「随所で泣かせていただきました」映画 窓ぎわのトットちゃん marimariパパさんの映画レビュー(感想・評価)
随所で泣かせていただきました
学生時代、下宿先から実家に帰るとこれでもかっていうくらい持ちきれない食材を持たされ、親不孝息子は「こんなに食べきれないよな」なんて心の中では思いながら持って帰っていた頃、ふと「徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』読んでみたいな」なんて呟く母に日頃のお礼の意味で(照れ隠しもあり)そっと買ってプレゼントした思い出があります。日頃文庫化されてからしか買わない貧乏学生が単行本購入は少し勇気のいる決断でしたがちゃっかり自分も帰省中に読み終えて感動したのも遠い記憶になっていました。
今回アニメ化されると知って是非観たいと封切り直後に行ってきました。40年以上も前の作品が今映像化されたことに感謝の気持ちでいっぱいです。そういえば亡き我が母と徹子さんはほぼ同年代。夜中に居間に降りていくとまだ起きていた母から戦時中の話をよく聞かされ、仲間内にも見てきたように話す、年寄りくさい若者だったと思います、今思えば。
でもメディアや本からの情報ではなく体験者から直に聞くことができたのは自分自身ありがたい経験だと思います。この前観た『ゴジラ-1.0』でもまるで戦争体験者のように感じることができました。(実際の体験者の先輩諸氏には怒られそうですが)
今でこそ個性が認められる、評価される時代かもしれませんが昭和15年、戦争直前の時期に子どもたちの個性を活かした教育をされていた小林先生には驚きと感動を隠せません。役所広司さんの温かい口調はさながら小林先生そのもののように感じましたし、優しさ溢れる杏さんのお母さんも素敵でした。
私ごとですがやはり個性派の娘に幼稚園から高校までもれなく担任に呼び出された経験を思い出しました。そんな娘も今や我が家の天使を授けてくれて毎週の楽しみを与えてくれるいい意味での普通のママになっていますが。
今回も映画のレビューにほど遠い内容になりましたが上記に書いた思い出を新たに湧き立たせてくれて鑑賞中、ここで何故涙が?というくらい感動させていただき大満足です。原作の素晴らしさ、またそれがノンフィクションでトットちゃん自身が現役でナレーションをされていたことにも感動を覚えました。ランチをしながらレビューを書いていますが、また涙が出てきそうで怪しいオヤジ状態です。
よかったです!!老若男女是非ご覧下さい。心癒される作品です。原作をまた読んでみたくなりました。(逆に原作未読だと入りづらいかもしれませんが。)
追伸
朝7時20分の上映回は同世代と思われるオジさん3人の貸切でした。