「この二人が共演していることが無性に嬉しい」AIR エア 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
この二人が共演していることが無性に嬉しい
『グッド・ウィル・ハンティング』を知る世代としては、ベン・アフレックとマット・デイモンが共演するだけで胸躍らずにいられない。本人たちもなんだか無性に嬉しそうで、セリフの掛け合いや呼吸の合わせ方もさすがにバッチリ。その上、今回の題材はAIRジョーダンの商品開発秘話という、まさに80年代のエキスがたっぷり詰まった内容であり、登場人物たちが個性をぶつけ合うドラマとして見応えがある。マットの演じる主人公は低迷するバスケットボールシューズ部門のテコ入れに情熱を燃やし、一方のベンはNIKEのCEO役として、時に意見を戦わせながら、ここぞというところではトップの英断力を見せつける。何が組織の常識を覆すのか。どんな言葉とビジョンが相手を本気にさせるのか。特にジョーダン獲得に向けての母親との交渉劇はチェスのゲームを見ているみたいに釘付けになる。ベンの監督作としても過去の秀作群に見劣りしない文句なしの快作だ。
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