私たちの声のレビュー・感想・評価
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呉美保監督の復帰
7人の女性監督のオムニバス映画。日本からは呉美保監督が参加している。呉美保監督は8年ぶりの新作となる。ずっと子育てで映画の監督ができなかった同監督が、自分の実体験も反映させたであろう、仕事と子育ての両立に苦しむ母親を描いている。一週間ほとんど休めないシングルマザーの主人公を杏が演じているのだが、こちらも自身の体験的にもかなり実感を込めて演じているのだろうなというのがすごく伝わってくる。呉美保監督は日本有数の名監督なので、復帰してくれてうれしい。これからバリバリ活躍してほしい。
その他、個人的に良かったのは、キャサリン・ハードウィック監督のコロナ禍のLAを舞台に、ドクターとホームレスの交流を描いた「無限の思いやり」だ。ホテルの休業でホームレスからのコロナ感染拡大を防ぐために、ホームレスたちをホテルに住まわす。ドクターがやたらと服を着込んだホームレスの世話に苦労する姿が描かれる。コロナ禍の日常を切り取った鮮やかなドラマだった。
頑張る女性たち
女性を主人公にした7本の短編集
ペプシとキム ⭐︎3
ドラッグ依存で多重人格のキム・カーターが病気を克服しようと闘う話。
実話らしく、3人にレイプされたりし、薬物依存となったようだが、気の毒に思ったし、薬物依存を断つのは大変なんだろうな、という感想。子供と会えないのが母親として一番辛いのかも、とも思った。
無限の思いやり ⭐︎3
コロナ禍のロサンゼルスで感染拡大防止のためホームレスのヴィルの服を脱がせシャワーを浴びさせ、ホテルに確保しようとしたP医師の話。
医師も仕事とはいえ、臭いと言っていたように、大変だなぁ、というのが感想。
どれだけ服を着てるの?って思うほどの重ね着してて、シッコやウンチはどうしてたのか、疑問に思った。
食べるものの散乱より排泄物の方が気になり、最後のドジャースのパンツはウンチまみれだったのでは、と想像してしまった。
結構可愛い子だったので、綺麗になった後の姿も見てみたかった。
帰郷 ⭐︎3
ギャリアウーマンのアナは妹が亡くなったため帰郷したら、その妹は幼い娘レナを残していた。自分は結婚もせず、故郷を捨て仕事第一で生きて来たのだが、レナには他に親族は居ないため、アナは彼女を引き取る決断をする、という話。
レナ役の子役が可愛くて、ませてて、放っておけなくなったアナの心境がよくわかる。子育てしながらキャリアウーマンを続けるアナの将来が明るいことを願う。
私の一週間 ⭐︎4
家事と2人の育児と仕事で大忙しのシングルマザーが、娘と息子の優しさにほろっとする話。
母親役の杏が実際にあんなのかなぁ、とみてた。
娘あやちゃんがお母さんを助けようと懸賞に応募して当選した時の母親・杏の表情が良かった。
あやちゃん役の子が賢そうで可愛かった。
声なきサイン ⭐︎3.5
獣医の所に怪我をした犬を連れて来た夫婦がいた。
妻の方が何か訴えているようで、夫を遠ざけてみるとあちこちにアザが有った。
DVのサインとみた獣医は警察に通報した、という話。
実際に夫からDVを受けていてもそれを伝えることの出来ない妻はたくさんいるのだろう。犬に怪我をさせるのが良いとは思わないが、家を出る手段として仕方なかったのかもしれない。
獣医の娘さんもお母さんを褒めてあげてほしい。
シェアライド ⭐︎2
美容整形外科医が雨の中リキシャを捕まえようとすると、予約済みで相乗りなら、と言われて乗ると、何か価値観が違ったようで、途中で降りた。
後日、また雨の中同じ人に会って、今度は意気投合して雨の中でダンスを踊った、という話。
何のことかよくわからなかった。あの女性っぽい人がトランスジェンダーだったのかな?
アリア ⭐︎1
白いロボットのような生き物?が出るアニメーション作品
これはちんぷんかんぷんでさっぱりわからなかった。
批判的主張はない。多分あるのは「そこにある愛」
Me Too運動が象徴的な米映画界にあって、「女性に関する、女性による、みんなのために作られた」コンテンツ制作をスローガンに掲げている非営利の映画製作会社「We Do It Together」のプロデユース作品。家内がみたいというので同伴で鑑賞しました。
男性と女性は必要以上にその差が強調されていて、それがジェンダー格差に結びついている面は否定できないので、ものいいには慎重であるべきと思いますが、男性と女性はやはりその特性において違いがあるように思います。あえていうと父性の「力」に対し母性の「愛」とでも言いましょうか、男性にも母性的要素はあるし、女性にも父性的要素はある。個人差はあると思います(ちなみに私は母性的要素が強いと思っています。娘からは小さいころ、よくママと呼ばれてましたので(^_^))が、世の中の男性と女性を、父性的要素と母性的要素がどれだけあるか一人一人調査して平均を取ると、やはり男性は父性的要素に勝り、女性は母性的要素に勝るということになるのではないかと思います。あたりまえのようですが、この「平均」というところが肝要で、社会の仕組みはこの二つのグループを切り分け、一人一人の人間をどちらかに押し込めることで、格差の有無とは別次元で、効率的に社会の秩序を保っているのではないかと思います。
「無限の思いやり」にも「帰郷」にも「私の一週間」にも、その他作品にもこの「愛」という言葉が、ちらちら顔を覗かせているように思いました。しかし大切なのはそのことを声高に主張するのではなく、ただそうありたいと願い、そのままの姿でそこにあるとでもいいましょうか。そこには暴力もセックスもサスペンスも強欲も勧善懲悪も何もありません。そこが新鮮でした。
最近日経で連載されていた「仕事とジェンダー格差」(やさしい経済学)でも、育児の責任は女性にありとする価値観が、若い世代にも色濃く残っていることが伝えられていましたが、役員の女性比率だけでなく、男女間の給与格差なども、先進国の間では一番後塵を拝しているようなので、意識するしないに関わらず「愛」を利用し「力」で搾取している社会構造が日本にはまだまだ残っているのかもしれないな、そんなことを思います。
「女性に関する、女性による」、しかし女性のためだけでなく「みんなのために作られた」映画。特に日本の男性達はこの作品を観て何かを感じるべきかもしれない・・・そんな風に思いました。
悪くないけど、 せっかくなので日本の作品にもっと頑張って欲しかった...
悪くないけど、
せっかくなので日本の作品にもっと頑張って欲しかった
他の方が優れていた
それぞれの良さがあるような…
7本の短編からなる作品なので1本が15分から20分位で終わってしまいあっと言う間でした。時間が短いから描き方が難しいですね。
僕には後半の2本はさっぱり意味が分かりませんでした。
獣医さんのやつも姪っ子と会う話も良かったですが、杏さんの私の一週間が一番良かったです。ママを気づかう女の子健気で可愛かったです。
それぞれの作品で評価が変わるのでこの作品全体で評価するのは難しく感じました。
彼女たちが大事にしているものがよくわかった
どの話も優しくて、彼女たちが一番大事にしているものがよくわかるハートウォーミングな話だった。
一番好きだったのは、杏ちゃんの話だったな。ラストは胸がギューっとなった。
杏ちゃんの演技がとてもナチュラルで、家事シーンに全く無駄も迷いもなくチャキチャキこなしているので、多分普段もこんな感じなんじゃないかなと思った。
長い手足がサクサク動いて、観ていてとても気持ちが良かった。
そしてこの話は小さい子がいるママはとてもわかる話なのではとも思った。
自分の時間はほとんど無いよなあ。
そしてそれを理解している小さい人たちがまたいじらしくて泣けた。
彼女たちは何を大事にして生きているのか、というのがどの話でもでていたなと思う。
観た後にみんな優しい気持ちになると思う。
十人十色
所々で、瞬間的に入り込めない(うん?何これ?ってなる)シーンがあるんだけど、一部実話に基づいていたりして、それなりに説得力(現実性)のある内容だったかな…。
いわゆるジェンダーフリーに特化した内容で、もちろん、こういう境遇にいる人ばかりではないのだろうけど、より良い社会になっていくことを願いたい。
でも、最後のアニメはう~ん…。理解を超えていました。
メリハリきいたオムニバス
色んな国の色んな人種による7つの短編集って事で、次から次へと話も演者も変わるので、メリハリきいてダレません。
実在する人の話や実際に起きた事件の事を再現ドラマならぬ再現映画にしたモノ、
『欲望』のオマージュの入ったジャッロの影響を受けてそうなモノ、1話まるまるアニメのモノ、も入ってます。
日本からは杏さんが出てますが、やっぱり目元が、お父さんの渡辺謙さんに、似てると思いました。
監督も主演も女性ばかりの映画です。
けっこう面白かった♪
エピソード7つは多いかも
オムニバス形式で7エピソードあり、それぞれは15分程度の内容なので、内容がそれほど深みをもってメッセージとして伝わらなかったです。
それぞれがもう少し長ければもっと盛り込むこともできるかなと思ったのと、このエピソードは不要だな、と思ったものもあったので、その分減らせばもっと映画全体として見やすくなりそうなのに、と残念に思いました。
そしてこれは初めて見た光景でしたが、エンディングで流れたテーマソングのMVが終わり、残り2作品分のエンディングクレジットが全くの無音の中ロールしていました。その間中ずっと2作品分余計だったのでは、と改めて思いました。
強い女性たち
女性監督が女性を主人公に制作した7本のオムニバス…1本はアニメだけど。
ペプシとキム
心の中にヤサグレ女が住んでいる薬物依存で精神疾患の女囚がリハビリする話。
不安を募らせる囁きを断ち切る姿は素晴らしかったものの、これで立ち直れるのか…実話ってことですね。☆2.5
無限の思いやり
コロナ禍でホームレスを支援する医師&助手が、ちょっと行かれた若い女性と向き合う話。
こんな自己中なヤツに対しても、ちゃんと向き合い案じる2人が素晴らしくはあったけど、映画としてそれだけ?という感じも…これまた実はってことですね。☆2.0
帰郷
疎遠だった妹が亡くなった為に若い頃に飛びだした町に戻った実業家の話。
帰ってみたらまさかの姪っ子!?からの、これからどうするか…姪っ子が健気だし賢そうだし、なんとかなりそうかな。☆2.5
私の一週間
小学校低学年のお姉ちゃんと幼稚園児の弟君を育てるシングルマザーの日常の話。
仕事している時が1番楽なんじゃ?いやー怪獣の相手をするママは大変だ…からの、これは反則。そんなん泣くわっ!☆4.0
声なきサイン
娘との約束を忘れ仕事に出かけてしまった獣医が、帰ろうとした際に気になる患者に出会い残業する話。
あまり喋らない2人…落ち着きのない男と不安げな女と…まさかのそういうことですか…娘さんママを誇りに思ってあげてね。☆3.0
シェアライド
雨に降られて三輪タクシーに乗車したら、自分の主義とは合わない客とシェアライドすることになった女性美容外科医の話。
完璧主義か、潔癖か良くわからないけれど価値観が合わなかったってことですね、からのん⁉同じ人?…それで何でOKになるのかあまりピンと来なかった。☆1.5
アリア
何だか狭い部屋に閉じ込められた所謂宇宙人的なビジュアルの何かをみせるアニメーション作品。
何かに怯えてる?世界が拡がり同じ様な何かが沢山いるけれど…何か変化していくのはわかったけれどセリフもないし何が言いたいのか良くわからなかった。☆1.0
映画の趣旨上採点がきわめて困難なのは確かですが…
今年293本目(合計943本目/今月(2023年9月度)3本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
さて、こちらの作品です。
男女同権思想(フェミニズム思想)から一歩抜けて「女権拡張主義」という論点が入ってきます。映画は7ストーリーからなる章立て形式(オムニバス形式というのが正しい?)で、いずれも女性がテーマで、男性はほぼ出ない(出ることは出るが、メイン筋としては出ないといって差し支えがない)というストーリーです。
また、7ストーリーいずれも国が異なる(日本もちらっと出ます)ことから、男女同権思想に関しても国による差が顕著にあり、また映画の性質として、セリフが極端に多いパート(章)、少ないパートとバラバラで、なかなか評価のしづらい映画ではあるというところです。
ただ、この時間枠で7ストーリー(国もすべて異なる)をテーマに、男女同権思想から一歩抜けて、女性の「エンパワーメント」(女権拡張主義)という点を扱ったのは評価は高いといえます。「映画館で見る作品」の性質上、誰にでもおすすめできる映画ではないのは確かに言えますが、迷ったらおすすめ(3番手以上には来そう)というところです。
なお、妙に混乱させる部分がありますが、7章目(最後のストーリー)はなぜかアニメ仕立てで、最近でいうと「マイ・エレメント」に似たような展開になります(赤い精霊、青い精霊の両方が女性である点が異なる)。この点も、「7つもあるのだから、1つはアニメタッチで」ということだろうと思いますが、逆にアニメタッチにした関係で、上記の映画の成り立ちの趣旨上、「何を主義主張として述べたいか」がわかりにくい部分は確かにあります。7章のうち全部ないし大半がそうであれば減点対象にはなりましょうが、1つがそうであるにすぎないので、「一つくらいはアニメタッチにしたかった」という趣旨も考慮の上、減点なしの扱いにしています。
今週(9月1週)はどうしても埋もれてしまう作品にはなりましょうが、男女同権思想(フェミニズム思想)ほかに興味関心を寄せている方にはおすすめといったところです。
減点対象としてはそこまで見出せないのでフルスコア扱いです。
いろんな国の女達のエピソード。
予告編を観て、色々な国の女性が出てくるので、生まれ変わりとか、同じ様な環境で起こる事件とか、話が繋がってるんじゃないかと思っていたのに、全部独立した話だった。しかも7本もあるので一本15分くらいの軽いエピソードのオムニバスだった。まるでテレビのドキュメンタリー番組。とにかく一本が短いので、えっ!これで終わり?の連続だった。最後のアニメは何だったのよ!一つの映画でこんなに種類の違う言葉を聴くのも初めてだわ。ま、日本人の自分としては杏ママのエピソードが分かりやすくて楽しかったね。とにかく1週間仕事と子育てで超バタバタ。忙しすぎて笑えたわ。残念なのは自分が男のせいか、全てのエピソードに共感できなかったこと。もう少し男に絡んで欲しかったです。あと驚いたのがエンドロールで杏の名前が、AN WATANABEだったこと。えっ?外国では名字つけてんだ!?
短編ならではの良さと物足りなさ
2023年劇場鑑賞203本目。
女性がテーマの短編オムニバス7作。
最後のアニメ女性だったっけ?
実話2作続いたのでそういう縛りかと思ったらそうでもなかったです。
実話は3作あって、変に膨らませずこういうことがあったという事を描くのに短編はピッタリで良かったです。でも杏主演の作品が一番良かったです。泣いちゃいました。後の三作品はちょっとイマイチでしたかね・・・。最後のアニメは全く意味がわかりませんでした。
全22件中、1~20件目を表示