「映画の述べる趣旨は他にあって、いわゆる「サメ映画」と解釈して見に行くと混乱しそう」ブラック・デーモン 絶体絶命 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
映画の述べる趣旨は他にあって、いわゆる「サメ映画」と解釈して見に行くと混乱しそう
今年179本目(合計830本目/今月(2023年6月度)4本目)。
いわゆる映画館の予告編ほかで流れていたとおり、俗にいう「サメ映画」の一類型には「一応」入ります。ただ、サメが出てくればサメ映画なのか?ということが当然そうではないように、当然合理的な解釈はされます。
この映画は他の方も多く書かれている通り、「表面上は」サメ映画ですが、実際はサメ映画というのは表面的な話で、映画の中ではサメ映画(というより、サメ自体)に関する描写は少な目です。その代わりに入ってくるのは「海洋を汚染してはいけない」「神の信仰に逆らってはいけない」といった、一般的にB級扱いがお約束の「サメ映画」で期待するような内容をはるかに超えた論点が裏で待ち構えていて、もう6月にもなったし、涼しみも得てサメ映画でも見ようかな、と思うと、???な展開が待っています。
※ 他の方も触れている通り、この映画は一定のマヤ・アステカ文明の知識が要求されるなど「サメ映画の一般的な相場」を考えても求められる知識量が妙に偏っていたりします。
日本では「サメ映画」といえばB級、そして「細かいところに突っ込みをいれずにB級なりのたのしさで見ようよ」というのが一般的な立場ですが、本国(アメリカでもフランスでも、該当する国)では、そうでもなく「サメ映画にも教育的観点を混ぜるべき」という考え方なのでしょうか??
少なくとも日本で映画を見に行く方は程度の差はあってもサメ映画といえば「細かいところに突っ込みを入れずにB級感を感じようよ」という趣旨で見に行くかと思われますが、実際には海洋汚染がどうだの、マヤ・アステカ文明がどうだのといった細かい知識を個々要求するので(後半は少な目。前半がとにかく多い)、中には???な状態になった方も多いのではなかろうか…というところです。
これらまで考えて以下のように評価しています。
-----------------------------------------------------------
(減点0.3/一般的な「サメ映画」を想定すると観客は混乱する)
・ もちろん、「サメ映画はこうでなければならない」という規定はどこにも存在しないので、本映画のような作りをするのも自由です。一方で日本国内では「サメ映画といえばB級、細かいことに突っ込みを入れない」という「暗黙の了解」があるので、上記のような映画であれば、もう少し紹介や予告動画ほかを公開すべきではなかったか…と思えます。
-----------------------------------------------------------