「ラストがねぇ」碁盤斬り ケンノリさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストがねぇ
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ラストが違和感だらけ。柳田の嫌疑が晴れたんしょ。仇討ちも果たせたんでしょ。彦根藩に戻って、柳田のために追われた家臣たちを再び召し抱えるよう、井伊家に願い出るのが筋でしょ。自分が戻らなければ、彼らの苦しい生活を救ってあげられるわけがない。探幽の絵を売ってできた金を配って、「済まなかった」って、それで彼らは救われるの?彼らの身分を、誇りを取り戻してあげるのが自分の責任でしょ。左門も絵は取り戻せない、柳田の説得にも失敗って…藩に戻れるのかなぁ?
落語では、江戸を離れた柳田が再び藩で重用されて江戸に戻ってくることになっている。何故、重用されるようになったかは触れられない。あの人物なら重用されて然るべきだと納得して聴けていたし、違和感を感じなかった(娘が身を沈めているのに…という所には違和感あり)。しかし自分の清廉さ故に被害を受けた家臣たちがいたとするならば、あの柳田が自分だけ許されて復帰するとは思えない。それは柳田の生き方に反すると思う。だからこそ自分のためだけではなく、落ち度もなく藩を追われた人々を救ってやるべきだと思うのである。
風景描写や人物のカットなどはとても良かったと思う。落語では、娘は吉原に身を沈めることになっているが、文七元結の佐野槌の女将のようにお絹を扱っている方が違和感がなくて良かったと思う。以上、総合してこの点数かな。
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