映画 窓ぎわのトットちゃんのレビュー・感想・評価
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個性の尊重を戦時中から教えられた
トットちゃんの明るさと戦争のコントラストの差が大きくなれば大きくなるほど、戦争の恐ろしさを感じる見事な作品だと感じた。
トットちゃんの通う学校が、今の時代の変わりゆく価値観にぴったりだと思った。そのような学校が戦時中からあったことに驚きつつ、時代によって価値観は変わっていくものだと思いつつ、いつの時代も変わらない価値観は存在するのだと思った。
この作品を通じて自分の好きを否定しない、周りではなく自分の意志を強く持つことの大切さを感じさせられた。
いっぱい泣けました
歳をとったせいか、たくさん泣けた。
昭和生まれのポクでも戦争のことは経験もなく、わからないが、小学校の雰囲気、電車の切符とか、お祭りのひよことかわかる気がした。
子供のとき、多摩川園前(多摩川園という遊園地があった、東横線の駅)で母親に駅員さんに切符をもらってもらった懐かしい思い出がよみがえった。
当時はまだ、緑の電車も走っていて、扇風機しかない車両が多かった。
お祭りのひよこもいとこが買って、大きくなってにわとりになったけど、ピンクにぬられたひよこだった。
子供のころはとっとちゃんのような楽しい毎日を過ごしてたことを思い出して、涙が溢れてきた。
ただ、僕は戦争のない、食事に苦しまない、友人の死も経験してない幸せな時代を生きてきたことだったんだとつくづく思った。
となりの小学生が4,5人できていた子供たちはどう感じただろうか?
はだかでプールに入ったところで騒いでたけど、僕らの時代も裸はなかったかな?
経済的豊さの重要性を確認する作品
黒柳徹子ファンとしては必見の作品です。
兵士や工場労働者を生産することが最重要であった昭和初期、戦前の社会。
黒柳徹子の持つ際立つ個性は邪魔者扱いされ、当時としては珍しいダイバーシティ教育の場であるトモエ学園に転校、戦争が激しくなり疎開する前までの学校生活が描かれます。
トモエ学園は、かなり裕福な家に生まれた、当時の社会でのつまはじきの子供たちが通う自由な校風の先進的学校でした。
黒柳徹子の家は演奏家の父、自宅に風呂のある洋館、朝食にパン。定期で電車通学です。
同級生もみな同じ様な生活レベルです。
当時の庶民は風呂は公衆浴場、洋食なんてごちそうです。電車で移動するなんて、お出かけの時ぐらいのものだったでしょう。
そして、社会が戦争に向かう流れの中、最近のコロナ渦と同じ様に非科学的なことも含めて強い同調圧力があったことも分かります(お気持ち最優先)。これじゃあ、個性や才能、ハンデを持つ人たちは存在を殺されてしまいますし、社会経済は壊されてしまいます。
一方、トモエ学園に通った生徒は、個性や才能を評価されて伸ばされ、障害があってもノーマライゼーションの精神で扱われたようです。そして、後々各方面で活躍したようです。
おそらく庶民にも当時の社会ではつまはじきに合う子供たちはたくさんいたでしょうが、彼らにはトモエ学園に通う財力や社会的機会は無く、個性や才能、障害への対応は握りつぶされたのだと思います。
社会が経済的に豊かになることや同調圧力を廃することを目指すべきなのは、まさにこのように個性や才能を発揮できるようにするためであり、仮に障害があってもその中で自ら幸せをつかもうと取り組めるようにすることなのだと改めて認識させられました。また、豊かになったら、その豊かさがそれらの実現の役に立っているかを確認する必要があるんだと思い至らされました。
ベストセラーには理由がある。映像作品としても素晴らしい。
リアルをアニメーション映画に
やはりアニメーションは最強
どれだけ泣いたことか。泣かせる手法と言っては申し訳ないがドラえもんで経験を積んだ八鍬新之介監督は自身で言っている通り「せつなさを大事に」した演出でひよこ・出征兵・友だちの「死」という取り返しのつかない事象を「せつなさ」にそのまま結び付けて泣くしかない状況に追い込む。何といっても主役の大野りりあなが素晴らしい。子どもの声を子どもが演じる良さを最初に実感したのは「海のトリトン」の塩屋翼だが、当時彼は中学2年生であったのに対しりりあなは7歳のリアル小学生で後半は年上を演じていたわけだからそれはもう前代未聞の演技力であろう。動き始める列車の教室、プールの水中ダンス、山本くんとの雨に歌えば・・トットちゃんの妄想がミュージカルになるシーケンスがおそらくは発注したアニメプロダクションごとに画風が変わっておりそれぞれ個性的で楽しく成功している。やはりクライマックスの木登りエピソードが脚立を取りに行ったトットちゃんの脱線を含めて丸ごと丁寧に描写されていて秀逸。服を汚して帰ってきた山本君のお母さんの「困ったわね」という喜びが上手いこと描かれすぎていて憎い。大井町線の横の道を泣きながら走るトットちゃんと山本くんや兵隊とのカットバックも王道にして大胆繊細で見事。最強の映画たるアニメの巨匠がまた一人誕生した。
子供が飢えに苦しむような国の政治は完全に間違っている。
原作既読。多少の脚色はあれほぼ原作通りで内容も展開も知っているはずなのに、後半で思わず泣いてしまった。
前半はどう見てもADHD多動傾向のあるトットちゃんを温かく見守るトモエ学園の学校生活なんだが、後半一気に戦争ムードになってくる。
昭和って戦争前は豊かだったんだな…トットちゃんは当時でもかなり上流階級のうちの子供というのがわかるし、お父さんはオーケストラのコンマスだしお母さんはモダンガール。自宅も当時にしては珍しい完全洋式で朝はパンとコーヒー。休日にはデパートやパーラーにに家族で行く。それが戦争開始とともにどんどん質素に貧しくなってくる。(ところでお父さんがヴァイオリンを弾くシーンはきちんと監修がついているようで100点満点。ウィッシュは見習って欲しい←)
国の掲げる正義は反転するが、おなかが空いている人に食べ物を与えるのは絶対的な正義だ、そう語ったのはアンパンマンの作者であるやなせたかしだが、逆にいえば、子供が飢えに苦しむような国作りは完全に間違っている。
2023年時点、子ども食堂の数は7000カ所を超えているという。それだけ子供達が満足に食べられていないと言うことだ。子供を飢えさせている国の政治家は恥を知れ。
原作を読んだ方、原作に興味を持った方は「窓ぎわのトットちゃん」に続いて「トットちゃんとトットちゃんたち」という、黒柳徹子がユニセフ親善大使でアフリカ諸国を回ったときのエッセイも是非読んで欲しい。窓ぎわのトットちゃんと同じく非常に読みやすいが、飢えや戦争で苦しむ子供達の厳しい現実が描かれている。
これは名作!!!
黒柳徹子の自伝ね。ふ〜ん…と思っていたが、非常にクオリティが高い良質なアニメーション作品で、自伝というより昭和時代の一少女の成長物語としてみた方がいいと思う。ジブリ作品が好きでこんな映画は他では見れないと思っていたが、負けず劣らず面白かった。
主人公はいわゆる多動症?の女の子で、集団行動に馴染めず、トモエ学園に転校してくるが、ここの校長がまた並外れてぶっ飛んだ人で、こんなの今やったらコンプライアンス的に絶対アウトというようなことでも子供達の成長のために次々やってしまう。先が読めず次どうなるかワクワクするストーリー、素晴らしい音楽、どこを切り取っても素敵なカットと魅力的なキャラクター。主人公が妄想の世界に入る時にパステル調の絵に切り替わるところもとても美しい。話の見せ方もうまく、あれ、何で木に登ってるだけなのに、胸が熱くなって涙が出てくるんだろう、、とか思っていた。暗い戦争の影も色濃く世界に影響を与えており、とても印象的な作品。
いや…いい映画だとは思うんだけど…
SNS見てると大絶賛なのですが、そんなにすごいかな?この映画。
ストーリーはまあ…原作を良い感じにアレンジしたんじゃない?ってくらいの感想。
誇張と説明くどいような気がして私にはあわなかったです。
あ、背景はすごく良かった。
あと、私はどうしてもあの不自然な唇や頬の色が気になってしまってダメだった。
ああいう表現にした意図もインタビューで見たけど、トットちゃんにはそう見えたんだよっていう意見も見たけど、やっぱり違和感がありすぎて気になって仕方なかったです。
40年ぶりの再会
小学生時代に同じような感じな経験あり
その時に先生に渡されたのは
窓際のトットちゃん、岩崎ちひろの絵が子供心にとっても印象に残る話でした。
電車の教室、でんぶんのお弁当と当時印象に残ったエピソードがたくさん散りばめていました。
絵がやさしく、それぞれのキャラのやわらかな動き、
表現力が素晴らしい
後半、ずーっと涙が止まらなく
何かにきっかけで泣いてるのではなく、トットちゃんの目線を通して見る世界に心に刺さる感じで、こーいう感じで泣いた映画は初めてでした。
あいみょんのエンディング中は涙がとまらなかったな。あの本がなぜベストセラーになったのか、40年過ぎてようやくわかった
ありがとう😭
徹子さんの原点
おてんばで、いつも服を破いてばかりのトットちゃん。お母さんやお父さんの愛情を受けて育ってきたのを感じられた。
外国の侵略から日本を守らせる教育環境の中で、トモエ学園のトットちゃんは個性を大事にされて、先生に守られながら自立していったのかなぁ。
子ども達が日本の未来を支える人材になってほしいと願われる一方、一人一人の子供の個性が軽んじられてしまうのは、不登校の生徒さんが多い今の社会でも同じこと。
このジレンマの中で、トモエ学園のような、社会が子どもを受け入れる環境を今の日本にも増やしていくには、どうしたらいいか。
私はADHD傾向があり、トットちゃんの行動の一つ一つにシンパシーを感じている。
同じような人が行きづらさを抱えないように、自身の経験を語っていき、多くの人を支えること。その行動が、上記の環境を増やすための足掛かりになると信じている。
今回の映画で、多くのヒントを得られたと思う。
トットちゃんかわいい
素晴らしい映画
生き生きとしたこどもたち、そして大人たち。
こんなに可愛くて魅力的なこどもを無理に枠にはめたりつまらないレッテル(発達障害って呼び方変えようよ)貼っちゃいけないってつくづく思いました。教育は難しい。社会に適応させるためという大義名分があるのかも知れないけど、でも結局嫌なんだよね、教師自身が。自分の常識から外れちゃうこども(人間)がいるのは見たくない。これって先生に限った話じゃなくてそういう人って多いんだよな。だから苛めはなくならない。
戦前から戦中へ、戦争へと向かう時代、現代から見れば最悪の暗い時代に、このような開かれた学園が存在し、そして内面的に豊かな教育(電車の搬入を見たがるこども達に学校へのお泊まりを許可しちゃう、財布を落としたこどもの肥溜め漁りを止めることなく、しかも後始末までするよう指示するなんて、これってすごい)が存在したんだなと感動した。トットちゃんだけでなく、お父さんもお母さんも先生も他のこどもたちも、いいとか悪いとか、そんな個人的価値判断なんて超越したところで、みんな生き生きとしていて、こういうのっていいなあって…気がついたら泣けてました。
泣いたー感動したー大人もおすすめー
黒柳さんが40年以上許可しなかった原作をアニメ化する覚悟が見えた!
超超有名な「窓ぎわのトットちゃん」のアニメ映画化作品。
私はモロの世代なのに、読んでない!(苦笑)
第二次世界大戦が始まる数年前、
普通の小学校に入学したトットちゃんは
好奇心が旺盛で、
この世界の色んなことが気になって
ジッとしていられない性格。
戦争前夜の日本の学校において、
「帝國臣民」に相応しくないトットちゃんは
厄介者として小学校を退学になってしまう。
で、トットちゃんは子供の自由な発想や
行動を尊重する小学校、
「トモエ学園」に通うようになる。
そこにはトットちゃんと同じように
自由に自分の好奇心を満たす子供たちや
「帝國臣民」に相応しくないと言う
レッテルを貼られた体の弱い子供たちも
のびのび暮らしていた。
トットちゃんが繰り広げる
イマジネーションの豊かな世界が
存分に描かれ、ほっこりした後に、
やがて、戦争と言う愚かな行為によって
その世界はどんどん息苦しくなってゆく。
後半の山場、トットちゃんの疾走のシーン!
その背景の情景が観るものの胸を締め付ける!
やがて弟が生まれお姉ちゃんになったトットちゃん。
戦争の足音に翻弄されながら
それでも成長して行く姿は止まらない。
逞しい!!
けしてお見逃しなく!!
で、
月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
出版当時から黒柳徹子さんが何かのインタビュー等の折に
この本の内容を色々説明されていたので
トモエ学園の素晴らしい日々については
少しは知っていましたが、
その後に戦争が激しくなって、
どんどん自由が無くなって行く様子が
これほど丁寧に描かれているとは思わなかった。
小学生のトットちゃんが理解できない深い事情は
言葉では説明されないのだけど
仲良しの男性駅員さんが突然女性駅員さんに変わっていたり
トモエ学園の講堂のそばにあった見事な藤棚が
いつの間にかへちまの蔓棚に変わり、
校庭には野菜畑が広がる。
洋風の屋根飾りが二宮金次郎に変わっていたり
近所の子供の遊びが戦争ごっこに変わっていたり
自宅で飼われていた立派な大型犬がいなくなっていたり
一瞬の場面場面で差し込まれるそのワンショットワンショットが
だんだんに観ているこちらの胸を抉るものになってゆく。
鑑賞した多くの方が指摘している通り
昭和のこの時代に子供の絵本によく使われたタッチの
キャラクターデザインが、
現代の感覚では好みが分かれるところで、
女性はともかく、男の子の顔つきや
大人の男性なのに妙にテラテラした唇とかは
若干慣れないけれどもそこを我慢しても、
不穏な世界情勢や、
日本の防衛費が増大されようとしている今
絶対に観ておくべき映画だと思います。
想像以上に良かった
クリスマスに家に直帰も寂しいな…ということで気になっていたこちらをふらっと観に行きました。
淡々と日常が綴られていく
なんとなく懐かしく感じられる風景。
美しく優しい映像、クスッと笑ってしまうトットちゃんの言動
戦争がどんどん深刻になっていく中でも子供たちの生活は続いてる訳で…
段々と切なく苦しく悲しいシーンも。涙が溢れました。
想像以上に心が動かされました。
感動という二文字だけでは陳腐過ぎて…でもどう表現したらいいのか難しい。
小学生くらいの子供達にたくさん見てほしいですね。あ、でも授業の教材としては長いか。今は道徳の時間とかも無いのでしょうしね…(^_^;)
食パンを焼くトースター!あんなの初めて見ました!(笑)
トットちゃんのお家は裕福だったみたいなのでインテリアやファッションなども本当に可愛くて素敵でした。
原作は未読ですが、読んで見たくなりましたね
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