軽塗のお椀を買ってみようと思う。
「いがったいがった」
ほっこり
ご当地映画好きに。
バカ塗り=バカがつくほど丁寧に塗り上げていく、津軽塗り。
その親子の話。
話自体は、淡々として盛り上がりはないのだけど。
いわゆる「ご当地映画」。
実は大好き。そこには共通点があります。
①その土地の、景色や食を堪能できる。
・岩木山をバックに、蝉の音・雪・桜。季節の移り変わりが目でわかる。
②伝統を受け継ぐ、親子の葛藤。
・バカ塗りの大家を親にもつ、親、そしてその娘、息子。
「漆じゃ食うて行かれん」のセリフが、刺さる。
③方言が盛り込まれている。
・近所のおばちゃん役で、青森出身の木野花さん出演。
ストーリーに色が施される。
④家でお葬式。
・地方では家でお葬式をする習慣があり。
それぞれ独特の風習・しきたりを知れる。
青森に行ったことない方(私含む)、脳内体験できるかも。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「好きなこと、やんなよ」
【”津軽塗は、私がやり続ける。”不器用で引っ込み事案な娘が津軽塗職人を目指す姿を描いた作品。モノ作りに一心不乱に取り組む人の姿は美しいモノであると思った作品でもある。】
■青木家は津軽塗職人の父・清史郎(小林薫)と、スーパーで働きながら父の仕事を手伝う娘・美也子(堀田真由)の2人暮らし。
家族より仕事優先の清史郎に母(片岡礼子)は愛想を尽かせて出ていき、兄ユウ(坂東龍汰)は自由に生きる道を選び、同性の尚人(宮田俊哉)と暮らし始める。
美也子は津軽塗に興味を持ちながらも父に継ぎたいと堂々と言えず、スーパーのバイトにも気が入らない。
◆感想
・モノ作りに一心不乱に取り組む人の姿は美しい。
今作で言えば、自分の津軽塗への想いをぶつけた学校の廃屋に置かれていたピアノを、津軽塗で装飾する美也子の姿だろう。
ー 雪の降る中、深夜までピアノを、津軽塗で装飾する姿。-
・清史郎の父で、大臣賞も取った祖父の葬式のシーンも良い。
ー 久しぶりに揃った家族と、弔い酒を酌み交わす清史郎。勿論、そこにはユウ、尚人もいる。そして、美也子も・・。
<今作は、日本が誇る伝統工芸・津軽塗がつなぐ父娘の絆、そして家族の物語を描いたヒューマンドラマである。
派手さはないが、良き作品であると思う。>
「家業を継ぐ」ということ
津軽塗職人の父と、その娘の奮闘を描いた物語。 ばかみたいに手のかか...
津軽塗を知れた
青森県弘前市で、青木美也子は高校卒業後もやりたいことが見つからず、スーパーで働いていた。不器用で何をやってもうまくいかず自分に自信を持てない彼女だったが、津軽塗職人である父の手伝いは好きだった。しかし父は津軽塗を続ける気力を失い、父の身勝手さに愛想を尽かして家を出ていって新しいパートナーのいる母、津軽塗の家業を継がず美容師になりゲイの兄、施設に入ってる祖父、と家族はバラバラだった。そんな中で、津軽塗をやりたいと言い出せない美也子は兄のパートナーに連れて行かれた廃校に有ったグランドピアノに津軽塗を施す事を思いつき・・・てな話。
津軽塗はバカに手間をかけ丈夫な塗りと言われる、と紹介が有るが、漆塗りは輪島塗くらいしか知らず、調べてみると日本には主な漆器の産地だけでも23位有るらしい。その中でも丈夫なのが津軽塗だと知り興味を持った。今度青森に行ったら津軽塗を買ってみようかな。
美也子役の堀田真由は自信の無さそうな役どころなんだけど、やりたい事を見つけだんだんと自信を持って明るくなっていくところが良かった。父役の小林薫はいつも通り渋かった。
蛙の子は蛙…血は争えない
伝統工芸の後継者問題の中に現代の価値観とのぶつかり合いもあって、見応えがあった
映像が綺麗。堀田真由ちゃんが可愛い。
弘前の津軽塗の職人である父とその娘との家族のお話。堀田真由ちゃん目的で鑑賞しましたが、不器用だけどひたむきに生きる、美也子の繊細な心情に心動かされました。絵がとても綺麗で、弘前にも行ってみたいなと思いました。
どこかで見た既視感はあるけれど
「あさイチ」に堀田真由が出演した時に紹介していた映画。アミューズは堀田真由のような所属俳優を主演にした映画を製作するわけだが、在籍時代に神木隆之介が初めて浜辺美波と共演した作品も製作された事情は同じようなものか。ヒロインに揺れがあるので少しもたつくところはあるが、それほどイライラはしない。
堀田真由は「わろてんか」で知ったけれど演技を実感したのは「エール」で登場した時期は短いが主人公をたぶらかした上で奈落に突き落とすダンスホールの踊り子役だ。堀田真由は滋賀の人なので滋賀を舞台にした映画かドラマか何かに出演しないだろうか。
舞台が青森でありヒロインが廃校になった学校の備品のピアノに漆を塗るので何か東北のどこかにある母校の高校にピアノを寄贈した設定がある昭和55年にNHKで放送した「四季・ユートピアノ」と似通っていてヒロインのピアノ調律師の栄子役で出演した中尾幸世が製作された時点の年齢は今作を撮影当時の堀田真由と大体同じくらいなので連想してしまった。
東北だなぁ・・・
そうはならないと思うんだけど・・・
父の救い
地味ながら良作
漆塗り職人の娘の話。
優れた職人だった祖父は介護施設に。父はやる気なし飲んだくれ。兄はフリーダム同性愛者。母は価値観押し付け理解なし。
なかなかの状況だけど、何をやっても身のはいらないミヤコの漆塗り職人としてやっていく覚悟を丁寧に描いている。
ミヤコはあまり口数が多くないのでこちらが慮っていく必要があるが、演技もよくて応援したい気持ちになった。
近所のおばさんも良かった。バラバラになりつつある家族を陰ながら気にしつつ、助け船を出す感じ。おばさん偉い。
一点、いくら兄のパートナーで憧れの人だったとしても、人気のない場所にのこのこついていくのはどうかと思ったけど…
派手さはないけど話の展開も演者のレベルも高い良作。
いい映画だけれど、物足りない
まんず漆っていうのは摩訶不思議で、やればやるほどやめられねんだ。
家族
鶴岡監督の「過ぐる日のやまねこ」がとても好きで、なんとか観たいなと思ってました。地元でも遠くでは上映あったんですが(監督の地元)、別の所の上映に間に合いそうで、最終日の最終回(早朝)で鑑賞できました。
家族とは、いいですね。描き方がとても丁寧で、いろいろあっても理解して、会話して、ご飯を一緒に食べればわかり和えます。わたしも妻は本当に大事にしている(つもり?)わけですが、父や兄弟とも、もっともっとわかり合える時間を共有したいと思いました。
女性の自立ものとしてはちょっと弱いのかなとも考えましたが、堀田真由さんはほぼ初見ですがいいですね。漆を「綺麗だ」と見惚れるシーン、とても良かったです。
実は小林薫さんじゃなければ映画館には行かなかったかも?なんですが、大好きです。そこにいるだけで見惚れてしまう俳優はそんなにいません。
片岡礼子さんは流石に上手いです。最後、なんで帰る演出になったんですかね。あそこにいてもいいと思いましたし、いるべきじゃないかと。唯一疑問でした。
四季を通しての撮影が丁寧にされていて、素晴らし作品でした。鶴岡監督の次回作モ楽しみです。
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