光をみつける ヴァイオリニスト穴澤雄介からのメッセージのレビュー・感想・評価
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多くの方に見てほしい良い映画。
今年227本目(合計878本目/今月(2023年7月度)13本目)。 (参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。 youtubeなどで検索すると、いわゆるyoutuber活動をされている同名の方を扱った映画です。一応、映画それ自体は厳密にはドキュメンタリー映画ではないですが、実質的にドキュメンタリーと解してよいのではないか、と思います。 当事者の方が監修しているという事情もあり、きわめて正確に描かれており、特に一般的に誤解されている「視覚障害をお持ちの方は点字をほぼほぼ理解して活用している」ということはない(映画内では「多くても2割」とのこと。総務省等のサイトでも12.6%という扱い))等、新たな学びがありました。 一方でyoutuber活動をされていることは知っていることは知っているので、そのyoutuber活動的な部分はあまりなく、同じくyoutuberで大きく扱われているヴァイオリン(フィドル)に関するお話が多いです。 これらの点に関しては音楽映画という扱いとも思えますが、音楽に関する知識はほぼ求められないので、そこも安全です。 確かに、例えば点字文化や白杖に関するルール等、この手の映画で取り上げられがちな部分についての説明が少なかった(ほぼない)のは残念ですが、逆にこの映画はそれよりもヴァイオリン(あるいは、音楽活動)の部分にウェイトがあると考えれば、そこまで減点幅もなかろうと思います。 なお、ナレーター役として元お相撲さんの舞の海の方が担当されていますが、なぜに多くのナレーター役がいる中で舞の海が選ばれたなどの点に関しては映画で示されています。 大阪市内では初回放映ということでトークショーとミニトークがありました。 障がいと言ってもいろいろな種別がありますが、同じ等級の中でも社会弱者となることが多い視覚・聴覚障害について、当事者からの映画(意外に少ない)作品が放映された点は理解できるので、かなり高い評価をしています。 音楽(ヴァイオリン)が好きな方はもちろん、視覚障がいの当事者の方、関係者の方など、何らか関連性が見出せるならおすすめの一作です。 なお、映画の評価として特に減点材料となるべき点はないので、フルスコアにしています。 (減点なし/他事考慮/大阪市で放映されるミニシアターの調整の配慮が足りない) 大阪市ではシアターセブン(シアター2。ナナゲイと実質同一館扱いなので、シアター3ともとることもできる)で放映されているのですが、いかんせん小さいビルの中のミニシアターで、通路も狭いシアターです。 その中で、映画の放映の趣旨として、当然の蓋然性で当事者(同じく視覚障がいをお持ちの方)が来られることは想定でき、実際に9割埋まりの中で4割ほどがそうだったのですが(よって、36%くらい)、通路すら1人通れるかどうかというミニシアターでこの映画を放映することのメリットが何なのか、正直見出しにくいです(シアターセブンを否定するものではない)。 大阪市であえて挙げるなら、シネマートが一番適しているのではなかろうかと思うのですが(心斎橋からの移動距離も短い)、このあたり、大阪市なり関西圏のミニシアターの中では当然「調整」はされていると思うのですが、相当な蓋然性をもって「当事者」の方が多数来られることが想定できる中で、バリアフリーという観点ではやや落ちる(通路が狭い、お手洗いが1か所しかない、エレベーターが3人しか乗れない等)シアターセブンというのは、ちょっと違和感を持ったところです(おそらくベストチョイスはシネマート、しいて2番手をあげるならシネリーブル梅田)。 ※ tohoシネマズなどは大手シネコンであり、映画の放映前に火事発生時の対応などの説明がありますが、ミニシアターは概して説明がすくなく(説明義務が法上ない模様)、その中で、「通路が1人通れるかどうか」「エスカレーターに3人しか乗れない」といったミニシアターを「ファーストチョイス」で選ぶことの積極的意図が見出せず、ミニシアターどうしの調整不足というそしりは免れないのではなかろうか、と思います。
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