映画 窓ぎわのトットちゃんのレビュー・感想・評価
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映画的な時間の飛ばし表現が良かった
シーンのテンションが上がった決定的な瞬間に、何かを想像させるインサートを使い物語の時間を飛ばすのはとても映画的でこの物語を語るには効果的だと思った。
主人公のキャラクター造形もとても可愛らしく、色彩に溢れてまた、洋服や家具など当時の主人公の社会的な状況をさりげなく色々な状況を説明しているのがとても秀逸だと思った。まぁ、実際に黒柳さんがそういう生活をしていたということでもあるが。
物語の語りとして、黒味を入れることでどうしてもエピソードの羅列感が出てしまい、全体としての物語的強度が落ちていた。
エピソードにすれば、わかりやすいし、感動もするし、自伝的側面もあるのでそうしたことはある種の語り方だとは思うが各エピソードが全体として機能的だったかというとそうではない気がする。徐々に戦争に巻き込まれいく空気感もいいんだけどね。
でも、なんか見たことによる新しい何かはなかった。
隣のおじさんは凄く号泣してたので、私の心の問題かもしれないけど。
私は何に響いたのか…
原作が発売された当時、母親に勧められて読まされた記憶があるが、内容はほとんど忘れてた。
カラフルで活気に溢れた子供達の生活に、静かに忍び寄る「戦争」と「死」。
自分と異なる他者に対する寛容さ。
「みんな、一緒だよ」
それは「同一」というより「共同体」という意味だ。
校長先生が強く大石先生を叱責したのも、高橋くんに言った言葉が「あなたは私たちと違う」というメッセージになることを懸念したのかも知れない。
最近また「ザ・ベストテン」での黒柳徹子の差別に対する涙の訴え(1980年)が話題になった。
当時、南アフリカの人種隔離政策の中で日本人は「名誉白人」などと呼ばれて優越感を持っていた人々も多かった時期(今思えば、これこそ蔑称だろう)。まだまだ日本人にとって黒人差別が他人事に感じられていた時代に、自らメッセージや具体的な活動を起こした著名人の先駆け。
今や国内の「ユニセフ」は彼女の活動こそが真の姿だと言われるほど。
そんな彼女らしい、可愛らしくてまっすぐで、そして切実な思いが込められた作品。
でも決して説教くさくない。
純粋な子供たちの姿を描いているかと思うと、実は「信念を貫ける大人」と「時代の流れに飲み込まれた大人」の話でもある。
途中で差し込まれるアニメーションもすごく印象的。
原作のいわさきちひろさんの挿絵のイメージにも共通するシーンがあったりと、絵本の様にながめてみたり。
全体通して具体的に「どこで」「何に」と聞かれるとすごく困るのだが、エンドロールが始まって、気付いたらボロボロ涙がこぼれていた。
★は5個でもよかったのだが、個人的には大人のキャラクターの顔(特に「目」)に馴染めなかったのと、もう「役所広司」「小栗旬」。(造形ではなく)そのまま本人がイメージされてしまったので、若干のマイナス。
なぜこれだけ売れた原作の映画化に42年もかかったのか、パンフレットを買ったけど明確には書いてなくて、内容的には物足りない。
でも、間違いなく今年一番涙が出た映画でした。
つくり手の視点
「この世界の片隅に」を超える傑作に
正直スルー予定だったけど、信頼筋の絶賛の多さに慌てて映画館へ。見逃さなくて本当に良かった。
「この世界の片隅に」と並列に語り継がれてほしい名作。戦争シーンはほとんどないのに、日常の中から、おしゃれの自由を奪われ、食品が減っていき、兵隊礼賛になっていく様が説教臭くなく、でも子どもたちが見ててもわかる塩梅で入っている。
小学校を退学させられる黒柳徹子(トットちゃん)にあまりにも共感できなかった原作だった(子供の頃に読んだからこそそう感じていたのかも)けど、トットちゃんが見ている世界と世間一般が見ている世界を、要所に『窓』を活用して見せてくる。何なら大人は視野が狭くなっている、理想を押し付けてくるともさえ言ってくるよう。戦争も大人都合でトットちゃんの人生には必要なし。
学校が素晴らしすぎる。職業柄身につまされる。校長先生は「話をしよう」と声をかけるのに、傾聴の姿勢を忘れない。子どものやることを尊重する。それでも危険な場合は代替案を提示する(相撲→腕相撲)。
小児麻痺を背負うキャラクターも戦争と関係なく…というのが憎いというか上手い(黒柳徹子の体験談なので)。
運動会のシーンから基本的にずっと泣いてた。二人三脚のシーンだけじゃなく、鯉のぼりも先生の見つめ直し含めて良かった。
ラスト15分はただただ怖かった。アニメーションでしか描けない終わり方だったと思う。
黒柳徹子のナレーションが最初と最後に。何度も実写化のオファーを受けたらしいが、この座組でアニメーションで映画化したことにリスペクト。
トットちゃんと校長先生
トットちゃんの豊かな感受性と優しさ、素敵ですね。
そしてトモエ学園の校長先生の心の大きさに感動。こんな人になりたいと憧れてしまいます。
後半は、子供 の個性を尊重するそんな素敵なトモエ学園も空襲で燃えてしまう。これは強烈な反戦のメッセージではないでしょうか。
元気をもらう映画
黒柳徹子さんの幼少時代を描いたアニメ。舞台は東京。戦争直前の1941年(昭和16年)ごろってまだ裕福な感じだったんですね。主人公のトットちゃんも洋風の一軒屋に住んで裕福層だったのかもしれないし、小児麻痺を患っていたヤスアキちゃんも田園調布の大きなお家に住んでいて、都会の裕福層だったような印象です。
元気はつらつで健康優良、繊細でかつ大胆な女の子。利発で悪気がない行動は周囲の大人も同級生も巻き込むエネルギーに満ち溢れている。迷惑がられていた感じだったのが、転校してきた学校の校長先生から君はほんとにいい子と言われる場面は感動しました。
一方、ヤスアキちゃんは小児麻痺で歩くのも大変だけど、トットちゃんとの交流で少しずつ外向きな元気になっていく。それだけにヤスアキちゃんの突然の死は悲しかった。
戦争はいよいよ激しさを増してとうとう、昭和20年になればトットちゃんも母親と兄弟姉妹の赤ちゃんと一緒に青森へ疎開することになる。通っていた学校も空襲で焼け、住んでいた一軒家も取り壊されてしまう。青森へ行く汽車でエンディング。トットちゃんに元気をもらえる映画でした。
PS.
小学生の子も親子連れでちらほら居て、小学生となればもうじっと静かに2時間近く座って観ていられるんだなと思い、騒がしくなるんではといったのは杞憂に終わりました。ちょうど隣に小学生低学年らしい女の子が座っていたけど、ずっと大人しくしてました。もうこの歳になるとちゃんと2時間映画が観ることができるんですね。
ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌
沸き上がる感情 コンタクト乾く間もなし
評判が良いので観に行ったが、まさかこんなに泣かされるとは。
最初はどうしても今の徹子さんイメージが目に浮かんで雑念チラホラしていたのだが、アニメの中の少女の姿にも慣れてからは没入。
トットちゃんはじめ、両親、愛犬、トモエ学園の校長先生、お友達、みんな魅力的。当時の東京ではかなり上流の生活?
こんなに子どもたちの自主性を重んじてくれる学園があったのか。教育内容を色々見られて興味深い。お財布を落としたエピソード、校長先生の対応にびっくり。見つけられなくても忘れられない体験になっただろう。
後半、戦争の影が忍び寄ってきてから起こる出来事に心揺れ動かされまくりでほぼ全泣状態。
戦争物苦手な自分には非常にきつかった。ダイレクトな描写はないが、すべてが統制され地味で質素で我慢を強いられる社会に否応なく変貌を遂げていく。いつのまにか愛犬の姿はなく、外来語も芸術も許されず、人々からは笑顔が消え、食うや食わずの毎日に。そんな中、泰明ちゃんとの雨のシーンの美しかったこと。
トットちゃんとの沢山のキラキラした時間を過ごしていただけに、その後に訪れた泰明ちゃんとの別れの辛さはぐっと迫りくるものがあった。
いよいよ戦況が悪くなってトットちゃんが疎開するところで映画は終わったが、これ以上辛い場面を観ていられなかったので正直助かった。
ストーリーもさることながら、音楽も演出も素晴らしかった。特に表現方法として様々なアニメーションの手法?が取り入れられていて、時に塗り絵っぽかったり、水彩画ぽかったり、良質の絵本をめくっているような気分になった。
鑑賞後は人に優しくありたいとなんとなく思わせるような作品なので、先入観なしに是非あらゆる年齢の人に観てほしい。
『あなたは気づけましたか?』
『あなたは気づけましたか?』
そういうメッセージなのかな〜?と
ぼんやり思った。
窓ぎわのトットちゃん、読んだはず。
1回こっきり?読んだはず。しかも大人になってから
読んだはず。。。。覚えてないけど。
というか、僕自身の子供時代、幼稚園〜小学生時代、
どういう毎日だったか、どういう出来事あったか、
全く覚えてない。思い出せない。
映画としては、原作に出てくるエピソードを
描いているのだと思うけど、
そこから、原作で徹子さんは何を伝えたかった
のかな〜?と、そういうことを考えながら見た。
『あなたは気づけましたか?』
あなたは、あなた以外の、
他の全ての人との『違い』に
気づけましたか?
わたし(徹子さん)は、こういう体験をして、
他の人との『違い』に気づいたんですよ。
(===できれば===)
『違い』を、認め、尊重し、思いやることを、
忘れないで!!
そういうメッセージなのかな〜。と、
ぼんやり受け取った。
しかし、僕は、今、アラフィフなるまで、
一体、どうやって生きてきたのだろう?
子供時代の記憶が、全く思い出せないのだが、
『違い』に気づけたのだろうか?
認め、尊重し、思いやる。
優しい人間になっているだろうか?
僕自身は子供を作ることは無かったが、
次の世代へ、僕が伝えるべき相手は居ないが、
それでも、残りの人生、
他の全ての人に、思いやりを持って
生きていけるだろうか?
環境が人を作る
ネットでかなりの高評価で盛り上がっている作品
予告からしてかなりのクオリティなのはわかってたし
(未読とはいえ)原作も有名であるので
年内に見れればいいかなとは思っていたのだけど
これ以上ネタバレを踏んでしまわないうちに急いでみてきた
予想以上だし期待以上
ネットの感想は大戦への時代の空気の変化への言及が多いのだけど
「それ以外」のパートがすでに凄すぎた
まさかここまでいろんなビジュアルで楽しませてくれる作品だとは思わなんだな
これは「学校という教育環境」と恩師、「先生やクラスメイトとの縁」の物語だ
中盤以降物語は大きな喪失の波に飲み込まれ
どんどん見慣れた風景がなくなっていく
そのなかでトットちゃんの中で確かに
トモエ学園での日々が生き、彼女の人間的成長の糧になっている
力強く、さらなる先へ
未来を感じさせる
最後まで心をぐっとつかむ傑作だ
素晴らしかった
戦中の東京の生活ぶりをスケッチしていくような、淡々とした物語でフックが弱いはずなのに一つ一つのエピソードに引きこまれる。ともえ学園と小林先生が素晴らしくてずっと目がうるみっぱなしだ。燃え盛る校舎を前にして希望を捨てない小林先生がかっこいい。「ともえがくえん、いいがっこう」と意地悪な子に生徒たちが言い返す場面でボロ泣きした。
しかしトットちゃんは小児まひの子に良かれと思って木登りさせたり、プールに無理やり入れたり、まあ結果オーライなのだけど、無理強いがひどい。ハラスメントのレベルだ。こんなのは今は完全にNGだけど、それによって広がる世界もあるため、今後世界が狭いままの人が増えていくことだろう。どっちがいいのかはなんとも言えない。お母さんも服が汚れているのを見て泣いていて、そこでも涙がこぼれた。
尻尾があると先生にからかわれた高橋くんはもしかしたら小人症か何かだったような匂わせがある。
しかし、ともえ学園にうちの子が行くとなったらあんまり勉強しなくなりそうでちょっと困るな。
表現がとても豊かで、クオリティがめちゃくちゃ高い。素晴らしいものに触れた。
泣けました
校長先生に会ってみたい
良心的な作品でした。 40代以上の方にオススメ
あのトースター欲しい
反戦映画でもあると思うのですが、
可愛らしくほんわかする映画で
黒柳徹子の幼少期を追体験する、そんな映画です。
あの独特な雰囲気を醸し出している徹子さんは
やはり裕福な家庭でお育ちになられたのですねぇ。
大戦突入前とはいえ、きらびやかな洋装、
立派な洋館、パパは音楽家🎻(ヴァイオリニスト)
驚いた事に、冷蔵庫やトースターまで‼️
当たり前のように朝食は喫茶店の洋食モーニング
食卓には綺麗な花がいけてありました🌷
(あのトースター欲しくなる🍞)
昨今の時代背景を考慮されたであろう
プールのシーンは違和感しかなく、
好き嫌い分かれるかもしれません。
プールのシーンを入れ込むのであれば
(無くても問題ないと思う)
あのような「妖精」たちを描くのではなく
ちゃんと描くべきだったのでは?と思って観ていました。
個人的には好きではありませんね💦
パパの声 小栗旬
ママの声 杏
小林先生 役所広司
パパ・ママに至っては、それほどセリフが
多いわけではないけれど
「親」の立場であるふたりだからこその深みある声で
小林先生の優しさにも痺れますねえ…。
名優たちは声だけの演技も素晴らしい👏
あえて言うなら、日常モノ
この映画を、「日常モノ」と括った人は凄い。劇的な展開や壮大な物語があるわけではなく、ただトットちゃんの数年を描いた日常モノである。
この作品は、見ながら、そして見終わったあとには色々考えさせられる。
色々考えさせられるが、作品はまるで一つも「ここを考えてね」と言ってこない。こんなに何も押し付けてこない作品も珍しい。これをみて?考えさせられるでしょ?と訴えてこない。考えさせられるどころか、考え方や果てには結論すら押し付けてくる作品が世に溢れる中で、本当にこの作品自体は何も押し付けてこない。
だから日常モノと感じる。
子供から見た日々は、ただそこにある。
開戦の報がラジオから流れた日、トットちゃんは今日いつも聞いてる天気予報のコーナーが無い、と報告した。両親は開戦を理解しているから困惑と重苦しい空気を纏いながらも、それでもトットちゃんにパパママは英語だから今日から使わないでお父様お母様と言うようね、と伝える。もちろんすぐに切り替えられるものでは無い。言い間違えしてしまったら瓶に一銭を入れていこう、と母親は遊戯にして子供へ伝えた。トットちゃんは瓶にお金を自分が入れたい、とはしゃぐ。
これが日常でなく、何なのだろうか。
色んな日常を丁寧に織り込んで作られているため、何に着目し何にハッとさせられるかすら、見る人に委ねられている。
皆に見て欲しいテーマ。皆に受け取って欲しいメッセージ。
そういうものをまるで嗅がせてこないっぷりが、本当にすごい。
それでもなお、見た人が受け取るエネルギーの様なものがある。
プラスとマイナス、生と死、陰陽どちらも混ぜ込んだようなエネルギーに感じた。
絶望に向かう訳ではなく、希望に生きるわけでもない。
日常とはそれだけで前に向かって生きていることであり、死や終わりと共にあることなのだと実感した。
そう、屋台のヒヨコ、似た様な経験あり。
原作は未読。どんな話か全く知らないので、期待高めで着席。
予告編を観て、東急大井町線が関係してると思ってたら、えっ、黒柳家があったのは北千束だっのか!で、メイン舞台の学校は自由が丘。マジご近所さんだわ。そんなにリッチな家族じゃないんだけど、小学1年生が電車で3駅の通学なんて東京では普通だったのかなぁ。いや、転校するには、その選択肢しかなかったのかな。
転校先のトモエ学園。教室は電車の車両。めっちゃ狭いわ。しかし、校長の小林先生のトットちゃんとのやり取りがめっちゃ素晴らしい。当時、子供の考えや行動をガッチリ認めてくれる大人なんて居たんだろうか。臭いよ!でも黒柳徹子の自叙伝なので信じてあげよう。そしてもう1人のメインキャラの男の子、泰明との友情話し。小児麻痺の彼に対してトットちゃんは、遠慮なしの対応。そのせいか二人の仲が深まっていく。飯食う歌を2人で歌って大人から叱られる?楽し。しかし最後はまさかの展開でウルッ。原因知りたかった。
ストーリー的にはそれほどの流れはなかった。戦時中の子供のリアルな日常をアニメ化したって感じ。徹子ちゃん、こんな自由気ままな子供で将来学校の先生になるつもりだったのにどうしてNHKで働きたくなったんだろうね?
声優さん達みんな良かった。あいみょんの歌も良かった。結構楽しかったです。
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