古の王子と3つの花のレビュー・感想・評価
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どこを切り取っても絵になる
ミシェル・オスロ監督の創作意欲が衰えていないことがまず嬉しい。本作は3つの物語のオムニバス形式で、それぞれ異なるスタイルの映像で描かれる。最初のファラオの物語は、エジプト壁画の横構図のような形式で、これがオスロ監督の絵のスタイルにすごく合っていて最高。色彩豊かに色泥られた古代エジプトの壁画が動き出しかのような感動がある。これは元々、美術館の依頼で制作したものだそうで、エジプト関係の展覧会の一貫で上映されたらしいから、来場者は実際の壁画なども見つつ、この映画を鑑賞したのだろう。「今観ていた壁画が動き出したぞ」みたいな感動があったに違いない。2話のシルエットの影絵劇も素晴らしく想像力を掻き立てるし、3話目はうって変わって極彩色の世界。とにかく、どこで止めても絵になる美しさ。
この映画を観ると、目が喜ぶ。
アートワークは好みが分かれやすい
その時代のルールや常識のようなものを打ち破る3つの物語からなるオムニバスのような作品。
決して悪い内容ではないが、取り立てて良いと言えるようなものでもない。少々童話的だろうか。
尺の問題で、各物語に深みみたいなものがなく軽いのも、内容を評価しにくい原因だろう。
そうなるとやはり、見るべきところはアートワークということになる。
大きな差異はないが、3つの物語でそれぞれアートワークが若干異なる。
2つ目のアートワークは明白に影絵的であるが、前後のアートワークも少なからず影絵的で、どこか人形劇のようでもある。
これがいいか悪いかは好みの問題だろう。個人的には好きでも嫌いでもなかった。
というわけで、退屈することはなかったが期待したほど何かがあったわけでもないといった真ん中評価で。
美しいアニメーション作品
洗練された動く絵本のよう
学びのお話
フランスのエスプリを感じて世界旅行へ!
サザエさんみたいに~の3本をお送りします!となります。
だからこそ飽きさせず3都市世界旅行できます。
世知辛い世の中をひと時忘れて耽美的な世界にひたれるのです。
このアニメはどこを切り取っても全て絵になる美しさ。
アメリカのアニメではこうはいかない。ディズニー映画も楽しめるけど、言ってもアメリカの映画で無血開城なんてありえない。
3本に共通するのは親が子どもを押さえつけてはならないし、子どもの知己が全てを変えていく爽快な展開。
和田アキ子みたいな片乳出したゴッド姉ちゃん的な娘の結婚を阻むエジプトの母、息子を罵り続ける権威的なフランスの父、王女を行動制限するトルコの王様、その親のどれもがエゴ丸出し。
全てが脱出劇でありハッピーな未来を起草させる終わり方であと味もよかった。
とりあえず国外に脱出して旅行したくなる美しい映画でした。
Gorgeous
字幕版を先行で鑑賞し、吹替版も鑑賞しました。
壁画のようなアニメーションは不思議な魅力を醸し出しており、画面いっぱいにカラフルな映像が広がっていてとても素敵でした。吹替だと文字がなくなるので、その分カラフルな世界をより強く体験できたのは良い経験だったなと思いました。
3つの話の中でも「バラの王女と揚げ菓子の王子」が一番好みでした。テンポが良いのもありますが、3作の中でも表情が豊かでしたし、コミカルなシーンが多くてニコニコしながら観れました。平面的な絵面なのに揚げ菓子がとても美味しそうに見えました。意外なところで飯テロを発揮してくれました。
王女の女中3人の独特な歩き方がめちゃくちゃツボにハマりましたし、それを真似してあるいた王子のノリの良さも好きでした。
王女という輝かしい称号を捨てて、愛する揚げ菓子王子と共に新天地へ向かうという終わらせ方はとてもスッキリした終わり方で良かったなと思いました。
様々なアニメーションが作られる現代ですが、その中でも異質ながらハッピーな気持ちになれる今作はとても良いなと思いました。この製作陣には、違うテイストの作品、もとい今作のような短編を集めた一本の作品をまた作ってほしいなと思いました。素敵な作品です。
鑑賞日 8/1
鑑賞時間 16:10〜17:40
座席 G-7
美しい色彩に見惚れるアニメーション
文句の付けようが あーりーまーせーん。o(^o^)o"
ミニシアター中心だが、かなり良い作品。迷ったらおすすめ。
今年256本目(合計907本目/今月(2023年7月度)43本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
時代も都も違う、3つのミニストーリーからなるアニメ作品です。
最初に「こんなキーワードを入れて話を作りたい」というところから始まり、「すべては無理だが、わければ出来る」という導入から、3話(エジプト編、中世フランス、近代トルコ)という、個々別々のストーリーになっています。
3話目(トルコの、揚げドーナツがどうこうというお話)を挙げる方が多いですが、私は2話目(中世フランスのお話)が良かったかな、というところです。
より多くの映画館で扱っても良いタイプのアニメ作品なのですが、アンパンマンなどではない、外国のアニメ作品枠はどうも(よほどの事情がない限り)ミニシアター案件のようです。ただ、年齢を問わずに楽しめるし、高校世界史の初歩まで触れられるので(そのことが一部必要になるシーンもあるが(特に3話目)、知っていれば有利程度)、歴史好きな子などもおすすめといったところです。
あとは…。やはり美しく聞こえるフランス語の魅力、でしょうね。
こちらでみたときは、原語版に対して日本語吹き替え版もありましたが、フランス語版おすすめです(字幕も、小さい子が見ることを想定されているのか、常用漢字までに抑える、難しい表現の言い換えなど、かなりの配慮があります)。
減点までは特に見出せなかったのでフルスコアにしています。
なお、大きく言えばアニメ作品という扱いですが、アニメといえば何かと「色使い、色のタッチ」等で合う合わないが別れやすいので、先に予告編など見るのがおすすめです(一般的な外国のアンデルセン童話などに触れたことがある子なら拒否反応は起きないと思いますが…)。
普遍的な─
美しくて優しい物語
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