劇場公開日 2024年5月17日

「役者の所作や立ち居振る舞いが美しい時代劇」碁盤斬り シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0役者の所作や立ち居振る舞いが美しい時代劇

2024年5月26日
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久しぶりに作り手の丁寧さが感じられる、端正な時代劇を観て感激しました。監督さんが、警察ドラマやサスペンス等、現代物が多い白石和彌監督なのも意外でした。年季の入った碁盤にこれまた年季の入った碁石を丁寧に打っていく、冒頭のシーンからしてこの作品に魅せられます。碁石の打ち方や打つ音で打ち手の誠実な心を表しながら、相手もいつの間にか取り込んでしまう主人公の精神が魅力的です。原作が落語の人情噺だけに、前半は浪人父娘と大店の質屋主人や遊郭の女主人、長屋の人々の交流など、なんとも気持ちがほっこりとするような展開です。ところが、後半は主人公が仇討ちの旅に出ることと、五十両もの大金を盗んだ嫌疑がかけられるなど、ガラリと雰囲気が変わります。仇との凄まじい戦い、娘の身請けの期限がせまるなど、お話しの語り口が絶妙です。薄暗い屋内での明暗をきかした照明や奥行きのある映像、静から動への鮮やかなカットも素晴らしいです。役者では、草彅剛が立ち居振る舞いや所作が美しく、台詞回しもメリハリが聞いていて,見事な演技でした。娘役の清原果耶の武士の娘らしい凛とした演技がよかったです。國村隼も、巧いのは分かっていても、硬軟交えてやっぱり巧かったです。

シネマディクト
吹雪まんじゅうさんのコメント
2024年5月28日

こちらこそよろしくお願いします!

國村さん素晴らしかったですね!表情やセリフに惹き込まれました。
徹頭徹尾、丁寧な作品づくりに脱帽です。

吹雪まんじゅう
トミーさんのコメント
2024年5月27日

コメントありがとうございます。
割と江戸期のモラルみたいなのは表現出来てたと思います。現在では犯罪レベルの事ばかりですが・・本当に娘が身を落としたり二人が首を打たれたりすると人情モノにならないですよ、ねぇ?

トミー
琥珀糖さんのコメント
2024年5月27日

コメントありがとうございます。

本当に久々に本格時代劇をみて感動しました。
白石和彌監督の初時代劇。
初とは思えない熟練の技でしたね。
國村隼が初めは吝嗇な質屋の店主だったのに、
すっかり格乃進に感化されて敬愛するようになる所、
本当に演技が上手いですね。
キャスティングも凄くて、草彅剛そして敵役の斎藤工、そしてもちろん
娘役の清原伽耶そして小泉今日子も、最高でしたね。
桜、椿、梅・・・と季節感もあり、
本当にすごい技だと思いましたね。

琥珀糖
トミーさんのコメント
2024年5月27日

共感ありがとうございます。
「忘れてはオランダー!」ここの滑舌だけですね。

トミー