To Leslie トゥ・レスリーのレビュー・感想・評価
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悪癖を持つ人は宝くじなんか当たらない。
酒場で一人歌を聞く。
『ここが本当にいたい場所なのかなぁ?』
『人生をしくじったら、それは全部君の問題だ。他の誰でも無い』レスリーはミドルフィンガーを立てて返す『クタバレ!』
酒場で一人酒を飲もうとする。『一人で酒飲むなんて大罪だよ』と男。その男が『何かに乾杯する?』レスリーは『良い事は何も(NOTHING GOOD.)』
その後、彼女は酒を飲まなかった。
〇プリンタ〇ズ・ステ〇ク〇で
4番、2番で万馬券を当てた。数少ない友人にその話をすると、母親の命日が1月3日で、
1月3日母が亡くなったので、
13.4.2と三連単を200円買ったそうだ。
彼はその金で車を買った様だ。泡銭で酒飲んで身を滅ぼす事は絶対に無い。その前に死ぬだろう。従って、この映画はアルコール依存症からの寓話的脱却である。でも、その流れに矛盾が少ないので共感する。
ピンクのスーツケースが家からロックアウトされる時は彼女に取って良い事無い始り。でも、モーテルでドアの前に無くなったはずのピンクスーツケースを見つける。
いつもとは違った。
彼女はそのスーツケースを持ってドアの鍵を開けるのだ。
地味で観る事を迷ったが観て良かった。
所謂アルコール中毒の話で、当たり前なのかも知れないが、海外でも日本作品で見る中毒者と周りとの関係は同じような感じなのだなと思いつつ観たが、最近のマイナー邦画にありがちな理解している(つもりの)自分に酔った、自分は他者と違いこういうものにも理解があります風な勘違い映画と違い、観客に押しつける事なく、淡々と客観的に状況や心理変化を見せていてとても良い。
何度か涙が流れたが、観終わった後嫌な気持ちにならない作品なのも良かった。
宝くじで人生外れても…
宝くじ高額当選は誰しも夢である。
もし当たったら、まず引っ越すね。今住んでるアパートは古いアパートなので、いいマンションに越したい。
億単位で当たったら、仕事辞めるね。結構お金で苦労してきた人生なので、自由気ままに暮らしたい。
…と、夢妄想だけは限りなく。
でも、2500万円の当選だったら…?
確かに普通に暮らしてりゃなかなかお目にかかれない大金だが、それで人生悠々自適には…。
使い道を間違ってしまったのが、本作の主人公。
シングルマザーのレスリー。
宝くじ19万ドル(約2500万円)に当選するも、ほんの数年で使い果たす。
お酒に…。
以来まともに働きもせず、自堕落の日々。
宝くじが嘘のように、借金も。
行き場を失って、息子や知人を頼るが…。
宝くじ高額当選してその後人生狂った人の話は聞いた事あるが、この主人公の場合は…。
お酒に溺れ、人生ダメにしたのは自分のせい。
助けに船。そこでもお酒を飲んで迷惑掛けるんだから話にならない。
息子は見た目はチャラいけど、いい奴。知人は言う事はキツイが、レスリーがこんなんじゃキツイ事もそりゃ言うわな。
もし自分が宝くじに当たっても、お酒に消えたり、自堕落になんて…と、実際にその状況でないから言えるのかもしれない。
お金は麻薬。怠惰は中毒。
共感は一切出来ない主人公だけど、アンドレア・ライズボローの熱演は大いに見もの。
当選した時の大はしゃぎっぷり。現在の落ちぶれた醜態丸出し。感情のアップダウンも激しい。
決して真っ当な性格じゃないけど、一挙一動からは目が離せない。
確かにオスカーノミネート級。一騒動あったのは不運だった…?
それでも彼女に再び助け船。
モーテル従業員のスウィーニーが仕事を紹介。
真面目に働くが、やはりお酒の誘惑には…。
これまでなら完全に呆れるが、スウィーニーは見捨てようとはしない。
ベタだが、人間誰しもやり直せる。そのきっかけ。中年男女に芽生える恋模様も滲ませて。
どん底まで落ちて、再起。
よくあるっちゃあよくある話。
その描き方次第で佳作か凡作かになるが、本作は…。
スウィーニーとその友人ロイヤルの協力を得て、ダイナー経営で再スタートしたレスリー。
オープン日。客は一人も来ない。まあ、そんなもの。
閉店間近。思わぬ客が。ある人物を連れて。
本当に人生はやり直せる。失われたと思われた絆も。
しみじみ余韻が残るいいラストだった。
酒をやめれたのはキッカケが分かりにくい。 凄い良いポイントなのに。...
酒をやめれたのはキッカケが分かりにくい。
凄い良いポイントなのに。
レスリー役の人、同い年とは。(1981年生まれ)
白人なのにとても若く見える。
アメリカのバーにはセットというとビールとテキーラ?が出てくるのか。
なんちゅーセットやねん…。
ローカルで生々しいアメリカを見れた気がする。
「あの事は許さない。でもこれ以上(あなたのとの関係で)苦しみたくない」
いいセリフだった。
未来志向の、残酷で素晴らしいセリフだった。
綺麗なお母さんは好きですか
全米単館上映からアカデミー女優候補にまでなった話題作。主演のアンドレア・ライズボローさんは42歳、立派に成人した息子がいるアル中のシングルマザーにしては可愛いすぎる!けどその「オンナ」を売りにするわけじゃなく(少なくともそんなシーンは少なく)更生して行く…何度も何度も観客に「飲んだらあかん!」って心で叫ばせながら。
場末の映画館でもそこそこのお客さん、皆満足そうな顔でした。もちろん僕も。おばあちゃんありがとう!
【”19万ドルの宝くじに当選したシングルマザーの息子は”母さんの為にダイナーを買う!”と町の皆の前で誇らしげに言った。今作は王道の喪失と再生の物語であり、ラストは可なり沁みる作品でもある。】
ー 今作の主人公、レスリーを演じたアンドレア・ライズボローは「オブリビオン」でその美しさに驚き、以降ほぼ総ての出演作品を観ている。端役が多いが、存在感ある女優さんである。
だが、今作の彼女は、アルコール依存の役故に眼の下には隈があり、品の無い真っ赤なルージュを唇に塗り、常に悪態をついている。
そのギャップに可なり驚くが、今作の彼女の演技に対し、ケイト・ウィンスレットは”私の人生で観た最も素晴らしい演技。”と評したと言う。-
■アメリカ地方都市に住むレスリーは、彼女がシングルマザーだった若き時、宝くじで19万ドルの大金を得ていたが、6年後、その金はほぼアルコールに消え、彼女はアルコール依存になっていた。そして、家賃滞納で家を追い出され”ピンクの旅行鞄”と共に息子のジェームズの家を訪れる。
だが、彼女の悪癖は治っておらず、ジェームズの同居人の男から金を取り、”呑むな”と言われた酒をこっそり飲み、ジェームズの家を叩き出される。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・どうしようもない母親だが、高額宝くじに当選した人は、ある割合で身を持ち崩すというデータを観たことが有る。特にそれは貧富層に多いという。
・レスリーは高額当選した町に舞い戻るのだが、小さな町ゆえに彼女が犯した愚行は、町中の人が知っており、彼女は揶揄いの対象になる。且つては友人だったダッチやナンシー(アリソン・ジャネイ)からも・・。
ー レスリーが当選当時はやっかみもあったのだろうな。その反動であろう。但し、ナンシーはレスリーが置いて行った幼きジェームズの面倒を見ていたためか、彼女に対する態度は更にシビアである。だが、これが再後半の効いてくるのである。-
・レスリーがいつも持ち歩いていた”ピンクの旅行鞄”の中に入っていたモノ。
ー それは、古ぼけた息子の手紙であり、幼き息子が写っている多くの写真であった。ー
・ダッチとナンシーの家に一時的に入れて貰うも、直ぐに喧嘩になり、行く当てを失った彼女はスウィーニーとRSDの遣り過ぎで時折オカシクなるロイヤルが経営するモーテルで働く事になる。
ー それでも、寝過ごしたりしているが、徐々に部屋の清掃をしているうちに生活習慣が戻って来るレスリー。だが、夜になるとバーに出掛ける日々。
自分の犯した過ちが許せずに、世間に怒りを叩きつけるレスリーの姿。
そんな彼女を献身的に支えるスウィーニー。彼も又、妻と上手く行かずに屈託を抱えていたのである。-
■白眉のシーン
・6カ月が過ぎ、レスリーは人生をやり直そうと、モーテルの敷地の中に有った建物をダイナーに改装する。
だが、夜になっても誰も来ない。レスリーはロイヤルの服から酒を取り蓋を開けるも、匂いのみ嗅ぎ、ギリギリ呑まずに堪える。彼女はその前にハイになってパンツで駆け回るロイヤルの姿を見ているのである。
そして、閉店しようとしたときに、ナンシーがやって来る。彼女が言った言葉”謝るよ。アンタの姿を見て楽しんでいたんだ・・。”そしてナンシーはレスリーが町を離れた時に別れたジェームズを店内に入れるのである。
漸く訪れた親子の時間。
嬉しそうにスパゲッティを息子に出し、カウンター越しに二人は抱き合うのである。
且つて”母さんの為にダイナーを買う!”と言ってくれた息子に、自ら立てたダイナーで食事を供したレスリー。彼女の表情は晴れやかさで、満ちているのである。
<今作は、正に王道の喪失から再生の物語であるが、それを支えているのはレスリーを演じたアンドレア・ライズボローの圧倒的な演技である事は間違いないのである。>
<2023年8月5日 刈谷日劇にて鑑賞>
ラストの愛おしさが一気に昇華する作品です♪
宝くじで高額当選するも有頂天になったことで酒に溺れ、周囲から見放され、行き場を失ったシングルマザーの葛藤と立ち直る姿を描いたヒューマンドラマ。
主演のアンドレア・ライズボローが第95回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされ、注目された作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと…個人的には良作だけど…まあまあw
ベタといえばベタ。有頂天からどん底に。そして再び立ち直ろうとするドラマは観ていて嫌いではないがあまりにも自業自得感が強いのと掌返しが観ていて怖くなる。
ただベタであってもアンハッピーエンドは個人的に苦手なのでこれはこれで良いかと。ただ観終わった後は疲れますね。
宝くじが当たったことをレスリー自身が周囲に言いふらし、金銭感覚が麻痺したことから始まる訳で突然大金が舞い込んできたらこうなるかも?と言うのは分からなくはない。
それでもここまで落ちぶれて、人としての信頼を失うのか?と言うのがにわかに信じられないくらい。
また実年齢よりもかなり歳を食った感じで不摂生が漂っている。
大金が舞い込み、有頂天になり、金の全てを酒に注ぎ込み、アル中になり、住む所を追われ、ホームレス同然で息子のところへ転がり込むも約束をことごとく破り、息子にも見放され、頼った友人にも悪態をつき、もうどうにもならないくらいになってしまったレスリーをアンドレア・ライズボローが熱演。
それがもうリアル過ぎて、淡々とした重苦しさの中に様々な感情が燻った暴動寸前のような空気感に暴発寸前の思いが吐露される。
だからこそ、最後のダイナーのシーンが慎ましくも愛おしいんですよね。
圧巻の演技にアカデミー主演女優賞にノミネートされたのも頷ける。
また個人的にはスウィーニー役のマーク・マロンとロイヤル役のアンドレ・ロヨがいい感じ。いろんな勘違いがきっかけにレスリーを雇い入れるがこの作品の優しさの部分は間違いなくスウィーニーとロイヤルが担っています。
ナンシー役のアリソン・ジャネイはレスリーの友人との事ですが、最初見た時は”実の母親?”と思ってしまった。 友人にしてはちょっと老け過ぎな感じw
良質な作品であることは間違い無いんですが、些か観る側にエネルギーが必要で観終わるとちょっと疲れた感じがしますが、それはヘビーなストーリーに負けないアンドレア・ライズボローの熱演も賜物。
個人的には今年のアカデミー賞は受賞するかどうかは置いといて「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」のミシェル・ヨーには負けてないかと思うんですが。(「TAR/ター」のケイト・ブランシェットには勝ってるとは思えないけどw)
観る側を多少選ぶ作品な感じで万人に受けるとは思えないがこういった作品が観る側の鑑賞の幅を広げてくれるんですよね。
第95回アカデミー賞で「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の大無双は些か出来すぎと言うか、個人的にはちょっと納得のいかない部分があるのでノミネートされた様々な作品を観て、いろんなポイントを探すのが楽しい。
重くやるせない思いにレスリーが出会う周囲の表情が冷たく突き刺さる。それでいていろんな感情の流れに目が離せなる。とにかく、ラストのダイナーのシーンがとても良いんですよね。
それに救われる気持ちが一気に開花する良質な作品です♪
素晴らしかった
自分の縁者にも金遣いが荒くて生活が破綻しがちな女性がおり、彼女と主人公が重なって見えて冷静でいられない。それはそうでしょうね、などと冷淡に見ていたら理解ある彼が現れる。私の縁者にもそんな存在が現れてくれたらありがたい。しかし彼らも、ポンコツどうしで寄り添っていて泣ける。アルコール怖い。酒は飲んでも飲まれるなだ。ダイナーでナンシーが来て謝る場面が切ない。
宝くじ当たる方が不幸?
シングルマザーやアル中になった経緯も
よく分からない。
ただただダメ人間で典型的な毒親であるため
全く感情移入出来ないし
同情の余地もないし、嫌悪感しかわかない。
「この子に素敵な物を!」って言ってたのに
マイホームも手に入れたのに🏠
全てを台無しに…。
毎回決まった数字は大切なものだったのに。
アカデミー賞主演女優賞に初ノミネートされた
レスリーを演じたアンドレア・ライズボロー🏆
酒に浸り、まともに食事もしないレスリーは
演技ではなくて、ライズボローそのものなのかと
思ってしまうほどまさに迫真の演技😤
いや、絶対主演女優賞取れたでしょ、これ😫
物語の8割は最低な女のままなんだけど
「性」にだらしない女ではなかったのは好感度⤴︎⤴︎
そしてその手のシーンがないのもいい。
予定調和ではあるものの
「決意」してからのレスリーの踏ん張る姿を
いつの間にか応援していた📣✊
人を支え救うのには
「愛」がいちばんだ。
まさかの
とてもいい作品でした。
あなたの人生はあなたの責任だ、というような言葉があるのですが、その言葉が印象に残りました。
たった一人の信頼でも、人を支えてくれるのだなあと感じました。
息子は母の好物を忘れない
ガーンと大音響ドリー・パートンで始まりいかにもアメリカの田舎町の家族写真。宝くじに当選したレスリーへのテレビのインタビュー。
このインタビューのビデオには続きがあり、息子ジェームズの部屋にあったギターや最後小さなダイナーをオープンする動機の種明かしとなる。
宝くじを無駄に使い切り無惨なホームレス同然となったレスリーには痛い映像だが、結果としてそれが再起を促すのだ。きっかけはすべてスウィーニー。映画に流れる音楽の歌詞ではやたらと天使が佇み見守っているようだが、スウィーニーがまさに天使であり、スウィーニーをおそらく救済した天真爛漫なロイヤルも天使であろう。バプティスト!と冗談をいう教会通いに熱心だったレスリーの母親、牧師にアル中になった妻を寝取られたスウィーニー、と、日本にはない日常に密着した信仰があり、一人一人は自分の契約を生きているので過剰な干渉には自分の人生口出すなと啖呵も切るし染みついたレベルの信仰があるから、許せないことや手を差し伸べようとすることもあるのだ。
舎町を出て小さな都会に暮らす息子はまだ若いが自立して建設現場で働いておりルームシェアをして多くの日米の若者がそうであるような慎ましい質素な暮らしで生計を立てている。ホームレスになった母親から電話が入り6年ぶりの再会。その後、隠れて酒を飲むアル中の母親を全く理解することができない。(当然だが)ジェームスが、自分はまだ未成年で酒を飲むこともできないのに…と。母親に怒りと苛立ちを見せる。6年会っていなくて、まだ未成年???え???となり、地元のレスリーと同級生のナンシーから、あなたが息子を捨てたのは彼がまだ13歳の時、と聞いて、計算があい、13歳で息子を捨て出奔したのか、と、母親の窮状より息子の苦労に思いを馳せるし、ナンシーが執拗にレスリーを攻め立てるのも合点が行った。
ネタバレだが、最後は、ええ??というくらいの、ほのかな薄明かり、愛と天使の存在を信じたくなるハッピーエンド、人生やり直しOK、希望を持って、ということになるのだが、田舎町の人々の暮らしぶり、それぞれにリアル。
息子を訪ねに行くバスの中で臭っただろう、迎えにきた車で臭かっただろうくらいに、ズタボロに汚くなってしまったレスリー、アル中になりホームレスになったことを言わない母親に、息子のジェームスが、中華買ってくるよ、まだワンタン好き?ときく微妙な優しい気質滲み出るジェームスのセリフと表情に泣いた。 一緒に服を買いに行く、上の空の母親に、肩のところがリボンになってるタンクトップを選ぶのでまあアメリカだし、と思ったけど選んだ息子はまだ19際だったのね、と後から後からいろいろ納得。母は最後の方でネタバレされる息子のギターを部屋に見つけ感慨に耽る。
この映画には、天性の、まさに天から与えられた無償の愛を捧ぐべく存在する(出来なかったけど)天使ジェームスと、人としての痛みを知るものでありまたこれもまあ天性の、素敵な性格なんだろうけどレスリーに過剰に手を差し伸べ一緒に生きていこうとするスウィーニーと、そして、バーで知り合う謎に<ゴージャスな><ナンパ男>瞳キラキライケボの男あれはほんとの天使だったんじゃない?と3人の天使プラスハレハレクリシュナをターンテーブルにセットしているぶっ飛んだロイヤルもね。なんと人生立て直すのに、四人の天使が必要で、とにかくレスリー役の女優の迫力、リアル、天使たちやナンシーもみな存在が人生を存在が社会を物語るレベルに素晴らしい。
で、スウィーニーは天使なんだけどほんとは天使じゃない、彼はリアルに等身大のレスリーに理由もわからず惹かれてしまう、下心とかじゃないし最初は恋愛感情でもないと思う、この、人間らしさの象徴である、名前をつけれない把握できない感情、なんだかわからないけど出会ってしまったという微熱感。これがレスリーを救いスウィーニーをも救いナンシーもジェームズも救うのだ。
日本もなんだけど、アメリカも貧しいのだなと思った。
田舎町の息苦しさと、それでも小さい頃からみんな知ってる、諍いも助け合いもある良くも悪くも共生する共同体。
最後は、バグダッドカフェ、、と思いました。
本作は名作でもっとたくさん上映館があるべき作品。
、
米国テキサス州の小さな町。 シングルマザーのレスリー(アンドレア・...
米国テキサス州の小さな町。
シングルマザーのレスリー(アンドレア・ライズボロー)は、ナンバーズ宝くじに高額賞金(19万ドル(2500万円ほど))当選して町の有名人となり、人生の再起を賭けたが、近隣住民へ振る舞い(特に酒として)、自身の飲んだくれによって、あっというまに賞金はおろか住むところまで失ってしまう。
6年経った現在では、安手のモーテルで寝泊まりしているが、それも宿泊代金が払えなくなって追い出されてしまう。
一旦は19歳の息子のシェアルームに身を寄せるが、シェア者の金を盗んで飲み代に変えたせいで、同居することができなくなる。
仕方なくたどり着いたのは、もとの町。
ほとんどホームレス状態だったのだが、たまたま野宿した安手のモーテルの駐車場で中年従業員のスウィーニー(マーク・マロン)と出逢い、彼がモーテルの共同経営者だったことから、レスリーは住み込み従業員としてモーテルで働き始めることになる。
とはいえ、順風満帆にはほど遠く、彼女のアルコール依存癖は止まず、また、彼女の過去を知る街の住人たちは、微妙に、時にあからさまに彼女を叱責・排除・笑いものにする。
が、彼女の過去を知らない、他所からの移住者スウィーニーは、可能な限り優しさをみせて、彼女と接する・・・
といった内容で、女性の生きづらさのドラマのようにみえて、その実、オーソドックスなアメリカ映画。
つまり、「生きてりゃ、そのうちいいことあるよ」。
そういうことを、かつてのアメリカ映画では繰り返し繰り返し描いてきた。
なので、個人的には、「あぁ、懐かしい類の映画だなぁ」と感じました。
ま、兎にも角にも、アンドレア・ライズボローのダメダメ人間演技が堂に入っているのに圧巻されるわけだけれど。
本作、彼女にとって、シルヴェスター・スタローンの『ロッキー』のような作品になるかもしれません。
『ロッキー』がアメリカンニューシネマ末期に登場した古きアメリカ映画の伝統という意味で、本作も超人ヒーロー映画全盛の米国映画界で登場した古きアメリカ映画の伝統という意味で。
なので、悪いひとは登場しません。
一見、悪く見えても、その実、優しい・いいひとなわけです。
2023年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨
まるでカントリー・ソングの世界をそのまま映像化したような作品で、ちょっと感激というか、感動しましたね…笑
レスリーが1人酒場で聞く、"ここはお前のいる場所じゃない"と歌われる場面は、この作品のハイライト・シーンでした(歌ってるの誰?ウィリー・ネルソン?)。
都市部を除けば、実はアメリカで1番よく聴かれているのは"カントリー"なんだ、というのを昔聞いたことがありますが、レスリーの息子がギターを欲しがる理由も、ロック・スターではなくウェイロン・ジェニングスに憧れて…というのがリアルでした(カントリーの世界はあまり知りませんが…)。
カントリーのバラードって、まるで物語を語るように歌われる曲が多い気がしますが、この映画作品も、ある女性のストーリーをそんな語りでもって聞かされているような、そんな気にさせてくれる"ハード"ながらも、どこか心地良い作品でした笑
ラスト、レスリーの友人ナンシーがレスリーに謝罪する場面は感動的でした…この作品の寛容さがうかがえてとても良いシーンでした(ダイナーで息子とハグする場面は、もう予想が出来てしまってあまり感動しませんでしたが笑)。
個人的、今年一推しの作品となりました。
オススメ!笑
(シネコンの大きなスクリーンでぜひ観たかったなぁ…残念!…て言うか、この映画の上映館、全国的にも少な過ぎやろ!なんで?笑)
*主演のアンドレア・ライズボローの演技が良かったですね…彼女、イギリス人なんですね笑
とりあえずタバコをおけ!!
ちょっと前に観たんですけどね。中々レビューしずらい作品でした。
個人的に近しい人間にお酒で迷惑をかけられた事があるので。。ムムム〜
単館上映からアカデミー賞主演女優賞ノミネート!まできた本作。アンドレア・ライズボローは勿論、アリソン・ジャネイの素晴らしい演技は鳥肌モノです!!
ストーリーは無料パンフでもわかる様に、宝くじ当選→使い切ってアルコール依存→落ちぶれ→再生。。とまぁ目新しさはないし、特に大きな事件なども起こらずです。
当選からアルコール依存症に至るまでがほぼ描かれていないので、そこは想像してね。って事なのですが、ここをもっと描いてほしかったな。
その代わり落ちぶれている時期がたっぷり描かれており、もう嫌悪感しかない。嫌いなんですよねぇ、想像力のない人。。ちょっと考えろよ!シンママなんでしょ?!しっかりしろよ!!と。。
当選した時「この子にステキな物を!」って言ってたじゃん!何だよこの様は!と、全く共感出来ませんでした。まぁそれ程までにアンドレア・ライズボローの演技が凄まじいのですが、、、
そして落ちぶれた原因となるきっかけが、精神崩壊する程の出来事があったからではなく「宝くじ当選」ってのが、なんとも哀しい事です。。
キーとなるアルコール依存症。鴨志田さんの「酔いがさめたら、うちに帰ろう」を読んだ時の衝撃が忘れられません。鴨ちゃんのお人柄とサービス精神で面白おかしく描かれているけど、恐ろしさが痛いくらいだった。そしてきっかけとなった戦争も。。
涙なしでは読めなかった。
本当にこれって一生付き合っていかなければならない問題でしょ?1人で克服なんて出来ないし、念願だったダイナーオープンで良かったね♪とは思えませんでした(T . T)
挫折し、落ちた時に「助けがあるという希望」もあって欲しいと思ってはいるし、ジェームズ、スウィーニー、ナンシーらの愛は立ち直るきっかけになってはいるが。ご都合主義やしないか?と思う私は冷たい人間なのでしょうか。。
そして、、ジェームズの「マリ◯ナは吸ってかまわないけど、酒をのむのは許さない」発言。昨今のアメリカの認識なのでしょうか?
ニホンジン ニハ ワカリマセン(°▽°)
マーク・マロンのお顔がとてもタイプでした♡どんだけ優しいのよ。
To Leslie レスリーへ
子供の頃ジェームズが書いたボロボロのあの手紙が読みたかったな。
オープニング
古い指紋だらけの写真が次々とズームイン。
なんだかそれだけで切なくなってしまった。
大金を手にして絶叫して興奮する母親。
その横にちょっと暗い表情の息子。
彼から目が離せない。
そして6年後。
たった6年か、と。
大金を使い果たし追い出され、息子と元へ。
友人とのシェアルームなのによく住まわせてあげたなぁ、と。
心優しくそして仕事も真面目に頑張っている息子。
それなのに、1日さえも約束を守れず、友人のお金にまで手をつけるという、恥さらし。
どこへ行っても嫌われ、不審者扱いなのも当たり前。
一応?日中は素面なのが不思議。
あちこち迷惑をかけまくっていたのが、ある日息子の幼い頃の写真を見て改心。
そこがどうなんだろう…だったらその前もいくらでもチャンスはあったのにな、と。
レスリー役の女優さんの演技がすごかったので、星は多め。
でも、展開としては普通なのかな。
自分で立ち直ろうと思ったきっかけがわりと普通。
これから何度も挫けそうになるかもしれないが、とりあえずスタート出来たということで、よかった。
というか、あんなに良い息子に顔向けできないことはやるんじゃないぞ、と言いたい。
後半巻き返した👍🏼
自分もダメなB面の時は無愛想で(発達的な?独自のこだわりを優先しがちで>)他者への優しさに欠け、口調がキツかったりするところがあるので、そんなB面に反面教師な良い刺激を与えられたら〜と勝手な期待を抱いて本作品を鑑賞してみました。
ところが出だしから〜ハートをまったく掴まれず〜早速に寝落ちしてしまいましたん😪
目が覚めたらレスリーが家を追い出されて悪態ついてましたん🤬
着の身着のまま荷物片手に追い出されてやってくて無理やろ〜🤷🏻♂️ 自分がもしそんな風になったらと想像するだけで身につまされる〜🤦🏻♂️
その後も私が痩せ型でヒステリックな人が苦手だったり、なんやかやダメな酒🥃の展開で主人公の心情に寄り添えず〜個人的に外れ作品だったか〜と諦め掛けていたところに救世主のおじさん登場(同性愛者ではなかった)。
出来過ぎた展開かもしれませんが、結局は本人の頑張りも勿論あってのことですが、周りの人々からの(裏返しも込みの)愛情ある関わり合いのお陰で、ラストは勢いで⭐️4評価にしそうなほど後味の良いエンディングを迎え〜めでたし🤝🏻めでたし🫂なのでしたん👏🏼
主役の🇬🇧女優さんは🇯🇵でいうと大竹しのぶさんあたり?全然違う?😅
クソッタレな貴方へ
アカデミー賞ノミネート作品の殆どが日本に上陸し、今作も遅くはなったものの無事に日本へ。アカデミー賞との相性はすこぶる悪いですが、今作はいかほどに。
心にぶっ刺さるものがありました。主人公の難のある性格をアンドレア・ライズボローさんが見事に演じきり、自ら落ちた絶望から何人もの人の手を借りて立ち直り、特大ではないけれど、小さな幸せを手に入れるまでをきれいに描き切っていたなと思いました。
シングルマザーのレスリーが19万ドルという大金のほとんどを酒に使い果たしアル中になり、身近な人から家族にまで見放されるという自業自得ですが、辛く引きずる展開から物語は紡がれていきます。
レスリーが底抜けのないクズで、周りの人達が優しいというのもあってかそのクズさがより一層際立っていました。感謝の言葉は言わないし、嘘はつきまくるし、悪態はつきまくるしで、後半に突入するまでの好感度は地を這っていたと思います。
後半になってもその好感度は上がる事はありませんでしたが、周りの人の優しさに少しだけ感謝し出して、人としての成長をほんの少しですが感じ取れたのが良かったです。
ラストシーンでの自身の店の開業、息子との再会、バックに香る煙の匂い、小さい場面なのにこの作品の多くが詰まっていたと思います。
今作の功績は間違いなくアンドレア・ライズボローさんの熱演でした。「ルイス・ウェイン」の姉妹役で見た事はありましたが、今作での表情や仕草、行動などが本当にクズな母親を体現していてとても良かったです。
周りの人たち人たちも呆れたり、見捨てたりはしつつも、どこかでレスリーの事を信じていて何度も手を差し伸べる様子も本当に良かったです。マーク・マロンさんの優しい表情、オーウェン・ディーグさんの葛藤に満ち満ちた表情、全役者の表情に惹かれるものがとても多かったです。
音楽もとても良くて、影を落とすストーリーとは真逆のとても明るい音楽たちが映画全体をグラデーションしてくれていました。
生きることの難しさ、生きることの大変さ、生きている上で遭遇してしまう苦難や葛藤、1人の女性の人生の人生の淵を追体験しながらも、少しだけ這い上がるため一歩進む力強い物語を観ることができました。導入の胸糞さとは全然違う爽やかな気分で劇場を出ることができました。こういう力強い作品がアカデミー賞のタイトルを
もぎ取って欲しいなと思うばかりです。
鑑賞日 6/29
鑑賞時間 11:30〜13:40
座席 E-12
うーん😔どんな時も見方はいて欲しいけど…
宝くじが当たり🎯有頂天になって、フツーの暮らしが出来なくなったシングルマザーの話
宝くじが当たったことも幸せだけど、それ以上の幸せを最後は見つけられたんだが…
もしも宝くじが当たらなかったら、あの女性はどうなっていたのか等々考えルが、答えは分からない
本当の幸せは以外に身近なところにあると言いたかったのだろけど…
人との繋がりは大切なんだけど、その人を見る目も中々ね〰️
落ちるところまで落ちたシングルマザー
なにかの統計であったように思うのですが、高額宝くじに当たった人の実に6割が6年後に自己破産している。映画『To Lesile トゥ・レスリー』は、運命のいたずらに翻弄されて落ちるとことまで落ちた人間の物語。アメリカのプアホワイトがここにも出てくる。
当たった高くじが19万ドル 2500万円というのが微妙
テキサスのシングルマザーの主人公が当てた高くじ。
金額が微妙だよね。
ちょっとはめはずすとすぐなくなってしまいそうな金額。
案の定浮かれた主人公は、6年でお金を溶かしてしまう。
あげくのはてに、13歳の男の子をすてて逃亡。
酒に溺れる毎日。
どの顔下げて、息子や友人に泣きつけるかなと。
しかし、福祉の救済の貧困なアメリカのこと。
そこに頭下げるしかない。
主演アンドレア・ライズボローのあばずれぶりがいい
底辺まで落ちて、誇りもなにもかもなくなったアバズレを演じきった。
しかし、アメリカ南部テキサスの村社会を実感させるよね。
それと、安酒場の荒くれた雰囲気。
実際にこうなのかな。
日本の居酒屋の様な、和む感じがない。
ただ強い酒と卑猥な話、喧嘩。
ある一定層の庶民を描いている。
おおよそ、アメリカに対する憧れなんか生まれてこない。
アメリカに、はっきり存在する階層の格差。
多くの庶民の属する階層は、そうお行儀はよくない。
ただ、さすが南部と思わせるのは、いくばくか保守的教会の存在を感じさせるところ。
さあ、どう立ち直るのかな
ここが、この映画の見どころ。
日本のような、セーフティーねっとなどない。
保守的な教会が未だ影響力ということは、彼らの考えは、金がないなら働け。
根本主義的聖書の解釈とはそういうもの。
だから、アメリカは困窮者に対する福祉という考えは弱い。
さあ、彼女はどうはいあがろうとするだろう。
アメリカンドリームなんて死語。
一度踏み外した人生。
宝くじにさえ当たっていなければ。
実に世の不条理である。
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