To Leslie トゥ・レスリーのレビュー・感想・評価
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観たい度○鑑賞後の満足度◎ 前半だけ観ると、どっしょもないアル中女の鬱陶しい話だと思うが、ラストまで観たら実はアメリカ映画伝統の母物だと分かる。アンドレア・ライズボロー入魂の名演技。
①大好きなドリー・パートンの歌で始まったので一応掴みはOK。
②(高額の)宝くじに当たったら人生が狂う、とよく言うけれど正に人生を狂わしてしまった女性の話(二千数百万円という金額は人生が狂うにはチト足りないと思うが、全部呑み倒したとするにはある程度説得力はあるのかな?アメリカ人の酒量は日本人の酒量の比ではないから?私は酒好きではないのでよく分かりませんが…)
ただ、「こうなったのは誰のせいでもない自分のせいだろ」という厳しい視点を貫いているのは好ましい。
自分の境遇や巡り合わせの悪さをすぐ人のせいや、環境のせいや、社会のせいにする人がいるが、60数年生きてきた経験から思うに、その2/3はその人自身のせい(性格とか考え方とか人との接し方とか、まあ諸々)。
レスリーがスィーニーに“全部自分のせいだろ”と言われて激怒するのも痛いところを突かれたから。
③レスリーがドン底まで落ちる前半に比べたら大甘とも言える後半だが、一つの「宝」に出会い対処を誤ったことで人生につまづいた人間も、別の「宝」に出会ってそのチャンスを大事にすれば立ち直れる、ということを対比するという意図であればこの構成も分からなくはない。
また、どんな人間にも手を差しのべてくれる人が現れるということを描きたかったのかも知れない(私の人生にも手を差しのべてくれた人が何人かいました。ただ、私の場合ラッキーだったと思うので、実人生・実社会はそんな甘いもんではないとは思います。)
④アンドレア・ライズボローの演技はほぼ完璧。と言うか、役を演じているというより、役を生きていると言った方が良いだろう。
特に、ダイナーを開店したのに客が一人も来ず、“やはり私は何をやっても駄目”と思ったか、ロイヤルの酒をくすねて呑もうか呑むまいかと思い惑うシーンの演技は素晴らしい。
⑤このシーンの後は正にドラマ好きとしては「もうこの展開しかないでしょう」と思う通りのベタな展開となるが、そう思った瞬間から泣いてしまった。私も甘ちゃんです。
⑥アリソン・ジャネイもいつもとは違う印象の憎まれ役ながら、さすがの演技力でラストを締めている。
⑦全編に流れるC&Wの歌が良い感じで本作の好感度を上げている。
追記:最近のこの種の映画にはありがちなセックスシーンが全く無いのもある意味新鮮。
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