「無気力・自堕落でも『天才』である根拠が必要」劇場版ブルーロック EPISODE 凪 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
無気力・自堕落でも『天才』である根拠が必要
本作は『潔世一』編を抑えてないと、序盤はともかくブルーロック参加以降の展開でオイテケ食らうと思います。もっともお客さんは皆キチンと踏まえてると思いますが。
潔世一本編は、駆け出し時点は凡人でも『謎解き』じみた葛藤と閃きの要素・感覚に、周辺キャラの能力を繋げていくパズルの様な手法展開で、魅力的に描かれてましたが、今回の劇場版『凪』編は、もう始めからチート全開で突っ走る内容です。
ただし終盤に入ると、凪自身も自身の『天才』が及ばない領域、上には上が居ることを思い知らされる事に。また周囲の熱に感化されて内面に湧き出た疑問と向き合っていく姿は、天才にも天才なりの悩みも葛藤もあるという事で、終始一強の無双を見せられて興ざめしないよう作話されてると思います。
そしてソレに係る人間関係の変化に、各キャラの個性がより輝いてくると云う寸法です。
とは言えマイナス点はやはり、凪の無気力感の描写が終始取って付けた様で、リアリティがない所でしょうか。アレだけ自堕落で無気力なのに、階段でスマホをリフティングするシーンは本編では設定として処理できても、フィーチャーした本作ではソレも裏付けないと話が浅く上っ面だけで説得力がありません。各メンツ含め、短い尺とは言え『ナゼなのか』をキチンと描いた方がベターだと思います。
もう一つは、総じてシーン・カットの構成やストーリーも少々雑に思えました。11人×2チームを扱うのは大変でしょうけど、何かもっと巧く出来なかったものかと。前半の学校生活では殆どプレーシーンなかった様な?w その辺は完全に尺不足・リソースも不足? 詰め込みすぎた感も少々。
OVAとして、本編の助演プレーヤーから見た世界観の本作、金曜レイトでワリと女性客が目立った背景には、各キャラの魅力でもファンを獲得している様子。勿論ストーリーやサッカーという人気スポーツを扱う部分が主たる人気要素でしょうけど、まァカッチョ良いですし。ソレを狙ったつもりはないでしょうが、中盤には風呂シーンも(謎の光線は勿論ナシ)。
こうなれば他のキャラ、蜂楽や馬狼、國神や千切バージョンも見てみたくなりますが、そうなると推しのアイドル合戦みたいになりそう。個人的にはオシャな十兵衛クンをもっと観たかったかなと。
時に、御影玲王のガタイの良いばぁやは、空中女海賊ドーラのオマージュか何かでしょうか?w