「全体的に柔らかい表現が好印象」アイドルマスター シャイニーカラーズ 第1章 らりほーまさんの映画レビュー(感想・評価)
全体的に柔らかい表現が好印象
原作ゲームはよく分かりません。
だからなのか、それぞれのキャラがどういう人なのかよく分からないまま話が進み、同じ事務所なのに全く出会わない? まま物語が展開したので少々戸惑いました。
イルミネーションスターズの三人は出会ってから仲良くなるまでの経過がある程度描かれたので、それぞれの個性がある程度分かりましたが、他のグループ(ユニット)は既になんだか仲が良い上に、それぞれの個性みたいなものがいまいち見えてこなかったので、やや疎外感。
せっかくプロデューサーさんという狂言回しがいるのだから、メンバーの簡単なプロフィールの紹介くらいは欲しかったかも。それこそ、都度、真乃ちゃんに紹介する……みたいなシーンがあるのかと思ってましたが、ありませんでしたね(苦笑)。
その真乃ちゃんですが、主人公なのかと思いきや、彼女を主軸に物語が進むわけではなく、かといって群像劇のように互いに関わり合いながら全体が見えてくるわけでもないので、ちょっとびっくりしました。
視点があっちに行ったりこっちに行ったりする上に、直接的な繋がり(合流)があるわけでもないので、初見には、やや分かりにくい印象。
この辺りは、原作ゲームファンを大きく意識した構成だからなのかもしれません。
反面、個々のエピソードは複雑ではなく、良くも悪くも単純な話ばかりだったので、分かりにくい部分はありませんでした。
一部「そうはならんやろ」となった部分もありましたが、もしかすると原作通りなのかもしれず、特に気にはなりませんでした。
※ちなみに、ヒーローショーの所です。子供はもう少しわがままで気移り早いので……。
序盤だからというのもあるかもですが、全体を通して重厚な物語を描くのではなく、それぞれのグループ(ユニット)のライブシーンを映えさせる為の場面を描く、ミニエピソード集と言った感じでしょうか?
楽曲はどれも素敵なので、その見せ方で正解なのかもしれませんが。
映像面では、世界で活躍するポリゴン・ピクチュアズさんということで、パッと見の印象よりも柔らかく細やかな表現が目立ちました。
キャラクターの動きが素晴らしすぎて、背景美術の硬さが浮いて見えたくらいです(苦笑)。モブやら自動車やらソファやらの動きが足を引っ張っていた、と言えば伝わりやすいでしょうか?
つまり、それくらいにキャラクターの動きは目を見張るものがありました。
特に指先や視線、些細な表情の動きが細やかで、声優さんの演技と共にキャラクターに命を吹き込んでくれていました。
ただ、一部カットでは3DCG故なのか、ちょっと顔の形が崩れ気味だったりするキャラもいたので(双子ちゃんの元気な方の子の横顔とか)、あれが意図的なのかミスなのか、少々判断に悩むところです。
(原作通りのデザインだったのなら、ごめんなさいです)
全体としての印象ですが、少し前に上映していた「ミリオンライブ!」が、ほぼ知識ゼロでも楽しめる新規に優しい作りだったのに対し、この「シャイニーカラーズ」は原作ファンの方を向いているのかな? という印象です。
この点については、原作ファンの方のレビューを拝見して参考にしたいところ。
とはいえ、まだ1/3。続きを見れば印象も変わるかもしれませんので、第二幕にも足を運びたいと思います。