プチ・ニコラ パリがくれた幸せのレビュー・感想・評価
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(オンライン試写会はネタバレがあってもなくても念のため伏せる扱い)
今年165本目(合計816本目/今月(2023年5月度)22本目)。
fanvoice さまのご厚意で少し早くオンライン試写会を見ることができました。
さて、こちらの作品ですが、今ではフランスの小学校、幼稚園などには広く置かれている定番の児童書であるようです。もちろん子供「だけ」が見て楽しめる作品ではなく、事実、日仏の相互の文化情報が一般的によく知られ、実際にモノのやり取り等がされていた時代においては、日本においては「最初は」大人向けの小説本という扱いであったようです(この点、終了後のミニトークショーより。なお、現在ではamazonなどで原作の翻訳といえる「当事者年齢層版」が当然買えます)。
ストーリーというストーリーを見出しにくい(成立にかかわった人は2人います。公式サイト参照のこと)ため、この当時のフランスの文化がどうであったのか、あるいは、作者が未来永劫読まれることになろうこうした児童書にどのような思いを込めて作ったのか、といった点が論点になってきます。くしくもこの当時、フランスはドイツによる第二次世界大戦の直前という状況でもあったので、それを示唆するような表現も出ます(ただし、具体的に撃ち合いになったり、人の思想を否定したり、特定の思想をおしつけたりといった部分は存在しない)。
※ 上記のような部分は「映画内では」その扱いですが、作品としての「プチ・二コラ」(フランス語版)ではその部分が入っているかは確認していません。
いろいろな見方ができる家がで、2人の登場人物が、今の現在、フランスはもちろん近隣国(主にフランス語圏)でよく読まれる「児童書」を生んだお話だという見方も可能だし、あるいは、「2人の登場人物」も、上記で描かれる「ナチスドイツのあらわれる影」という考え方ではある意味「追われる立場」であったのも事実であり、その観点から「自由な移動が事実上阻害されていた」というのも明確に言えます(ただ、フランス国内ではあまりうるさく言われなかった。占領すらされていないため)。このように「移動の自由(日本では憲法22の1、2)が若干阻害されているといえる、当事者の人生観」という見方でとるようにも可能だし、個々複数の解釈はできると思います。
結局のところ、日本でいえは小学生や児童の子に与える本というとムーミンであったりドラえもんであったりと、ある程度相場が決まっているようなところはありますが、それは当然各国変われば違うものになるわけであり、フランスにおいてはそれに相当するのが「二コラ」であり、それを生み出した2人の生き方、という論点になってくるのだろう、と思います(なお、こういう事情もあるので、2人のこうした「生き方」の障害となった部分についての説明は「一応」出ますが、「プチ・ニコラ」との会話でうまく深入りされないように配慮がされている)。
正規の公開日には、まぁ…。「児童書が好き」という方は珍しいと思いますが、自宅にリアル児童書を置いている方(つまり、子育て中、ということ)にはおすすめです。上記のような理由で、若干戦争に関する語等も出ますが、実際に撃ち合いがどうこうという話にならないので、児童の子でも理解はしやすいかと思います。
採点に関しては特に気になる点等ないのでフルスコアにしています。
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