劇場公開日 2023年5月19日

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「「不快」以外の感情が何も湧かない映画」ソフト/クワイエット カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0「不快」以外の感情が何も湧かない映画

2023年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作が米国で上映され、そしていくつもの賞の対象になったということにまず驚く。
また監督がアジアの血を引く女性という事に更なる衝撃を受けた。
まあ、それ故の受賞なのかも知れないが。

自分もかつて5年ほどL.A.で生活していた事があるが、多くの白人が自分達は優れた人種であると言う認識を持っている事は否定しない。
そして中流未満のお金に困っている人々の中には職に就けなかったり、仕事が上手くいかないのは、口に出さないまでも、自分以外に問題があると思っているのは事実だと思う。

本作はそういう人達が思っている事を実際に行動に出したらどうなるか?という思い付きやすい発想の元に製作された映画であり、結末も至って凡庸で、チャレンジングな意欲作というよりもテーマ性のみで注目を集めただけの作品にしか思えない。

鑑賞後の感想(感情)は唯一「不快」の1点のみで少なくとも自分には何も残らなかったが、一つ言える事は、役者さん達がよくこの作品への出演を許諾したなあという事だけ。
インディーズを主戦場としている方々が多いようだが、その役者魂は賞賛に値すると思う。

特に論理的かつ冷静であろうとしつつも偏った主義主張を隠しきれず所々で露わにしてしまう主演のエミリー役(冒頭であのマーク入りのパイを子供に見せる〇キぶり凄い)と、犯行になるとイニシアチブを積極的に取ろうとするレスリー役の女優さんは強く印象に残ったので、僭越だが彼女達の為に星2つ献上させていただきたいと思う。

カツベン二郎