「寝癖がある君の方が なんだか生きているって感じる」映画 窓ぎわのトットちゃん グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
寝癖がある君の方が なんだか生きているって感じる
たとえば。
圧力に屈して魂を売るようなことはしない。
何が大事で、何が大切か、周りの空気ではなく自分の直感に従って判断する。
言葉にしてみると、陳腐というか今更ですか?というようなこと、或いはそういうことだよな、という場面がたくさん出てきます。
でも、じゃあお前はこれまでの人生で、それができているのか、揺らいでばかりいないか?
と問われると自信がなくなります。
〝分かってるつもり〟のことが自分が思い描いているイメージよりは実践できていないという人のほうが多いのではないでしょうか。
人生は、長いものに巻かれてるほうが楽です。
いつも勝ち目のない闘いをするのは、疲弊するだけで得るものがほとんどない。だから、多くの人はここぞ❗️という時のために、普段は負けたふりをしたり、これは妥協ではなく将来のための一時的な忍耐だ、みたいに自分の心を整理してます。最近、世の中でメンタルをやられてしまう人が増えているのは、ここらあたりのさじ加減(自分で得心がいくかどうか)の仕方を誰にも相談できないから?という気がします。
人生なんて正確に〝ここは小さじ一杯〟なんて計れません。ほとんど経験(読書や映画鑑賞も立派な経験❗️)や先輩や大人たちの振る舞いからの学びに基づくその時々の目分量なのですから。
となるとあとは、〝ここぞ❗️〟という場面を迎えたときに、決断と行動が伴うか、というのがその人の人生における後悔の頻度に繋がるのかもしれません。
いいとか悪いではなく、どんな人生も、セラヴィ(それが人生さ)‼️
大人にとっては、素朴で率直な問いかけにあらためて自分自身を見直すきっかけになる。
人生経験の浅い若者や現役の児童・生徒にとっては、身近な悩みにある程度のヒントを与えてくれる。
文科省推薦‼️みたいな変な押し付けではなく、素直に自分の現在位置を指し示してくれる、〝本当はいい映画〟なんだと思います。
数量限定かもしれませんが、主題歌であるあいみょんの『あのね』の歌詞カードが入場特典でもらえます。
この歌詞が驚くほどトットちゃんとあの友だちとの関係を的確かつ情緒的に表現していてビックリ‼️
『空の青さを知る人よ』もそうでしてが、あいみょんの映画的感性もまた天才的❗️
気がついたらエンドロールでも泣いていました。