「手袋つけてピアノを弾かない←たしかに」映画 窓ぎわのトットちゃん 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0手袋つけてピアノを弾かない←たしかに

2024年2月6日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

知的

「トモエ學園良い學校!入ってみたら良い學校!」

2024年映画館鑑賞5作品目
2月4日(日)イオンシネマ石巻
1800円→dポイント−300円

原作未読
いや小学生の頃に図書室で読んだかもしれないがはっきりとは覚えていない
原作者黒柳徹子さんが自らプロデューサーを務めているわけだから揉め事があるわけがない
原作ものは原作者を担ぎ上げないといけないよ
原作厨もご満悦

でも聖地巡礼もほどほどにな
アニメオタクの自由と自由が丘住民の自由の解釈はかなり違うからな
これ以上オタクのイメージを失墜させないようにしてくれ
基本的に一般人から快く思われていないと自覚してくれたらトラブルは防げるはずだ

斉藤由貴のやつは観たことあるけど清野や満島の方は観ていない

監督と脚本は『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』の八鍬新之介
脚本は他に脚本家の1人としてTVアニメ『ドラえもん』『パズドラ』で数話担当した鈴木洋介
キャラクターデザインは『大きい1年生と小さな2年生』『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』の金子志津枝

黒柳徹子がトモエ學園に転校するところから始まり弟が生まれ青森に疎開するまでの話
時系列があっちに行ったりこっちに行ったりしないので楽

トモエ學園は今でいえば自由度が高いミッション系
発達障害とか障害者の受け皿でもあるのかな、
実際のところリトミックというやつらしいが日本では今も主流ではないようだが
それもそのはずで実際大人になるとああいう仕事ができるのはごく一部でほとんどの人はよく調教された名犬のように働くことを求められる

廃車の電車車両が校舎になっている
鉄オタじゃなくてもウキウキしてくる

夜店で買ってもらったヒヨコがあっさり死んでしまうわけだが何故か自分は泣けてきた
職業柄生き物の死骸は見慣れているわけだが

トットちゃんのパパはいつも髪がボサボサだがバイオリンを弾くときは髪型がバッチリと決まってる
家で家族には気を抜くがバイオリンには真摯に向き合う姿勢なんだろう

とにかく絵のタッチが素晴らしい
自分好み
いかにも典型的なアニメオタクが好みそうな例えば痛車に描かれているような絵柄は申し訳ないが生理的に無理
金子さんのキャラクターデザインがトットちゃんの世界に見事にハマった
彼女以外のスタッフが中心になって携わったのだろうが動物&電車のシーンとトットちゃん&泰明ちゃん水中シーンと流氷の川が流れる悪夢シーンのいずれも良かった
泰明ちゃんの死に顔も良い

泰明ちゃんといえば木登りのシーンも雨の日のシーンも腕相撲のシーンも良い
感動的
ファンタスティック!

子供が全裸になるシーンはヒヤヒヤしたが性器を省略したのは正解
アラレちゃんやガッちゃんを思い出した
乳首はなぜか省略しなかったけど
フェイスブックもどうせやるならそうすれば良かったのに丸ごと児童ポルノに認定してしまうなんてバカだよな
エリートのくせに上品下品や善悪の区別がつかないなんて怖すぎる

全てにおいて見事な表現力
ブラボー
2023年公開アニメ映画ベスト3には間違いなく入る

配役
トットちゃんに大野りりあな
トモエ學園の小林校長に役所広司
トットちゃんのパパに小栗旬
トットちゃんのママに杏
トモエ學園の大石先生に滝沢カレン
小児麻痺の泰明ちゃんに松野晃士
自由が丘の駅員に石川浩司

例によって声当て専門ではない著名人中心だが声オタではないので全く気にならなかった
客寄せパンダというがパンダを悪口に使ったら黒柳徹子さんがブチギレるからやめろオタクども
それにしても滝沢カレンはずいぶんと謝罪慣れしてるなと感じた

あと気になったのがトットちゃんのことを父親が「トット助」と呼ぶことかな
そういえば母は徹子を「トットちゃん」と呼んでいたっけ
親が自分の子を渾名で呼ぶって「ちびまる子ちゃん」みたいだな

野川新栄