劇場公開日 2023年12月8日

「トットちゃんをトットちゃんたらしめるもの」映画 窓ぎわのトットちゃん talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0トットちゃんをトットちゃんたらしめるもの

2025年4月7日
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鑑賞方法:映画館

<映画のことば>
さぁ、今度はどんな学校を作ろうか。

テレビ旭日系列で長く放送されていた「徹子の部屋」で知られていた黒柳徹子さんには、子供時代にこんなエピソードかあったのかと、初めて知りました。

独自の音楽的手法による教育を実践した学校のようではありますけれども。

しかし、子供たちの個性を、こんなにも尊重する教育をしていた私立小学校か実際にあったことも、初めて知りました。本作を観て。
(子供の個性を大切にし、管理教育=文部省(文部科学的省)が決めた学習指導要領どおりの画一的な教育をしない教員を、徹底した懲戒処分で教育現場から排除してきた、どこぞの国かの義務教育学校とは、大変な違いだとも思いました。)

しかも、「きな臭さ」を増して、戦争への道をまっすぐに突き進もうとしていた、それこそ「挙国一致」が声高に喧伝されていた、まさにその時代。
(皆が同じ考え方をし、同じ行動様式をとることを強制され、その考え方に従えない者は「非国民」として、社会からのけ者にされた時代)

その時代に、こんなにも子どもの個性を大切にする学校があり、そういう教育が実践されていたということは、正直なところ「驚き」以外の何ものでもありませんし、そして、こんなにも
個性豊かな子供時代を過ごしたことが、ゲストから多彩な話題を引き出して、長く長く、さらに長くトーク番組を続けてこられた秘訣なのかも知れない。否、それこそが、トットちゃんをトットちゃんたらしめたものに違いない。
その一端が窺われるのだとも思いました。

佳作だったと、評論子は思います。

(追記)
本作で、泰明君の死は、大きな意味があったのではないかと思いました。
トットちゃんについては。

それまで、天衣無縫、純真爛漫(らんまん)に生きてきたトットちゃんにも、世の中の摂理は無縁でないことを、トットちゃんは彼の死で思い知ったと思うからです。

トットちゃんにとっては、未曾有のエポックメーキングな出来事だったのではないでしょうか。

(追記)
まったくの余談ですけれども。

評論子も親に、お祭りの夜店でヒヨコを買ってもらったことがあります。
「カラーヒヨコ」ということで、全身に蛍光色の染料を付けられて売られていたヒヨコでしたけれども。
(言うまでもなく、その着色は、羽の生え替わりで、すっかりなくなってしまった。)

そしてやはり、評論子の両親も(トットちゃんの場合と同じ理由で)反対した記憶がありますけれども…。
しかし、最後には折れて買ってくれたときは「一羽では寂しがるだろうから」ということで、なんと二羽も飼ってもらえました。

評論子が買ってもらったヒヨコは、運よく(?)二羽とも成鶏にまで育ちましたが、お
祭りの夜店で売られているくらいですから、それは卵を産まない鶏(つまり雄)。
とにかく、元気で勇ましい鶏だったことを記憶しています。

ちなみに…鶏は「飛べない鳥」といわれていますが、我が家の鶏は、屋根の高さくらいにまでは飛び上がることができていたようです。
(養鶏場で飼われている鶏は、飛ばないように羽の一部を切り取っているとか。)

亡父の転勤で飼えなり、手放すまで大切に飼うことができましたが、今でも良い思い出になっています。

それにしても、二羽も買ってくれた両親ー。

トットちゃんのヒヨコは、一羽だけだったので、寂しくて死んでしまったのでは…というのは、評論子の勝手な心配ということで、およそ間違いはなかろうと思います。

talkie