「凄い母親」AIR エア odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
凄い母親
バスケファンでなくとも世界中の若者にナイキブームを起こしたエアージョーダンのことは知っていますので、誕生秘話のドラマ化は興味深いです。似たようなスニーカーの開発ドラマではテレビで観た「陸王」が思い出されました。
プロモーション用の新人ハンティングを担うソニー(マット・デイモン)が立ち上げた企画でナイキCEOのフィル(ベン・アフレック)は経営者らしく保守的な対応なので敵役かと思いましたが、終盤、一変、見事においしいところを持ってゆくあたりはベン・アフレック監督の特権というか、見せ場づくりでしょうね、「グッド・ウィル・ハンティング」以来の名コンビ復活と言うところでしょう。
事実に基づいているといっても映画ですから脚色はつきもの、将を射んと欲すれば先ず馬を射よの例えではありませんがジョーダン攻略には母親に取り入るのが鍵と策を練るソニー、情に頼るだけで資金潤沢な大手の契約を阻むことはできるのかと途中、訝しく思いましたがなんと母親は契約金以外に売り上げの歩合を要求、おそらく代理人の入知恵だと思いますが実にしたたか、凄いお母さんでした。
設立時は弱小メーカー、ナイキのロゴデザインがたった35ドルだったという裏話、それがコンバースを買収するまでの大企業に成長、映画の中で度々披露されるNIKE Principlesと呼ばれる10か条の企業理念もビジネスマンには興味深いことでしょう。(以下、概要)
1. Our business is change.( 我々のビジネスは変化である。)
2. We’re on offense. All the time.( 私たちは常に攻撃的である。)
3. Perfect results count — not a perfect process. Break the rules: fight the law.
(完璧 な結果が重要である - 完璧なプロセスではない。ルールを破り、法律と戦うこと)
4. This is as much about battle as about business.(ビジネスだけでなく、戦いでもある。)
5. Assume nothing. Make sure people keep their promises. Push yourselves push
others. Stretch the possible.
(何も当たり前に思わず、人々が約束を守るようにする。自分たちを追い込み、他人を追い込む。可能性を広げる。)
6. Live off the land.(地に根ざす。)
7. Your job isn’t done until the job is done.(仕事が完了するまで、あなたの仕事は終わらない。)
8. Dangers. Bureaucracy. Personal ambition. Energy takers vs. energy givers. Knowing our weaknesses. Don’t get too many things on the platter.
(危険なのは、官僚主義、個人的野心、エネルギーを奪うものと、エネルギーを与えるものを知ること、自分たちの弱点を知ること。けして多くのことを手に入れすぎないこと。)
9. It won’t be pretty. (美しくはならない。)
10. If we do the right things we’ll make money damn near automatic.
(正しいことをすれば、お金をほぼ自動的に稼ぐことができる。)