碁盤斬りのレビュー・感想・評価
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役も話もきれいすぎてしらける
役も話もきれいすぎることが根源となり、ツッコミどころが満載でしらけました。
例えば
冒頭の「勝負に勝ったらお金受け取らなくて済む」て意味わからん。
100歩譲ってお金に興味がない侍キャラ設定として、最後は苦労を共にした相方を裏切り返さなければいけない掛け軸を売って金にに変えるってどういうこと?
あんなに囲碁を愛してやまないのに、高級な碁盤を真っ二つしないでください。
あの侍はジキルとハイド的な二重人格なの?
あと真剣な時代劇でダチョウ倶楽部の俺も俺ものくだりもやめてくださいよ。
面白そうな外観、雰囲気、期待感はあったが中身が薄い。
最近の映画は撮影の技法にばかりにこだわる悪い癖があると思う。
中身を大事にしてほしいと思いました。
碁盤に表れる武士の心
久々の時代劇映画鑑賞となった。
古典落語「柳田格之進」が原案ではあるが、ストーリーは変えられている。
冤罪で彦根藩という大藩を追われ、江戸の長屋で娘お絹(清原果耶)とその日暮らしの浪人柳田(草彅剛)。囲碁がめっぽう強いが清廉潔白で賭け碁はしない。碁会所で会った両替商萬屋の主人源兵衛(國村隼)と囲碁を通じて交流が始まり、源兵衛は、柳田の誠実な人柄に徐々に影響され、利を追い求め強欲と揶揄されていた商売も「嘘偽りない商い」に徐々に変わっていく。
ある日、萬屋が客から受け取った50両を紛失し、柳田は再び無実の罪を着せられてしまう・・・。
序盤はひたすら静かな碁打ちの場面が続き、柳田と源兵衛の交流を中心に話が展開する。中盤から物語は一気に動き出す。冤罪や妻の死の真相を知った柳田はそれまでの静かな佇まいから豹変し、50両の濡れ衣に対しても、自分が無実がわかれば萬屋の2人の首を切ると凄む。そして父の覚悟を知ったお絹は自ら吉原へ・・・。
碁を打つ静の場面。大声で凄み、斬り合う動の場面。このコントラストが見事。
仇の兵庫(斎藤工)との命を賭けた碁では、話がどう展開するか、画面の役者達と一緒に固唾を飲んで見入っていると、突如殺陣に変わる。兵庫の最後の死に様は、白石監督ならではの画。また、この対決の碁では背景がリアルを排した昔の時代劇的「絵」であった。これは、時代劇と落語へのリスペクトではないか。
そういえば、彦根藩時代の回想シーンもあえてざらついた昔のフィルム映像のように編集していた。この演出もよかったが、これも過去の時代劇へのリスペクトかもしれない。
私は、お絹が吉原大門へ入っていく後ろ姿のシーンが印象に残った。煌びやかな極楽の世界の裏側は地獄。そこへ身を投げる武士の娘の覚悟・・・思わず涙が出そうになった。
この映画は、時代劇ではあるが、人情話であるのでどこか落語的、講談的なテイストが感じられる。それは、萬屋や長屋、碁会所の面々から感じられる。
一方で、草彅剛の静と動の演じ分け、凄みのある出で立ちと表情、声には驚かされる。特に、怒りの表情と声には何かが乗り移ったかのような力が宿っていた。碁盤を斬る場面の迫力はもの凄いものだった。
柳田は藩に戻る道を自ら閉ざし、娘の祝言を見届けると静かに旅に出る。かつて自分が「正義」を貫いたことが仇となり、藩を追われた仲間への贖罪の旅に出たのであろう。
それは、嘘偽りのない碁と同じように、たとえ苦しい道であっても、今の自分に嘘偽りのない生き方をしたいという彼の正義心の表れであるように思えた。
久々に、よい時代劇を映画館で観た。この作品に触発されてもっとよい時代劇が作られることを期待したい。そしてそんな時代劇をもっと観たい(2024年映画館鑑賞14作目)。
勿体ない
とても感動的なストーリーに加え、役者さん達の演技も皆さん良かったです。
ただ、残念ながら脚本と演出がイマイチで折角の感動的なシーンや演技を台無しにしているように思えました。随所に残念なシーンが見受けられたのですが、特に気になったのが、嫁の仇ともいえる柴田との立ち回りのシーンや、源兵衛と与吉の首の代わりに碁盤を切るシーン、娘を取り戻すため吉原へ五十両を返しにいくシーン等、作中の中でも特にここが見せ所というシーンがお粗末で、碁盤を切るシーンでは源兵衛と与吉のやり取りがコントのようで笑ってしまいました。
ストーリーと演技は良かっただけにとても残念です。
【新解釈】柳田格之進+文七元結
真面目な時代劇で清原果耶の花魁道中がみられると思ってました。脇役の俳優さんたち(とくに徳兵衛の音尾琢真)が真面目ないい演技なんだもん。
でもなんか落語みたいだ。
斎藤工のチョンマゲの似合わなさ加減が半端ない。そこで気づかなければいけなかった。それと中川大志も。代金50両の集金に行ったついでに囲碁の相手をさせられて時間を忘れ、慌てて金をおいてきてスリにすられたと思ってしまう奉公人の噺があったなぁ·····
小泉今日子(遊郭の女将)の台詞(大晦日の吉原大門の大引け)でなんだこれは文七元結の変化球じゃないかと気付く。
あそこはひょっこり小泉今日子が萬屋に来て、柳田に待ったをかけるのだろうと今か今かと首をなが~くして待ってましたが···
小泉今日子は岩下志麻にみえたり、最後は森光子にみえたり😄
さすがだねぇ。
清原果耶ちゃんの町娘姿をみられるだけでありがたや~ナンマイダ〜
あの掛軸はいくらになったのか気になる。一部は祝言費用に化けたに違いない。さすが元〇〇役の柳田格之進。融通のきかないバカ正直のストレート勝負とみせかけて最後は変化球で落としてきた。
「柳田格之進」という演目があったんですね。別名が碁盤割り。もともとは講談の演目だったらしい。それに歌舞伎でも有名な文七元結の要素を加えて、新たに斎藤工の役柄を加えて、仇討ちのストーリーにしたわけか。うーん。お見事。
天国の志ん朝と彦六師匠にみせてあげたい。
碁は全然わかりません。わかっていればより楽しめたはず。江戸時代の娯楽や宿場の元締が開催する賭け碁もなんだか新鮮。丁半博打だけじゃない。斎藤工の刀は仕込み杖⁇座頭市の要素もか。市村正親はミュージカルだけじゃなかった。大親分の貫禄。中山道の塩尻宿出てきました。東座で掛けなければいけませんね。
木下グループのCEOが落語好きなのは間違いない。脚本の人もワルノリ大好きなのでしょうね。
楽しめました
エンタメ性、話題性がありストーリーも理解しやすく何と言っても今一番旬の俳優と言ってもいい草彅剛が主演。脇役の俳優さんたちも皆さん演技派揃いで楽しめました。
一方で清廉潔白で真面目な格之進は無実であるのに娘を吉原に売りお金を工面する、又折角稼いだ生活費を全て賭けてしまうなど、たとえ理由はあっても人間性の本質が理解し難い部分もある。その暗になって行く過程をもう少し知りたかった。
オーソドックスな時代劇ストーリーも素晴らしかったが白石監督には現代の感覚とリンクするような時代劇も是非撮って欲しいと感じました。
次回作も楽しみです。
江戸時代の部屋の「暗さ」
古典落語の「柳田格之進」を基に、新しい部分を加え、映画化したものです。しかし、先に書きますが、この「新しい部分」が、それまでの色や雰囲気と違って、全く別の作品のようにも見えます。この部分が気に入らなかったのですが、清原果耶効果で★4つってことに(笑)
あのね、監督が「孤狼の血」や「死刑にいたる病」の白石和彌監督ってことで、彼の作風が時代劇や草彅くん、果耶ちゃんのキャラに合うかどうか心配でしたが、さすがの名監督でした。私が一番感心したのは、江戸時代の夜の部屋の暗さをちゃんと見せてくれたこと。映画館ではもちろんちゃんと見えますが、この作品はソフト化されTVなどで観ても、部屋の中を暗くしないと見えないと思います。もちろん照明にこだわっているのでしょうが、部屋の中で灯されているロウソクのみで撮影したんじゃ?と思わせてくれるくらいの暗さでした。
落語の人情噺が基なので、話の前半と後半は落語の世界をすごく感じますが、真ん中の部分がそれこそ「とってつけた」ような感じになり、草彅くんが演じた柳田格之進が別人に見えてしまいます。ましてや掛け軸をくれろって?(笑)
でもまぁ・・・最大の「ネタバレ」はタイトルかもしれませんね(笑)そこはそれほど重要じゃないのかもしれません。だとしたら「柳田格之進」でもいいと思うのだけど。
許すというのがこの作品のテーマかも?
色々な事実が少しずつ明らかになってくるので、ある意味どんでん返しの応酬のようなところがある作品でした。私は武士の生き方については不勉強ですが、一度抜いた刀は決着をつけなければ鞘に戻せないとか、一度約束したことは覆すことができないというその堅苦しさに、すごい不自由さを感じていました。草彅剛は1つの藩の中で、中堅どころの侍ですから、武士の掟を守らなければならない立場です。その掟のようなものを、最後の題名にある碁盤切りというシーン(題名の意味がそこで分かります)で、二人の商人を許します。そこに到達するまでハラハラドキドキでした。また、吉原の遊郭を営む鬼の女将の小泉今日子が、清原伽耶が遊女になる約束を許すシーンも、まるでサプライズのようで、泣けてしまいました。そしてさらにもう1つ。藩に持ち帰るべき高価な掛け軸を、同僚が目をつぶって草彅剛に渡すシーンも、1つの許しでした。この3っつの許しは、まさに宇宙(神)の許しのようで、ガツンと心に迫ってくるものがありました。元々草彅剛は真っ正直すぎる上に、何事も正義でなければ行ってはならないという堅物でした(武士の生き方の見本)。その堅物のせいで、多くの藩士に迷惑をかけてしまったという過去も持っています。その贖罪のために、掛け軸を売って、藩士のために尽くそうと最後に一人で旅に出ますが、その行為も堅物ゆえかもしれませんが、観ている方はホッと心が癒されたような気がして安堵しました。
追記 あと3っつの私の感じたものは次の通り。1吉原も舞台になっていて興味深い2囲碁の世界にハマりそう3清原伽耶が娘としてあまりにもできすぎていて好きになりそう笑。
キョンキョンの圧倒的存在感
【追記しました】
・狐狼の血を見たのでさぞかしと思いきや、序盤から中盤にかけては意外とあっさりしてました。
・ラストの殺陣も、ご時世なのか人がバッタバッタと斬られる感じではなかったものの、本懐を遂げるくだりで若干の白石監督っぽさを感じ取れたかな?
・清貧を体現する柳田と元悪徳商人源兵衛が、碁盤を挟んで季節の移ろいの中で交流を深めるところは良いシーンでしたね。碁盤と対峙する源兵衛の心情の変遷を表情で演じわける國村隼人さん、流石の貫禄。
・時代劇には明るくないため考証はわかりませんが、蚊遣や風鈴等の小物にもこだわってるところが良かったです。刀の柄も細かい拘りがありそうです。音響にも注目?です(大きなシアター推奨)回想シーンの映像は、ひと昔の時代劇のようでしたが、技術的な違いをうまく説明できません(^_^;)
・ストーリーについては、それほど捻った脚本構成でもなく、ラストも想定内で着地。特に刺さるところもなしでした。てか人生で二度も窃盗の嫌疑をかけられる柳田の持ってなさよ…
・個人的に、疑いが晴れて、怒りのまま弥吉と源兵衛を斬り捨てようとしたその瞬間「ちょっと待ちな‼︎」と、キョンキョンがスパーーーンと障子を開けて割って入って来て欲しかった。
それを期待させるほどの圧倒的存在感。さすがキョンキョン昭和世代のスーパーアイドル!!女郎屋の女将キャラもピッタリ!
でも娘の身売りと言う最大の危機で、この物語のクライマックスなのに、結局女将キョンキョンの漢気ひとつでチャラになるんかーい!って裏拳が空を切った人も多かったはず。
そもそも除夜の鐘鳴り終わっても翌日の営業開始まで時間あるんやん、そんな悲壮感出して走らんでもええんやん。って言うか清原かやの花魁姿見せて欲しかったわ。
最後は娘の幸せを見届けたあと、兵庫の巻き物をお金に変えて、自分のせいで苦境に陥った人々への贖罪の旅エンド。
昨今、碁のルールを知ってる人はそれほど多くないはずなので、石の下とか何とかのクダリについて、ナレーションなり説明セリフなりで弥吉とか源兵衛に解説させればもう少し興味持てたかもしれません。ここは観客置いてけぼりでした。
それと、日本刀で碁盤をあんな綺麗に真っ二つにできるものなのか、疑問に思った人も多いと思います。
前半後半両方楽しめました
前半は、柳田格之進と萬屋源兵衛のブロマンスを描いた静の映画
後半は、2つの冤罪を解決していく動の映画
草彅剛さんが両方をうまく演じていてとてもよかったです。周りの國村隼さんはもちろんのこと、イケメンなのにちょっと頼りない役の中川大志さん、清貧というイメージそのものの清原果耶さん、みんなよかったです。
すなおに、面白かったです
登場人物の行動原理がよくわからない。
期待していたが、あまり良くなかった。
基本的に主人公の行動に一貫性が感じられない。
清廉潔白な生き方をしていると自ら言うわりには、生活のために稼いだ金を賭け碁に使って失ったり、家賃を滞納し取立屋への言い訳のため娘に嘘をつかせたり、金を盗んだ嫌疑をかけられた際になぜかその金を払おうとして娘を遊郭に売りに出したり、碁会所で果たし合いを勝手に始めそのせいで死人まで出し周囲に迷惑をかけたにも関わらず詫び一ついれずにその場から去ったり、苦労して奪還した軸を盗んだり、そして最後は失踪(?)したりすると挙げればキリがない。どれも心理描写がないので行き当たりばったりの行動にしか見えないのである。基本的に自分にしかベクトルが向いていない感じ。
その上、急にキレだすきらいがあり、情緒にも問題があるようにも見える。
武士は恥を晒して生きるよりも自ら腹を斬るか、雪辱を果たすしかないといった精神性を描きたかったのかもしれないが、町人相手に情けもなく首を取ろうとするのは武士の行動なのだろうか?そもそも武士らしい人格を持っているようには見えず説得力がないので、やはり情緒が不安定な人にしか見えなかった。
小説が原作のようだがそちらではそれらの行動の変化について心理的な描写があるのだろうか?少なくともこの映像からはそれがまったく感じられなかったのが残念。
主人公の周りの人間も不器用な人が多すぎる。もっと上手くやれば大事にならなかったような出来事ばかりで見ていてストレスを感じた。娘もあれほどひどい目に会ったにもかかわらずその元凶となった家に嫁ぐのは無理があるのでは?碁盤斬ったから全部水に流すってそんな理屈は理解できない。
あと例の碁盤斬りのシーン、斬ったあと何も起こらずに少し立ってから碁盤が割れるみたいな演出はさすがに寒いからやめて欲しい。普通に斬って二つになった様子だけ見せてくれれば良い。劇場では観客から失笑が起こっていた。てっきり昔修めた剣術流派の奥義が「碁盤斬り」で、相手を碁の目のように十文字に斬るとか、必死の状況で逆転する剣みたいなものを想像していたが全然違った。
藤沢周平の隠し剣シリーズのような浪漫を期待していたが、タイトルの回収方法があまりにも安っぽく本格時代劇には到底なりえないと思う。
と思っていたが、これ落語が元なのか。
どうりでリアリティのない展開が続くわけだ。
これは武士道なのか?
草彅剛、清原果耶、國村隼ら俳優陣の演技はよかったと思うし、中盤までは楽しめたのですが、途中からの展開に納得できなくてちょっと冷めた目で見ていたので、ラストもあまり感動しませんでした。近くの席でスマートウォッチを何度も光らせて、うっとうしかったおばさんが泣いていたのでよけい白けてしまいました・・・
まず最初で、滞納していた家賃を払うためのなけなしのお金を、一時の感情のまま失うダメさ加減にイラっとしましたが、それは一本気な武士のありさまとして受け入れはしました。しかし中盤のある場面からはあまりにも展開がバカバカしくて脚本家に腹が立っていました。いくつかを列挙すると、
①50両のことを確認するために番頭に言われるまま中川大志が草彅に話をしに行くけど、あれだけ一本気の武士に疑いをかけたらどうなるかは火を見るより明らかなのに、大旦那の了承も得ずにノコノコ言いに行くなんてありえないです。しかも街中で。脳みそないんじゃないですか?
②草彅も疑いをかけられただけで、なぜそれを弁償しようとするのか意味が分かりません。しかも愛する娘を女郎屋に預けてまで。そもそも50両返したら、盗んだことを認めることになりませんか?
③草彅が50両を持って行ったときに、中川に冤罪の時は命をもらう約束をしましたが、その時大旦那の命ももらうといい、それを勝手に中川がOKを出したのでずっこけました。いや他人の、それも命の恩人の大旦那の命を何だと思っているのでしょうか?
④女郎屋の小泉今日子は、足抜けしようとした女郎には鬼の扱いをしたのに、自分が気に入っている清原には甘いんですね。てっきり期日を過ぎたのでそこは約束通り女郎にすると思ったのに、あっさり帰すなんて拍子抜けしました。草彅も武士なのに、都合のいい時は約束をたがえてもあっさり受け入れるんですね。
⑤最後に國村と中川がお互いにかばい合う場面も結果が見えちゃってるので、茶番にしか見えませんでした。だってあの状況で映画のタイトルが「碁盤切り」ですよ。誰だってオチは見え見えですよ。見ていて「あー、はいはい予定調和ですよね」と思っちゃいました。
⑥一番腹が立つのは性悪説の塊の番頭ですが、こいつのせいでトラブルが発生しているのに、大旦那はなぜかクビにせずにそばに置いているのが不思議です。ラストの祝言でも音頭を取っているし・・・
⑦あとは碁会所での殺陣の場面ですが、なかなか草彅に刀を渡さないのは、ハラハラさせるためなんでしょうか。ほかのサンピンたちの一人が渡せば簡単なんですがね。
⑧最後に草彅が清廉潔白なだけではだめだと悟り、お金を藩にいた人たちに渡すために旅立つのだと思いますが、そもそもその人たちは草彅のせいで不幸になったのではないのに、なぜか責任を感じているのがよくわからないです。斎藤工が「お前が藩主に直訴したからだ」とか言っていましたが、いや、お前が草彅を陥れるために画策したことが原因だろうと突っ込みを入れてしまいました。
と、いろいろ書いてしまいました。脚本さえちゃんとしていたらもっといい話になったと思うので残念です。
久々の時代劇!
私には草彅剛という不思議な俳優で『上手い!』では無く、『良いな〜』と感じさせる役者です。そんな草彅君を観るために『碁盤切り』観に行って来ました!
脇を固める俳優も良く楽しめました。
帰ってから古今亭志ん朝の『柳田格之進』を観ましたが、万屋源兵衛の番頭が話を回す側なのですね…
監督がインスパイアされたのは『水清ければ魚棲まず』の部分だと思われますが、映画では斎藤工のセリフと万屋との碁の下りくらいでしか表現されないので、最後も格之進が変わったという所が今一つ響かない。 相も変わらず、信じた道を進んでいる様に見えるラストでした。
やっぱり草彅君は自然体の役者なのか? 私の中ではノンと菅田将暉がこの分類に入ると思うのですが…
トムクルーズは別、あれはスター分類です!
素晴らしかった
まず初めに、音尾さん疑ってすみませんでした。
白石監督作品は凪待ち以来二作品目。お金の紛失事件をきっかけに、あの人が怪しいとかあの人は裏切りそうだとか、いろいろ勘繰ってしまって格之進様に一刀浴びるべきだったのは自分だった。時代劇は剣戟も好きだけど、やはりドラマ部分がしっかりしてこそ秀逸な作品になるのだなと思った。
そして今回も主演の草彅剛さんを始め、清原果耶さん、國村隼さん、斎藤工さんたちの名演に心が動かされました。商人の源兵衛と格之進が打ち解けて囲碁仲間になったときのあの國村隼さんの笑顔はどこでも見たことがないほど優しくて、まるで素のようなお顔に、こちらも一緒に微笑んでしまった。中川大志さんや奥野瑛太さんも今回はとてもいい役どころでしたね。若い人が泣いたり迷ったりする姿は、けして滑稽ではなくそのキャラ自身の成長や真摯なる決意を導き出すきっかけにもなって、思い入れが強くなります。前半は格之進と源兵衛の友情シーンが主なので、このまま囲碁を打ちながら、こんな平和が続けばいいのにと思ってしまった。まぁ物語上そうはいかず。
碁盤を挟んだ戦い、ヒリヒリするような駒運びの一挙手一投足に固唾をのんで見守りました。剣戟は少なかったものの、その分静と動の緩急が見事で、緊張感もあってよかったです。囲碁のことをもっと知っていたら、分かることも増えたのかな。命をかけて昼夜囲碁をする二人を囲んで、周りの人たちの顔色と空気がどんどん変わっていく。また、見守る側の観客による盤上の説明もあって、同じく一緒にのめり込んでいきました。見栄や虚ろな斎藤工さんの敵役、とてもいいですね。
最後の格之進の強行に、どうかどうかと願わずにはいられなかった。武士としての矜持に限らず格之進自身の己の行いに関して自問自答もあり、ラスト含めて家族への愛を貫いた素晴らしい作品でした。鑑賞後の晴れやかな気持ちを、そのまま友人や家族にも話したいと思います。お薦めです。
碁の道‼️
最近の時代劇は参勤交代とか、引っ越しとか、コメディ・タッチの作品が続いてゲンナリしていたのですが、今作は久しぶりの本格的な時代劇だと思います‼️核となるのは仇討ち‼️濡れ衣を着せられ、藩を追われたあげく、妻を自殺に追いやられた一人の浪人の仇討ちを描いています‼️この作品で重要になってくるのが囲碁‼️主人公・柳田格之進と碁敵である萬屋の主人、源兵衛の対局‼️序盤の時を変え、場所を変え、繰り返される二人の囲碁の対局のシーンの美しさは詩的とすら言える‼️囲碁の道が商いの道へ、武士の道へ、そして人間の道へ‼️加えて、格之進の心情を表現してるとも言える自然描写も印象的で、長屋に射し込む陽の光や、清原果耶ちゃん紛する娘のお絹に、母の死の真相を告げる土砂降りの雨のシーン、仇である斎藤工の柴田兵庫との囲碁のシーンの、山々を美しく照らす夕焼け、大晦日の雪など、ホントに素晴らしいシーンの連続‼️そして物語は、萬屋での五十両紛失事件で格之進に嫌疑がかかり、お絹が遊郭に連れられ、格之進の仇討ちと五十両紛失事件の真相、年明けまでにお絹を救い出さねばならないというカウントダウン的なサスペンスまで、怒涛の展開で息もつかせぬ面白さとなっています‼️格之進と兵庫の囲碁のシーンからの、殺気みなぎる殺陣シーンもホントに手に汗握らせます‼️主役の草彅剛もそれなりに頑張ってるし、江戸に住む健気で明るい娘役がピッタリの清原果耶ちゃんは、その所作も含めて完璧‼️また時代劇をやって欲しい‼️格之進に感化されていく源兵衛役・國村隼さんもホントに上手い‼️敵役の斎藤工はもっと殺陣を練習しなきゃダメ‼️ラスト、すべてがうまく収まり、格之進と源兵衛ののどかな囲碁のシーンでハッピーエンドかと思いきや、格之進は自分のために貧しい暮らしを強いられているかつての城中の者たちのための贖罪の旅へ‼️ウーン、映画としての格が上がるラストシーンでした‼️
柳田格之進に文七元結風味をプラス
落語の柳田格之進が好きなので、公開翌日に見に行きました。最初は、萬屋源兵衛が落語での人物像と違いすぎだので戸惑いましたが、格之進との出会いで変わっていったのでひと安心。お絹役の清原果耶は、清らかなイメージの女優さんで昔から好きでしたが、この映画ではそれがより出ていてぴったりでした。
この映画を見て、草彅剛という役者のすごさが今まで以上に実感できます。最初の、どこかあきらめたような寂しい空気を漂わせていたのに、萬屋源兵衛との友情が生まれるところは感動します。でも、その後の彼が浪人となった真相が判明したときの、憤怒の表情と殺気を噴出する場面は、思わずこちらも身がすくみました。
ラストに関しては、どのサゲを使うのかなと思っていたら、割と古いサゲを使っていましたね。でも、現代の観客も納得する伏線があって素直にお絹さんの幸せを喜べます。柳田の今後の身の振り方も彼らしい結末だと思いました。
キョンキョンが貫録の女将を演じていますが、情があって優しいが冷徹な経営者の一面を見せる場面もあり、落語の文七元結の角海老(だったかな)の女将さんをほうふつとさせますね。それと、貫録と言えば市村正親!地元の親分を演じていますが、こちらも貫録でさすがの一言でした。ひとつ、不満を言えばなぜあんなに柳田を憎むのかもう少し納得できるエピソードがあればよかったかなと、個人的には思いました。
ひさしぶりに、時代劇を映画で見ましたがとても良かったです。感動しました。
脚本の深みが欲しい
時代劇観たさと、清原果耶が出演していたので、観ることにした。全体的な印象としては、脚本に少し無理があるかなと。原作未読なため、どれだけそれに沿ったかは不明ながらも、50両の大金を、額縁の裏に置いたことを忘れるわけがないだろうと思えた。そこがしかも、騒動のキモになるので、深みが感じられなかった。なので、命がけの茶番にみえなくもない。
時代背景としては、江戸時代の侍の居残りは、狭く潔癖な世界観をもっていて、息詰まるような感覚で生活していたのかと思えたけど、時代が時代だけにそうした人も居たのかもしれないと思えた。
役者の演技は、草彅剛はさすがの気合いが入っていたし、清原果耶も安定の可憐さと魅力あり。なので、脚本の深み、どうして盗みの嫌疑がかけられたのかの深みが欲しかった。
全117件中、81~100件目を表示