劇場公開日 2023年6月23日

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「個々理解はできるが、では何を述べたいのかという点はやや微妙…?」To Leslie トゥ・レスリー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0個々理解はできるが、では何を述べたいのかという点はやや微妙…?

2023年6月24日
PCから投稿

今年209本目(合計860本目/今月(2023年6月度)34本目)。
 ※ エスカレーター逆走トラブルで、最初の1分の視聴が漏れています。

いわゆる「数字選択式宝くじ」で18万ドルだったか19万ドルだったか1等をとった女性のその先を述べる映画です(宝くじのあるべき姿、等は論点になっていません)。

 ※ 日本円に換算すると、およそ2600万円になりますが、これは日本では、ミニロトの1等の法律上の最高金額に似ます(法律上2000万円/ただ、理論上の話で、現在ではネットで購入できるようにもなったので、1等独り占めで2000万円に達することは少ない)。もちろん宝くじのシステムは国によって全く違いますが、日本ではこれより難しいロト6、7もあるので、映画内で参照されている「数字選択式宝くじ」もそういったものなのでしょう(つまり、選ぶ数字の幅と個数で難易度が違うものが売られている?)。

結局のところ多くの方が感想で書かれている通り、宝くじに当選したことと、アルコール依存に関して直接の関連性が見出しがたいのですよね…。つまり、アルコール依存症が論点であれば、成人していればアルコールなんてコンビニなりで買えますので、適度な範囲で購入することはできるためです。19万ドルが当選して湯水のように無茶苦茶に飲みまくったからなのでしょうか…(ここって直接的な言及ありましたっけ?)。むしろ、当選していろいろな人におごり「すぎた」結果お金が一気になくなってしまい(宝くじの種類としては上述した通り、ミニロトと同程度)、いわゆる「お金の尽きが人脈の尽き」ともいったりするように、そうした部分から派生したアルコール依存を描きたかったのではないか…と思えます

むしろ、個人的な見方はアルコール依存うんぬんというように映画内では描かれているものの、そうそうに使い果たしてしまい人脈もなくなってしまった人が一気に孤独感を抱えて精神的に病んでしまったという点が「かなり」大きいのではないか…と思えます(正直、日米で多少の差はあっても、2600万円程度だと、新しい家を買ったとかちょっと豪華な車を買ったくらいで簡単に消えます)。

あるいは、「宝くじは計画的に購入しましょう、仮に当選しても使い道などはよく考えて、各種の依存症になったり、人間関係を壊すことがないようにしましょう」という趣旨の啓発映画ではなかろうか…とさえ思ったくらいです(その筋も一応通りそう…)。

まぁ、日本とアメリカだと文化は違うし、例えば日本ならアルコール依存に関しては現在では診療所(病院と診療所は明確に違います。よく「病院に行く」というのは、実際は診療所のほうが多い)のレベルでも「依存性の疑いあり」で、早め早めに断酒会なりダルクなりにつながるシステムが今はできているので(そして都道府県なりの行政もそうしたものは積極的に紹介しています)、日本とアメリカではこの辺の文化が違うのかな…というところは正直思いました。

とはいっても、採点対象としてこれらの点、日本とアメリカはこういった制度がかなり違うので(日本のほうが概して分厚いとはいえる)、正直何を論点にしたいのか「日本で見る場合」よくわからない点もあり、もう少し字幕なりに工夫は欲しかった点はあるものの、文化の違う国であり、完全に理解することはそもそも論で無理であり、またギリギリ「言わんとすること自体は一応理解できる」(アルコール依存に関しての話)ことも考えると、積極的な減点まで見出しにくく(これらの減点がなければ、字幕の翻訳ミス等が論点になりますが、それも見当たらない)、フルスコアにはしていますが、「やや」わかりにくい(日本基準で見た場合)映画だろうというところです。

yukispica