映画 窓ぎわのトットちゃんのレビュー・感想・評価
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物語は別として元気をもらえる👍
予告を何度も見て面白そうだったので見に行きました😄、戦前後の作品が続いてるな〜と感じつつ鑑賞しました。
トットちゃんの行動にクスッとする場面やほっこりする場面等楽しませて頂きました☺️。
今の時代の支援学校のような学校だったのかな?。
校長先生はあの時代にはものすごく子どもの事を考えている良い先生でトットちゃんは本当にあの校長に出会えて良かったな〜😭。
メインの二人が際立ってたけど、他のクラスメイトの子にも何かイベントがあれば物語的にも良かったように感じます。
映像もクレしんやあたしンちのシンエイさんだから見やすいし綺麗でした☺️、キャラクターもあってかトットちゃんも可愛くて見てて元気をもらいました😆。
見終わって振り返っているともう一度みたいなと思えました。
昭和のベストセラーは伊達じゃなかった!
原作未読。予告の時点でキャラデザに違和感があり、またノスタルジックな友情物語程度の認識でいたので正直あまり期待していなかったのだが、開幕から人物の細かでていねいな描写や背景美術を見て、いきなり名作の予感がしてしまった。そしてその予感は確信となった。
戦中昭和映画として、『この世界の片隅で』と並び称される傑作だと思います。
小学1年生で「退学」させられるなんて。
幼いトットちゃんを巡って色々なエピソードがつづられるが、どれも心に沁みとおる。映画を見終わった頃には、トットちゃんを始めトモエ学園の仲間やトットちゃんに関わる大人たちがとても好きになっているだろう。暖かくて切なくもある作品でした。
トットちゃんとトモエ学園の出会いがとても印象的である。普通の学校では、好奇心のままに行動して規律を乱すこどもは望ましくない。小学1年生なのに「迷惑だから他の学校へ行ってくれ。」と退学させられた黒柳徹子も大したものだと思うが、彼女のすべてを肯定して「君はほんとうは、いい子なんだよ。」と受け入れるトモエ学園も大したものである。こどもの好奇心と自主性を大切にする学園にとっては、まさにぴったりの生徒だったのだろう。トットちゃんの方も、トモエ学園でその自由な天性を開花させる。
小児まひで体が不自由な泰明ちゃんとの交流を通して、トットちゃんは人生で大切なことを多く学んだ。それは一言で言えば「人への思いやり」であり、それを形に表す「行動力」である。木登りやプールなどいくつものエピソードを重ねて、二人の気持ちがよく伝わるように描かれていた。
原作は知らないが、映画ではこどもの視点だけではなく、おとなの視点や社会情勢もうまい具合に描かれていたと思う。運動会で、トットちゃんと泰明ちゃんの母親が、手を取り合って喜ぶ姿が印象的である。心配ばかりだったわが子が、力を合わせて頑張る姿は感慨深いものであろう。いつもこどもたちをやさしく見守る小林校長先生の、教育者としての熱いまなざしも共感できるところである。そして身近な「死」や「戦争」の理不尽さも、物語に奥行きを与えている。
トットちゃんが好きになり、色々学ばせてもらいました。
正しい子育てと教育は何か?
🏫あらすじ
人一倍好奇心があるとっとちゃんが普通の学校で馴染めずに、リトミック教育を行っている小林先生とトモエ学園と出会う。電車が教室、個々で自由に色んなお勉強ができるトモエ学園に通うときのお話。
🏫学び
・喧嘩しないでいじめっ子に勝つ、ひよこがなくなったら悲しめる、小児麻痺の子どもと運動会で二人三脚完走するなどなどこれらすべて好奇心を奪われなかったからだと思います
・好奇心が誰かを変えるきっかけとなる
・好奇心が他人のいいところを見つけてくれる
・何歳になっても好奇心であふれることがなによりも大切
絵柄が…
泰明ちゃんのお母さんが泣くシーンと、校長先生が軍艦一覧を破るシーンはよかった。/これは好みの問題だから仕方がないのだが、絵柄が好きになれず。女子どもだけなんであんなにうるうる化粧してるみたいな絵なのか。
映像化することで顕になる違和感
原作は若い頃に読み、喉に刺さっていた小骨が、映像化されたこの作品を見ることで、その正体がはっきりわかった気がします。
トットちゃんは恵まれた家庭に育ち、軍国主義に毒されない立派な両親と教育熱心な教師と出会うことで、立派な人物に成長できたわけです。
それはそれで美談として成立するでしょう。
ただし、トモエ学園を馬鹿にする少年たちはいかにも貧困そうな服を着て、彼らを単純な悪役として描くのはどうなのか? 教養を身につける余裕のない多くの国民は、国の導くまま、戦争に協力したことは愚かだったのか?
映像化したことでそのあたりの作品に対する違和感が明白になりました。
アニメーションとしてのクオリティは高く、作品が訴えたいことの重要性は十分評価した上で、あえて「欺瞞」として映りかねない部分を指摘しておきます。
トットちゃんは小林先生との出会いがあって羽ばたくことができました。自分も誰かの生きる力や支えに少しでもなれるなら良いのですが。
有名すぎて手が出なかった本がいくつもあります。
何度か手を伸ばしてみては、そのつど "今更かなぁ…" と
読む機会を持たなかったタイトルのひとつ。
それがこの「窓ぎわのトットちゃん」 です。
いわさきちひろの表紙イラスト絵も有名です。
今回のアニメ化がいいきっかけでしょ? と自分に
言いきかせ、劇場アニメを観に行ってきました。
(原作本はまだ読んでいません)
◇
鑑賞終了。
この作品を観る上で大事なことがあるかなぁ と。
#色々な場面で心に浮かんだ気持ちが大事。
#浮かんだ気持ちは心に留めておかないと。
#自分の周りにもトットちゃんはいたのかも。
#自分はトモエ学園の側に居たのだろうか…。
観終わって、そんなことを思っています。・_・ハイ
この作品、少しだけ人と違った女の子のお話。
フツーの小学校で持て余されてしまい、ここならばと
訪ねた学校が「トモエ学園」でした。
この学校は鉄道の車両を教室にしているのです。
そこには、トットちゃんにとって大切な人達との
出会いがありました。
・優しく迎え入れた小林先生。
・小児麻痺で右足と左手が不自由な子
・実験の好きな子 etc
家にはバイオリン弾きの父と優しい母もいます。
好奇心旺盛でやや落ち着きの無かった女の子が
自分を認めてくれる人達の中で成長していきます。
と、このようなお話なのですが、時は昭和15年ころ。
日本は戦争へと進んで行きます。
こどもの生活にも次第に陰が落ち始めます…。
◇
主人公トットちゃんこと黒柳徹子さんは今も元気で
ご活躍中なわけですが、現在の、そしてこれまでの色々な
番組司会等で目にしてきた徹子さんに、こんな過去が
あったのかと驚くと同時に、戦争の愚かさを追体験できる
内容となっています。
鑑賞後、やはり原作を読みたくなりまして
ネットで注文をかけました。
届いたら読んでみようと思います。
続編も出ていたのに驚きつつ、こちらも購入。
(今年10月の出版でした。新刊です ・_・)
◇あれこれ(印象に残った場面)
■校庭で水遊び
なにかこう、すごいインパクトのある場面でした ・-・。
気持ち良さそうではありますが、今の時代に同じことを
やったらきっとエライ事になるだろうなぁ… ・_・;
■♪トモエ学園 良い学園♪
いじめっこの暴力に立ち向かったトモエ学園の子たち。
相手が口にする悪口の歌を、逆の良い歌詞にして返すのです。
とても力強く逞しい団結力。痛快な場面でした。
■ひよこ
縁日で売っているヒヨコ。
ひよひよ ととても可愛いです。ですが
あっと言う間に大きくなり、朝から♪コケコッコになるからダメ
…かと思ったら、弱くて育たないから でした。
■15粒の大豆
成長期の小学生にとって、おやつにもなりません…。
食料難というのがやはり戦争の悲惨さの一つです。
仙豆なら一粒で良かったのに…。
◇最後に
この作品の他にも、戦争の時を生きた子供を描いた話はあります。
・この世界の片隅に とか
・火垂るの墓 とか
・裸足のゲン とか
いずれも戦争に翻弄されながら生きる人の話です。
そういった作品の中でこの「トットちゃん」は、現在もご活躍
されている実在の方が主人公ということで、
この子の生きた先は未来繋がっているということを感じながら
読むことが出来るかなぁ などと
そんな事を考えながら本のが届くのを待っております。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
黒柳徹子はまさにレジェンド
言わずと知れた黒柳徹子のベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」の映画アニメ化作品でした。原作の方はまだ自分が子供の頃に出たものでしたが、これまで未読。黒柳徹子の子供の頃の話を小説にした作品で、自由が丘にあった自由な気風の小学校を舞台にした物語であることくらいの知識で観に行きました。予告編を観た感じでは、絵柄も優しい感じで、セリフから受ける印象も極々子供向けの作品であり、普通の小学校では受け入れきれない奔放なトットちゃんこと徹子少女を受け止めてくれた、極めて現代的な学校を巡る話だと思っていました。
しかし実際に観てみると、当初の予想よりもかなり奥深い話でした。昭和8年生まれの黒柳徹子の小学校時代の話であるため、トットちゃんが小学校に入学したのが対米戦争開戦直前の昭和15年。既に対中戦争は10年近くに及んでおり、欧州では第2次世界大戦の火蓋が切って落とされている時期でしたが、東京はまだまだ平和な様子で描かれていました(実際にそうだったのでしょう)。翌16年12月に対米開戦、トットちゃんの父親が「これからは(英語が使えなくなるので)パパ、ママではなく、お父様、お母様と呼ぶように」とトットちゃんに言った場面が出て来ますが、以降戦況が深刻になる毎に東京の街の風景もどんどん変わっていく様子が描かれていました。そして昭和20年の敗戦直前まで描かれて本作は終わりましたが、トットちゃんが通ったトモエ学園小学校も空襲で焼けてしまうという、なんとも悲しい物語でした。
そうした時代状況の描写とともに涙腺を緩ませたのが、トットちゃんと同級生の泰明ちゃんとの交流。小児麻痺で半身の自由が利かない泰明ちゃんを、トットちゃんが木登りさせたり、運動会で二人三脚をしたりと、それまで家に籠って本ばかり読んでいた泰明ちゃんにいろんな体験をさせるトットちゃん。しかし生来の虚弱体質には勝てず、縁日で買ってきたヒヨコのように夭逝してしまう。
子供向け作品だと思って油断していた自分としては、戦争と言う社会状況と併せて、あまりに冷酷な現実をまざまざと見せつける本作に、不意を突かれて動揺するとともに、涙してしまいました。
話は変わりますが、最近観た「ゴジラ-1.0」や「ほかげ」は、終戦直後のどん底の時期を描いた作品でした。焼け野原になった東京の街で、飢餓とか貧困にあえぐ人々の苦悩が見て取れる作品であり、それはそれで辛いものがありました。ただ本作のように平和な日常から、戦争に突入して社会が悪い意味で統制されて行き、さらには空襲を受けて学校や街が焼けてしまうという喪失感は、想像するだに恐ろしくも虚しいものであるということを実感しました。昨年来、ウクライナやパレスチナで戦乱があり、我々も報道を通じて現地の状況を垣間見ていますが、当地の方々の苦労や心痛と言うのは、想像を遥かに上回るものなのだろうと思われました。
そういう意味では、非常に時宜を得た作品だったのではないかと感じたところです。
それにしてこうした体験をした黒柳徹子が現役でテレビに出演し続けているというのは、本当にすごいことだなと思わざるを得ません。そんな訳で、内容の意外性に乾杯ということで、評価は★4.5とします。
普通に佳い映画
あまり大それた期待はせずに鑑賞。
普通に楽しめました。
役所広司は凄すぎる。
雨に唄えば、のオマージュシーンも楽しい。
最も意見が出るだろうプールのシーンも逃げずに誤魔化してもいない。
飽くまでも子供の視点で描かれているから暗さも辛さも説教臭くもない。
この世界の片隅にを思い浮かべる戦中の風俗もとても丁寧。
ただ、幾つものエピソードが尻切れ蜻蛉というか描写が不足している印象。あえて、なのかもしれませんが。尾骶骨とか突然死とか小林先生のその後とか。
良い部分もたくさんあるけれど、色々と不満もある感じ。
でも映画館で観て損したとは感じないからやっぱり佳かった。
やすあきちゃんとの交流が心に残った。
やすあきちゃんは小児麻痺で不自由な体だ。
そのため、いろんな事を我慢してきたんだと思う。夏のプール授業で魚のように泳いだ瞬間、トットちゃんと泥だらけになって、登った木の上で、初めてきれいな景色を観た瞬間。やすあきちゃんは凄く嬉しかったんだと思う。
小林先生は、トットちゃんに君はホントは良い子なんだよと言った。それは彼女に前の学校を退学になったという事実を伏せ、劣等感を持たせず自分に自信を持たせるためだったと思う。
疎開先に向かう列車でトットちゃんは疲れ切った母親から弟の赤ちゃんを抱き受け、君は良い子とささやく。たくましくも優しい女の子に育っていると思った。
意欲的なアニメ表現と演出の数々
文句なしに面白かった!!
ジブリや新海誠、或いは鬼滅の刃といったようなハイコストな作画にあまり頼ることなく、果敢にアニメ表現や演出の数々で勝負している作品。
お行儀の良いストーリーとはいい意味で対照的な、結構攻めた表現を意欲的に採用しており、そこに注目して観るだけでも十二分というくらい価値がある。
比較的裕福な家庭で育った、トットちゃんの綺麗なお洋服と活発な振る舞いが、時代とのギャップを際立たせる強烈なコントラストとして描かれている。この時代のこんな見せ方ってあるのか…。
キャラクターも皆魅力的に描かれており、なにより、子役も含めてちゃんと絵に合わせた声の芝居ができる役者さんを集めているのが素晴らしい。
ストーリーも宮﨑駿の後期作品や新海誠よりはよっぽど面白かったし、似非ジブリっぽいアニメより、こういう作品こそもっと持て囃した方が日本のアニメ業界の将来の為になると思う。
ハイコストな作画や世界観、質感で殴ってくるタイプの作品も嫌いではないのだけど、やはりこういう挑戦的かつバランスのいいアニメーションをちゃんと評価したい。
ほっこり涙活
原作未読。
この世界の片隅に みたいな、ほっこりした絵柄と日常生活の丁寧な描写…
それとは裏腹な戦争の虚しさ、悔しさ。
素敵な作品でした。
どうしても比べてしまうのが…
直近見たアニメーション映画:ウイッシュ
トットちゃんも多様性が題材の1つでもありますが、ウイッシュみたいな押し付けがましい感なくスっと心に入ってきました。
最近見た戦争映画:あの花が咲く丘で君とまた出会えたら
あの花は戦時中なのに危機感ゼロのヒロインが浮きまくり、感動できず消化不良。
トットちゃんで涙活させてもらいました。
ウイッシュやあの花を見ようか迷ってる友人が居たら、それよりトットちゃん見れば十分だよ!!って勧めます(笑)
黒柳徹子さんの大切な思い出
・人の成長は係る人によって全然変わってくるんだと感じさせられます。(黒柳徹子さんが黒柳徹子さんになることが出来た素晴らしい方々。)
・校長先生が素晴らしい人柄。
・イメージはこの世界の片隅にですが、そこまで重たくないので、見やすいです。
まじで観てよかった
ゲゲゲを観ようと思ったが、時間が合わずこちらを鑑賞。
中間色の優しい世界とモノトーンの残酷な世界。
セリフで語らず、職人仕事のアニメーションで語りまくる。
原作の素晴らしさだけでなく、映画としても素晴らしい今この時代にこそ観るべき作品。
まじ観てよかった。
観た人も含め、作品に携わった全ての人たちにとって愛おしいもの
観終わった後は、自分の心の中にある毒が浮き出てくるような感覚になりました。
まず、何というか、全てにおいてすごく丁寧に作られている印象を受けました。
絵本のような描写、子供や大人の表情、汗の浮き出るシャツ、指の末端の色の違い、小児麻痺の子の足の色の違いや動き、汲み取り式便所のシーン、オーケストラの演奏、駅員さん、お葬式の後にトットちゃんが走っていく中でのすれ違う景色との対比、チンドン屋の音が聞こえた瞬間の赤ちゃんの表情、タバコ等々…
そういった細かな作りからだけでも、作品全編を通して、原作や黒柳徹子さんへのリスペクトや愛情を感じられました。
過去にゲームやアニメの実写化で、監督が原作を知らずに作られたものがいくつかありましたが、この映画は制作が決まった直後に、制作に関わる全てのスタッフに「原作をまず読むこと!」とお達しがあったのではと思うほどでした。
また、子供の喜怒哀楽なんかは、本物の子供とジブリのいいところを随分と参考にしたのではとも思いました。(特に泣くシーン)
映画本編では、小児麻痺の子供が出てきますが、どこかの1日テレビのような「障害」で無理矢理感動を作ろうとしているところがないのもよかったです。
あくまで主人公は「トットちゃん」で、そこがまったくブレていなかった。(トットちゃんは見た目では見えにくい障害)
そんな風に、原作を大切にしつつイチから丁寧に愛情を持って作られているので、制作スタッフにとってこの作品はとても愛おしく、我が子のようなものになったのではないでしょうか。
そして、観た側にとっても愛おしくなるものでした。
個人的には、やっぱり校長先生の人間味がすごく良かったです。
黒柳徹子さんにとって、とても大切な人をとても大切に描いていたのではないでしょうか。
校長先生役の役所広司さんもピッタリで、校長先生は「となりのトトロ」のサツキとメイのお父さんに通ずるものがありました。
校長先生は、子供たちが大切にしているものは何か、常に思っているような人でした。
よく「人を大切に」「親を大切に」「友達を大切に」「自分を大切に」と大人は言うけど、実は「いい大人」に見られる為の綺麗な言葉として投げっぱなしになりがちです。(大切にする方法は???)
でも校長先生は投げっぱなしにならず、子供が大切にしているものを大切にされていました。
「人を大切にする」ということは、「人が大切にしているものを大切にすることなんだよ」と、全編を通して見せてくれました。
そして、それをメッセージ性として観た側に押し付けるようなことはまったく感じられなかったことも心地良かったです。
長くなりましたが、この映画は是非とも多くの人に観てもらいたいです。
基本的に、上映期間中に2回以上同じ映画を観に行くことはありませんが、この映画は最低でもあと2回は観に行きたいと思いました。
オススメです!
トットちゃんの束の間の日常と変わってゆく世界
黒柳徹子さんの幼少期を描いたアニメーション作品。
戦争が始まる少し前のトモエ学園のトットちゃんと子供たちの日常がユーモアを交えて描かれていて、ほっこりしました。
戦争が少しずつ日常生活に影響を与えていき、人々や社会が段々と変化していくのもリアルでした。
地味さが逆に眩しい
たまたま近い時代設定の映画や、感動巨編を立て続けて見たせいか、スタンダードなアニメーション映画としての今作が、やたら新鮮に感じました。
思えば昔からこういうラインの映画(実写、アニメ)は大ヒットとか目立つことなく、さりとて中々の良作が地味に続いているという認識なんですが、昨今の突拍子のない世界設定やら非現実的なキャラクター達で感動を演出される派手な量産型映画より、実際のこの世界で実際の人たちが紡いだ、素朴だけど実際の出来事を過剰に演出しない物語が今やむしろ輝いて来ていると感じました。
こういう映画、絶やすことなく続けていってほしいと思います。
いのち
ちょうど小学生の時に原作を読みました。私は公立の小学校に通学していたので、トモエ学園の電車の教室に憧れていました。また、「海のもの」「山のもの」も原作で知りました。しかし、この歳になってみれば、トモエ学園の自由な校風が一番魅力的ですね。トットちゃんは今だったら、ADHDの診断がされたり、集団から排除されますから。
子供の時はそれなりに楽しかった学校ですが、今になって思えば、優秀な労働者を作る場所でもあったのかな?と思います。誰とでも仲良く、時間を守って、模範回答を暗記する。
とっとちゃんのお父さんも食料よりも自らの精神性を選んで、軍歌は弾きませんでしたよね。会社で鬱っぽくなっている人は、安定した給料より自分の気持ちに正直になった方がいいと思った瞬間です。
原作を読んだのが小学生の時なので覚えていないのですが、こんなに命を尊んだ作品だったのかと、大変驚きました。ラストに向かって、やすあきちゃんの亡くなった命と戦地に行かされる兵隊のこれから亡くなる命が重なりました。兵隊もトモエ学園に象徴される子供達も、全ての国民はこの戦争で死んではいけなかった。やすあきちゃんの様に病気で早く亡くなる子供がいる一方で、300万人の国民がこの戦争で死にました。戦争がなければ死ななくて済んだ子供達や若者達もです。
劇中に出てくる桜も樹々も街の風景も子供達も生命力に溢れてきらきらと輝いていました。だからこそ、勇ましく流れていた軍艦マーチや死を美化していた当時の国家に怒りを覚えずにはいられませんでした。やはり、国家権力は無責任ではないかと。子供や若者を死に追いやる戦争は、過去の日本だけに限らず、世界中で今現在も起こっています。
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