「原作はどうだったのでしょうか?」法廷遊戯 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
原作はどうだったのでしょうか?
司法修習生時代の同期同士の殺人事件の弁護を引き受けることになった主人公の苦悩を描く物語。
五十嵐 律人原作の推理小説を映画化。
主人公の永瀬はキンプリのメンバーなんですね・・・知りませんでした。男女問わず、アイドル映画は鑑賞対象にはしていないので(ももクロを除く)、その意味ではイレギュラーな鑑賞でした。
映画全体は、シリアス。主人公・被害者・加害者・・・各々の悲惨な過去と、そこから生まれる悲劇をしっかりと繋げています。
ただ、それでも、設定としては無理があり過ぎるのも事実です。
因縁の3人が司法修習生の同期になる・・・っていうのも偶然にしては出来すぎですし、被害者の結城馨が自分の命迄かけることにも戸惑いを感じてしまいます。その設定に持って行くには、エピソードが足りないように思いました。
何より、雑に置かれたビデオカメラでは、(被害者側にとっても、加害者側にとっても)都合良く撮影されているとは限りません。加害者側は、事前に映像を確認することは可能でしょうが、その描写はありませんでしたし・・・それをした場合には、カメラに彼女の指紋と血糊がべったりと付いてしまうわけで・・・そんなカメラを警察が回収したら、大切な証拠として裁判でも重要な論点になっているはず。そのICチップを弁護士隠していた・・・となったら、証拠として採用されるかどうか甚だ疑問に思えます。
カメラを隠すことも可能でしょうが、それが出来るのであれば、逃亡した方が早く確実でしょうし。
また、自殺したのか他殺なのか位は、現代の法医学なら刺し傷を見れば一目瞭然でしょうから、実際に自傷した場面が映っていない映像で自殺に切り替わるのも無理があるように思います。
なまじ、シリアスに寄せてしまった為に、粗が目立ち過ぎた作品のように感じました。
私的評価は厳しめです。