「勇気は使わないと消えてしまうもの。」AIR エア はるさんの映画レビュー(感想・評価)
勇気は使わないと消えてしまうもの。
アメリカと言う国は「勇気」で持続してきた国だ。
起業がこの国の最大の武器だった。しかしあまりにも便利さと合理性と効率性を重要視しすぎたが故に衰退への道を進み始めた。
行動することは生きがいを求める者にとっては空気と同じように大切だ。しかし、行動することが目的になってしまったら、人は魂を失くしてしまう。
起業が一段落してしまった起業家たちは、魂を忘れるくらいに身体を動かし続ける。どうしてなのか?それは不安だからだろう。考えれば考えるほどに不運が増すからだ。それが低迷と衰退という奈落の底への道だと気づくとき、すでに遅い。
そんな状況に陥っている「ナイキ」のある時代を描いた映画だ。そして才能あふれるバスケット選手の母親の物語でもある。むしろこの母親の話なのかもしれないと思う。賢い母親と言うよりは勇気があると言ったほうがいいのではないか。
人であれば普通に考えることを考え、そしてその考えを相手にキッチリと伝え理解してもらえる身振り手振りと誠実な言葉を選択し発する。それはエベレストを70歳の老人が無酸素で登るよりも難しいように思える。
そして、その説得を受けとめる男たち。勇気を持ち、それを発揮するもの達はスポーツビジネス社会を変えた。それは特別、難しいことではない。
「人であれば、普通はこうだろう・・・・・」そう思えばいいことなのだ。
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